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wonder! とある2人の恋愛事情  作者: かなたん


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第48話 ライブ当日!③


「第二部行くぞー!!!」

「うおおお!」


 第二部の始まりは「Clear」からだ。杏がハイトーンボイスでサビを歌い上げ、私と皐月ちゃんの低音ダブルボイスでハモる。2曲目、「Vertigo」私がメインボーカルとなる。

 3曲目「負け惜しみ」莉緒ちゃんのソロ曲だ。最初は緊張していた莉緒ちゃんもしっかり歌えていた。莉緒ちゃんは比較的低音ボイスなので、「負け惜しみ」は聞いてて気持ちいい。4曲目「Under」「Clear」のカップリングだ。結構人気がある曲だ。


「盛り上がってますかー!!」

「うおおおおおお」

「声小さいんじゃない!?盛り上がってますかー!?」

「うおおおおおお!!!!」


 満足そうに杏が私にバトンを渡す。


「えー、第二部です。って言っても次の曲が最後なんだけどね。」

「えー!?」

「第一部でいっぱい歌ったでしょ?だからね、次で最後。」

「もっと聞きたーい!」「もっとやってー!」

「アンコールもあるから。ね?」


 首を傾げる。歓声が上がった。


「最後の曲です!GARDEN!」


 GARDENも地下アイドル時代からある曲である。根強い人気がある曲だ。


「どーもありがとー!またねー!」


 上手に捌ける。もうアンコールの声が上がっている。


「アンコールなんだっけ?」

「1回目が「永遠」と「君の味方であり続けるから」と「遊歩道」、2回目がworld wonder!だね。」

「じゃあ、行きますか」

「うん!」


 小走りでステージに走っていくと、大きな歓声が浴びせられた。杏が満足そうに、


「アンコールどうもありがとー!愛してるよ!」

「LINE CUBE SHIBUYA楽しんでますか!」

「杏ちゃーん!」「莉緒ちゃーん!」


 多分初めてじゃないかな、莉緒ちゃんの名前呼ばれたの。浅倉さんを見ると、後ろを向いて泣いていた。


「莉緒ちゃん」


 マイクを向けると涙を流しながら首を振る。


「だめ。1人でも自分の名前を呼んでくれた人がいるんだったら感謝を伝えなきゃ。」

「…うん!」


 首を大きく横に振り、前を向いてマイク越しに叫ぶ。


「私の名前を呼んでくれてありがとう!でももっと欲しいな?」

「莉緒ちゃーん!」「莉緒ちゃん好きだよ!」


 莉緒ちゃんは満足そうだった。彼女にも「アイドル意識」が芽生えてきたんだろう。いいことだ。


「じゃあアンコール1曲目!聞いてください、永遠」


 永遠はフォーメーションが難しく、リハーサルでもうまくいかなかった曲だ。果たしてどうなるか。


「永遠なんてあり得ない なんて言わないで 君と僕は前世から繋がってるよ そしてこれからもずっと」


 フォーメーションは完璧だった。この曲は珍しく莉緒ちゃんパートが多いので、ちょっと大変そうだ。


 永遠が終わり、前奏が流れる。私のパートだ。


「世界がみんなを見放しても私たちは見離さない!君の味方であり続けるから!」


シンセサイザーとギターが共存するこの曲は、やっぱりダンスが難しいのである。


「ラスト!遊歩道!」


 アンコール1回目が終わる。まだアンコールの声が上がっている。


「ここ何時までですか?」

「22:30までだね。」

「じゃあさささってworld wonder!やって終わりですね。」

「そうだね。」

「みんな行くよ!」


 world wonder!でライブは幕を閉じた。


 控室。


「つ、疲れた…」

「難しい曲多すぎて…」

「はい、キレートレモンの濃いやつ。疲れに効くよ」

「なんで結依そんな元気なの…」

「最近筋トレ始めたからね。さ、早くメイク落として帰るよ。」

「はーい…」


 外は真っ暗だった。私と杏は持田さん組、皐月ちゃんと莉緒ちゃんは高山さん組に別れて車に乗る。


「良かったよ。すごく良かった。」

「ありがとうございます。」

「早く家帰らないとね。まぁ明日はみんなオフだけど。着いたよ。」

「ありがとうございます。じゃあまた。」


 部屋に入ると、杏がベッドに倒れ込んだ。


「お風呂入らなきゃ」

「明日でいい…」

「だめだよ」

「明日…」


 こうなると杏は全くダメなのである。私はため息をついてお風呂のスイッチを入れる。


 もう寝息を立てている杏の頭を撫でる。


「お疲れ様。」

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