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wonder! とある2人の恋愛事情  作者: かなたん


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65/80

第65話 カバーライブ当日!①

あっという間に本番の日を迎えた。チケットは全て完売で、味の素スタジアムは満杯だった。


「嘘でしょ…」

「4万人も集まったの…?」


 私と杏が呆然としている横で志乃ちゃんが硬直している。私は彼女の肩を叩き励ました。


「志乃ちゃん、志乃ちゃんは今から4万人のファンの前に立つの。緊張してるかもしれないけど、リラックスして。」


 そう言って肩を揉む。少し解れたようだ。


「志乃ちゃん出番だよ」

「は、はい!」


 会場にSEとしてDeityが流れる。私は袖に立つ志乃ちゃんに言った。


「東名阪やったでしょ。大丈夫。」

「…はい」


 Deityが流れ終わりそうな段階でステージへ立つ志乃ちゃん。Deity効果か会場からは歓声が上がった。会場にオルゴールの音が流れてcageが始まる。観客のボルテージは最高に達している。


「行けるか味の素ー!」

「うおおお!!」


 歌いながら縦横無尽に走り回る志乃ちゃん。若さってすごい。


「最後の君まで壊した僕はサド?」のとこで首を傾げると、大きな歓声が上がった。


 間髪入れず披露されたのは、cageのテンションを下げる蛍火だ。一気に会場が静かになる。志乃ちゃんは声色を変えながら歌う。私はその姿を尊敬していた。


「みなさんこんにちは。wonder新入生の三矢志乃です。楽しんでますか!」


「すごいね。志乃ちゃんステージに立つと変わるね。」

「期待大ですね。」


「セットリストは結依さんと決めたんですが、2曲だけシークレットがあるんです。シークレット、やっていいですか?」


 会場から拍手が上がる。


「じゃあ聞いてください」

 

 最初の1音を聴いた瞬間、私もファンも凍りついた。


「Erodeだ…」

「そんなにレアな曲なの?」

「MISSAってアルバムに収録されていて、近年全くやってない曲なんです。シークレットってこれか…」


「貴女は最後まで気づかないふりをしていた」


 Erodeが終わる。会場が拍手と歓声で包まれた。

 その次に演奏されたのは鬼眼-kigan-だ。かっこよすぎるでしょ。低音から高音に上がっていくのがかっこいいこの曲は

「卑怯だ…」

 鬼眼-kigan-が終わり、しばらくの沈黙の後、ドラムから始まった時には私は崩れ落ちていた。


「完璧すぎる…」


 始まったMACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹-で彼女はただの新人からライバルとなった。負けられない。


「そっちがMACABREならこっちはVINUSHKAで勝負だよ志乃ちゃん」


 今彼女はTHE FINALを歌っている。これが最後のステージということか。


 志乃ちゃんのステージが終わり、志乃ちゃんがはけてきた。


「圧巻のステージだったよ。」

「ありがとうございます。一気に緊張が来ちゃった。」


 志乃ちゃんの体は震えていた。私はそっと抱きしめてあげる。ライバルを称えるために。


 さぁ次は私の番だ。

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