第33話 CD完成〜ファンミーティング
CDが完成した。
「うわぁ、ダンボール4箱なんて見たことない…!」
「やっぱりメジャー流通だと違うのかな。」
「そうね。結依はこんなの何回も見てるでしょ?」
「2回くらいだけどね。」
「売れた?」
「おかげさまで!」
「これからお前たちには試練がある」
高山さんが厳しい顔をする。なんだろう。
「CD発売記念ファンミーティング&握手会だ。」
えー!試練じゃないよー!などと言っているが、ファンミーティング&握手会は本当にきつい。私の時は200人と握手をした。腱鞘炎になりかけた。
「CDは明日発売でファンミーティング&握手会は7日後だ。肝に銘じとくように。」
「はーい。」
CDにサインするのが今から辛い。そう思いながら、CDの束を見ていた。
「ねー、結依ー」
「んー?」
「サイン会って辛いの?」
「200枚にサインして握手するんだよ?腱鞘炎になるよ。」
「そうだねー…CD売れるかな?」
「売れるといいね。ってか売れないとやばいからね。」
「そうだね!」
「私たちはSNSをやってるから、宣伝していかなきゃね。」
「うん!」
数日後
「いよいよ明日はファンミーティング&握手会だ。喜ばせるように。」
「はーい!」
「場所の確認しとかないとな…さいたまスーパーアリーナ!?」
「はぁ?!」
「規模デカすぎでしょ!」
「4thプレスまで発売したから会場を変えたらしい…」
唖然とする私たち。ってかそんなに売れたのか。
「そんなに握手出来ないでしょ!どうするの?!」
「でももう会場押さえちゃったみたいだし…」
「じゃあ私歌おうか?」
「平塚頼まれるか?」
「私はいいけど、wonderとダブル出演?」
「あ!じゃあ私と結依のデュエットは?」
「じゃあ私と杏、…だめだそれじゃwonderになっちゃう。」
途方に暮れているところで持田さんが口を出した。
「wonderミニライブってのは?」
「あっ!なるほど!少しは時間稼げるな。」
「今から踊れるのは…Clear、あと少し…、world wonder!くらいかな」
「Clear自信ないかも…」
「やるしかないよ!」
レッスン室に向かう。やるからにはとことんやらないと。
ファンミーティング当日。会場は満杯だ。ミニライブをやることはファンの皆さんには伝えていない。時間が早くなったのは告知をしたが。
「東名阪の次はさいたまスーパーアリーナなんて…すごいね結依ちゃん!」
「まぁ、ブッキングのミスはあれどもね…。ダンスが全部踊れて良かった…。」
「そうね。ミニライブやりますってのに踊れないなんて有り得ないからね。」
会場が暗転した。ざわめく場内。
「よっし、行ってこい!」
突如ステージに現れた私たちに会場には割れんばかりの歓声と驚きの声が響いた。
「来てくれてありがとう!聞いてください!Clear!」
1曲目で会場を盛り上げて、2曲目で落とし、3曲目でまた盛り上げるという作戦である。Clearさえ踊れればあとはバラードと定番曲だけだから大丈夫だろうという話し合いの末のセットリストだ。
「最後!一緒に歌ってね、world wonder!」
3曲を踊り終わり、はけていく。この後はトークショーと握手会か。大丈夫そうだな。
「ここでもう一度wonderの皆さんに登場いただきましょう!」
杏、大森さん、浅倉さん、私の順に席に座る。
「今回はこの会場で直接公式Xに質問を投げて頂いてます。えっと、まず1つ目、Clearすごく良かったです!結依ちゃんに聞きたいのですが、1番苦労したのはどのパートですか?」
「サビかな。高音低音高音って続くのが嫌だった。」
「次ですね。今回のイベント、指揮を取ったのは誰ですか?」
「主に結依ちゃんだよね。」
「結依プロデューサーだからね。」
会場が笑いに包まれる。プロデューサーではないが。




