第66話 カバーライブ当日!②
「味の素かかってこれますか!次は私の万です!暴れ倒してくださいね!頭振る準備は出来てるか!羅刹国!」
サークルモッシュが起きる。私はアイドルの顔を捨てて素の平塚結依になって臨んだ。
羅刹国から間髪入れず朔-saku-をぶっこむ。
「頭振れー!」
従順なファンたちは羅刹国の疲れも知らず、頭を振る。私はその姿を見て悦に入りながら歌いあげた。
「疲れたよね?バラードを」
と言って歌ったのはザクロだ。人を愛するが故に愛が重たくなり、自らを傷つける女性の曲だ。私はステージの床に座り込みながら、歌う。ときおり床を叩きながら。感情を込めながら。
ザクロが終わったあとすぐにSEが流れる。Merciless Cultだ。私は床に座ったまま体を揺らしながら歌いあげた。
「愛してください その血も その意味も」
私はその部分を叫びながら歌った。愛して欲しい。ただそれだけだ。
その次はTHE FINAL
「未遂の蕾、咲かせよう─」
私は座り込んだまま歌い、その歌詞を空を見上げながら呟いて。
拍手が沸き起こった。私は立ち上がりMCを始めた、
「盛り上がってますかー!?」
野太い声が聞こえてきた。私は満足してMCを続けた。
「今日はDir en greyカバーライブです!志乃ちゃんの時はかなり盛り上がってたね。」
「そんなことないよー?」「結依ちゃーん!」
「みんな声をありがとう!次の曲はしっとりした曲だから、疲れたら座って聴いてね。じゃあ聴いてください24個シリンダー」
会場のファンがほぼ全員座った。私はしっとりと歌いあげた。杏どこかで見てるかな?そう思いながら下手を見ると、いた。
24個シリンダーが終わる。次のFILTHでみんな立ち始めた、と同時に全員がヘドバンを始めた。全員虜なんだな、たぶん。
FIlTHが終わり間髪入れず、schweinの椅子へ。
「歌えー!」
「Geist!Seele!Wille!Zelle!」
「足りないなー!?」
「Geist!Seele!Wille!Zelle!」
49000人が歌うschweinの椅子は気持ちがいい。
「ヒクヒク求める 血が干しいかい 僕が与えよう」
「eins!zwei!drei!vier!」
「歌え!」
「Geist!Seele!Wille!Zelle!」
「Geist!Seele!Wille!Zelle!」
「Geist!Seele!Wille!Zelle!」
「eins!zwei!drei!vier!」
「頭振れる?」
「振れるよー!」
「じゃあ行くよ!凱歌、沈黙か眠る頃!」
散々頭を振らせたのでバラードをやろうか突っ込んだのは蟲-mushi-だった。会場のテンションが一気に下がったとこらで、ラストの曲をコールする。
「ラスト!JESSICA!」
「そっと 君が手を差し伸べると 素直になれず」
手を差し伸べる。前列の女の子が泣いていた。私はステージを降り、その子ね頭を撫でてあげた。ハンカチを渡した後、ラスト「夢は終わる シドの夢」を歌いあげ、ステージに戻る。
「どうもありがとー!また後でねー!」
客席に手を振り下がっていく。志乃ちゃんが何故か尊敬の目で私を見ている。何故だろう。
「どうしたの?」
「やっぱり結依さんカリスマですね!」
「そ、そうかな?」
「すごいです!煽ってるかと思ったら曲の世界観に入り込んでるし、ファンの方にも優しいし!」
「あ、ありがとう?」
20分の休憩を経て、2人のデュエットが始まる。
「楽しもうね。」
「はい!」
そう言って2人笑う。
さぁ、第3部の始まりだ。




