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wonder! とある2人の恋愛事情  作者: かなたん


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第38話 ファンミーティング〜CDショップ ②

いよいよファンミーティングCDショップ編である。第1弾は渋谷が舞台となる。


「今日はよろしくお願いします!」

「よろしくお願いします!」


 挨拶を済ませた後、今日の段取りを確認する。トークショー、ミニライブ、サイン会…ミニライブ?


「ミニライブなんて聞いてないけど」

「踊れる曲選んだから」

「選んだからじゃないよ。みんな知らないでしょ?」

「あぁ…」

「あぁ…じゃないよ。何で相談しないの?」

「いや、出来るかなって」

「何言ってんの?」

「とにかく頼んだぞ。」 


 杏が「無能」って言うのが分かった気がする。


「ねぇ今日ミニライブあるらしいけど聞いてる?」

「え!そうなの!?」


 やっぱり…。


「これセットリストだって。2曲だからまだいいよね。」

「world wonder!やるんだ…。踊れるかな…。」

「浅倉さんなら大丈夫だよ。頑張ろ。」

「…うん!」


 大森さんは大丈夫だろうけど、杏だな。問題は。


「はぁ!?ミニライブなんて聞いてないけど!?」


 やっぱり。思った通りの反応だ。杏が1番キレるだろうなとは思っていたが。


「しかもworld wonder!入ってんじゃん。」

「杏なら得意でしょ?」

「まぁそうだけど…高山さんほんとに無能。」


 今日だけはその意見に賛同するよ、杏。


「wonderの皆さん出番でーす!」

「はーい、よろしくお願いします!」

 

 杏、浅倉さん、大森さん、私の順に各席に座る。会場は満杯だった。最初にマイクを取ったのは杏だった。


「みなさんこんにちわー!」

「こんにちわー!」

「元気ないんじゃない?もう一回!こんにちわー!」

「こんにちわー!!」

「こんにちわ、wonderです!今日は来てくれてありがとう!」


 杏がアイドルをしている。いつもスン…としているのに。


「じゃあ質問を交えたトークショーを始めたいと思います。まずは…これかな。wonderの皆さんこんにちは!地下アイドル時代から応援しているファンです!今や売れっ子のwonderの皆さんですが、地下アイドル時代のことも語って欲しいです!」


「地下アイドル時代…売れたいって思いしか無かったかなぁ。」

「杏はその思い1番強かったよね。」

「杏ちゃんの思いは強かったね。」

「お客さんが10人位しかいなかったとき悔しかったからね。」

「地下アイドル時代は本当にみんなが切磋琢磨して売れようと頑張ってたね。まぁその分求められることは多かったけど。」

「それは…ごめん。」


「今はどうですか?」

「メジャーデビューして東名阪、ドームツアーとやらせて頂いて、地下アイドル時代の私たちに誇ってあげたいですね。頑張ってたらここまで登り詰められるよって。」

「やっぱり結依プロデューサーだね。」

「そんなんじゃないよ。ただ今思ってることを言っただけだよ。」


「では質問もたくさん出ましたので、ここでwonderの皆さんからサプライズがあります!」


 会場が騒然としている。そりゃそうだ。トークショーとサイン会だけだと思ってるからな。みんな。


「ここでミニライブが行われます!曲目はClear、world wonder!の2曲です!ではお願いします!」


「透明に澄んだ世界が君にはお似合い さぁ手を取って 僕と一緒に 澄んだ世界へ」


 Clearは最初私と杏のハモリから始まる。杏のお気に入りの曲だ。


 Clearとworld wonder!を終えて、サイン会が始まる。


「結依ちゃん大好きです!ミニライブのClear声が透き通ってて良かったですー!」

「ありがとうございます。そう言って貰えて嬉しいな。はい、CDです。これからもwonderを愛して欲しいな。」

「あ、愛します!ありがとうございます!」


「あ、杏さん!お願いがあります!」

「何?」

「罵ってください!」

「あ?この豚が!調子乗ってんじゃないよ!ほら、CDだよ!豚小屋に帰んな!」

「ありがとうございます!!」


 何事もなくファンミーティングは終わった。片付はスタッフさんに任せて、私たちは控え室にいた。お茶を飲みながら、私はふと聞いてみた。


「浅倉さん、大森さん最近どう?」

「私は最近ちゃんと踊れるようになってきたよ!」

「私はリズムが取れるようになってきたよ。ちゃんと歌えるようになってきたかな。」

「そっか。良かった。」

「おーいお前ら帰るぞ」 

「はーい!」


 ショップの店員さんたちに挨拶をしてそれぞれ車に乗る。私は持田さんの車だ。


「ミニライブ良かったよ。」

「ありがとうございます。急遽でバタバタでしたけどね。」

「まぁ最後までみんな迷ってたからね。とりあえず成功して良かった。」

「ありがとうございます。」

「結依ちゃん今2年生だっけ?」

「はい。2年生です。」

「なかなか大変?」

「なかなか大変ですね。」

「そっか。着いたよ。頑張ってね。」

「ありがとうございます。また。」


 家の電気は付いていた。先に杏が着いたらしい。


「ただいま」

「おかえり!」


 杏が私に抱きつく。家に帰ると迎えてくれる人がいるのは幸せなことだと思う。

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