第14話 「アイドル」という名の仕事
事務所。私と同じようなアイドルらしい女の子が男性と話していた。私は作詞をしている。
「あれ、結依ちゃん。大学は?」
「今日は4限までなんで。来ちゃいました。」
「そっか、じゃあお腹空いてない。ご飯食べに行こうよ」
「いいんですか?」
「俺を信じなさい。しゃぶしゃぶだけどいい?」
「好きです!」
と、いうわけで私は今高級しゃぶしゃぶ店に来ています。恐縮しています。
「あの、いいんですか…?」
「いいのいいの。経費で落ちるんだから。さ、たくさん食べて」
「い、いただきます。」
牛肉のしゃぶしゃぶはとてもおいしかった。どうやら打ち合わせも兼ねているらしい。
「まずは今書いて貰ってる曲でしょ、あとはライブやる事になったから」
「え、ライブですか?」
「そう。東名阪」ら
「東名阪か…人集まるかな」
「集まるよ!大丈夫。」
打合せが終わり事務所に行くと、知らない男の子がいた。
「お疲れ様です!」
「うちの新しいマネージャーだよ。俺の下についたんだ」
「よろしくお願いします!」
「あ、よろしくお願いします。」
挨拶もそこそこに作詞を始める。気づくともう事務所の営業時間を過ぎていた。
「こら、結依ちゃんだけだよ、残ってるの」
「あ、すみません。帰りますね。」
「せっかくだから送ってくよ」
「ありがとうございます」
夜の渋谷はどことなく大人の街だと感じる。街の風景に見惚れていると、持田さんがおも室に私のCDをかけ始めた。
「止めてくださいよ」
「渋谷に合うなと思って」
「そうですか。」
家に帰ると杏が待っていた。
「結依!」
「どうしたの?」
「結衣分補給〜」
いつものことだが、杏は私に依存してるんじゃないか? とりあえず抱きしめてやる。柔らかくて温かい。
「もう大丈夫?」
「うん!だいぶ楽になったよ」
「なんかされたの?」
「レッスンが疲れただけ。ねぇ、今日くらいは一緒にお風呂入ろう?バブ2錠入れといたから」
「入れすぎじゃない?まぁいいけど」
「やった!」
その場で服を脱ぎ出す杏。せめて風呂場で脱ぎなさい。
2人でお風呂に入る。杏の家のお風呂はとても広い。2人で体を洗えるし、2人で浴槽に浸かれる、
「杏髪伸びてきたんじゃない?」
「忙しくて切りに行けないのよ」
「明日は?」
「ラジオじゃん」
「あ、そうだった。明後日は?」
「明後日は…大学もお仕事もお休みだね」
「じゃあ明後日行こう!私も髪切りたいの!」
「そうだね。じゃあ一緒にいこうか。」
「やった!
杏と話しているうちにのぼせかかってきた。早く上がろう。
「杏、先に上がるね。」
「うん!」
頭がクラクラする。ポカリ飲むか…。
ポカリを飲むと少し落ち着いてきた。お湯に浸かりすぎたのかもしれない。髪を乾かしていると、杏が出てきた。
「あーいいお湯だった。」
「気持ちかったね。あ、そうだ杏、わたし来週から東名阪でLiveだからしばらくいないからね。」
「嘘!どれくらい?」
「2週間位かな」
「やだ!私も行く!」
「杏には杏の仕事があるでしょう」
「やだ!」
駄々っ子になってしまった杏を横目に、わたしはちょっとしたアイデアを思いついた。マネージャーに電話を掛ける。
「あ、もしもし。持田さんですか?ちょっと提案があるのですが。」




