第7話:疑念と完璧な演技
第7話:疑念と完璧な演技
朝――学園へ向かう道。
ハルト・シン:
「おい急げって!遅刻するぞ!!」
カイト・レンジ:
「お前が寝坊したせいだろ!」
ユウト・クロガネ:
「考え事してる」
シン:
「何を?」
ユウト:
「……世界の命運に関わることだ」
(一拍)
「昼飯、何食うか」
シン&レンジ:
「ふざけんな!!」
(ユウトの心の中)
(……“Shadow”の話は出すなよ。面倒くさい)
昼休み。
マヒト・ユキ:
「ユウト……“Shadow”って知ってる?」
ユウト:
「Shadow?」
「なんか……中二っぽい名前だな」
ユキ:
「……知らないの?」
ユウト:
「知らない。食えるのそれ?」
(ユキの心の中)
(……演技?それとも本当に……?)
ユウト:
「どうせ自称してるだけのやつだろ」
(ユウトの心の中)
(……危なかったな。今のはギリだ)
その時――
一人の生徒がユキにぶつかりそうになる。
生徒:
「うわっ!?」
次の瞬間――
ユウトはすでに前に立っていた。
別の生徒:
「……え?今、いつ動いた?」
ユウト:
「気をつけろ」
ユウトは何事もなかったかのように去っていく。
(ユキの心の中)
(……速すぎる)
――記憶。
暗い夜。
恐怖。
???:
「我は“影に潜む者”――」
「無料で人を救うが、返金は受け付けない」
幼いユキ:
「……何その変な名乗り……」
現在。
(ユキの心の中)
(……声が違う)
(……ユウトのはずがない)
放課後。
(ユウトの心の中)
(……昔は弱かった)
(“お前は何もできない”って言われてたな)
(……でも今は違う)
(あいつらなんてどうでもいい)
(……なのに)
(なんでまだイラつくんだろうな)
――場面転換。
荒れ果てた場所。
Rima:
「……加入しろ」
Kanoji Tsukasa:
「……は?」
「命令のつもり?」
――ドンッ!!
激突。
金属音と火花。
ツカサ:
「いいね……!」
リマ:
「……まだだ」
連続する衝突。
見えない速度。
血が舞う。
ツカサ(笑う):
「互角じゃん」
リマ:
「……暫定だ」
魔力が膨れ上がる。
ツカサ:
「じゃあ……本気で行くよ?」
リマ:
「……構わない」
二人は同時に踏み込む――
――閃光。
(暗転)
静寂。
ツカサ:
「……決着はまだだな」
「Shadow……自分で確かめる」
リマ:
「……対象確認」
「……有用」
「The Shadow XII――」
「始動する」
リマは闇に消える。
ツカサは一人、笑う。
ツカサ:
「……面白くなってきた」
夕暮れ。
(ユキの心の中)
(……証拠はない)
(……声も違う)
「……とりあえず、信じる」
だが――
(……もし隠してるなら)
(……絶対に見つける)
遠くにいるユウトを見つめる。
疑念は――
まだ消えていない。
第7話・完




