第50話 お休みの日②
外に出ると、杏はソフトクリームを食べていた。
「あ、いいな。」
「そこで売ってるよ。」
「私も買ってこよう。」
バニラとストロベリーのアイスクリーム。買って戻ると杏はもう食べ終わっていた。
「早いね。」
「結依より先に食べてたからね。ゆっくり食べなよ。」
「そうする」
杏の隣に座り、ソフトクリームに口を付ける。
「あ、美味しい」
「よね。ミルクが濃厚っていうか。」
「うん。ごちそうさま。美味しかった。」
「じゃあ行こうか。」
「どこ行く?」
「パスタの美味しいお店」
そこまではバスで20分。バス停に着いてしばらく歩くとその店はある。
「あら、結依ちゃんいらっしゃい」
「ご無沙汰してます。紹介します、杏です。」
「い、市川杏です、よろしくお願いします!」
「ふふ。さ、お好きな席にどうぞ。」
窓際の席に座る。ここは水の代わりにカモミールティーが提供される。
「いつの間にお店の人と仲良くなってるの…」
「通いに通ったんだよ。」
「何にする?」
「私桜エビのペペロンチーノでお願いします。」
「わ、私はカルボナーラで。」
「はい、ちょっと待っててね。」
そう言って主人は台所に吸われていった。私は杏へのプレゼントを渡す。
「杏、これ。猫の置き物。猫好きでしょ?」
「え、ありがとう!可愛い!」
「箸置きと悩んだんだけどね。置き物の方が良いかなって思って。」
「ありがとう!大事にするね。」
「どういたしまして。」
「はい、お待たせ。桜エビのペペロンチーノとカルボナーラね。」
「ありがとうございます。いただきます。」
「わ…すごい。パスタがモチモチ!カルボナーラソースもくどく無い…!」
杏が珍しく感動している。ここのパスタは自家製で、モチモチな食感が特徴なのである。
「そこまで喜んでもらえると嬉しいな。今後も通ってね。」
「はい!」
新しい顧客を掴んで主人は嬉しそうだ。食後のコーヒーを嗜んでいると、店内BGMがwonderに変わった。
「あ、さくらだ。」
「私たちがいるからかな。」
「そうかもね。コーヒー美味しい。」
「いつも来てくれてありがとう。少しはwonderに貢献させて貰うよ。」
「ありがとうございます。でも私たちそろそろ」
「大丈夫。帰っても流し続けるから。」
「ありがとうございます。」
代金を支払い、外へ出る。
「じゃあ、また来てね。」
「また来ます。ありがとうございました。」
バス停に向かう。杏が私の手を掴んだ。
「手ぇ繋ぐくらい、いいよね?」
「いいよ。」
バス停に着くまでの間、手を繋ぐ。幸せだ。
バスに乗って、自宅へ着いた。荷物を床に置いて、杏がベッドに倒れ込む。
「眠い…」
その横に私も寝転んだ。
「服、着替えないと」
「大丈夫だよ。」
「うん…お休み…」
「お休み」
2人揃って眠りに就いた。手は繋いだままだ。




