第5話:姫と狂い始めた役割
第5話:姫と狂い始めた役割
翌朝。
ユウトはいつものように、ハルト・シンとカイト・レンジに誘われて登校していた。
歩きながら、彼は考えていた。
(あの“監視していた奴”…何者だ?)
(弱くはないな…)
(組織に引き込めたら…面白い)
小さく息を吐く。
(それに…ERとかいう連中)
(少し面倒だが…)
(借り物の力に頼る連中なんて…)
(敵じゃない)
「おーい!」シンが呼ぶ。
ユウトは我に返る。
ユウト:「ああ、ちょっと考え事してただけだ」
シン:「最近の噂知ってるか?夜に盗賊とか魔物を狩ってる“シャドウ”って奴!」
ユウト:「へぇ…別に大したことないだろ」
レンジ:「お前らァ!!遅刻するぞ!!」
三人:「はあああああ!!走れ!!」
校門前。
「閉まってる!?」
レンジ&シン:「飛び越えるぞ!!」
ドン!!
壁に激突。
ユウト:「……はぁ」
(こいつら…別の意味で才能あるな)
「手出せ。少し我慢しろよ」
ドン!!
二人を抱えて跳躍。
無事着地。
二人は顔面着地。
ユウトはそのまま引きずって教室へ。
教室。
ユウトはぼんやりと座っていた。
(カッコつけて言っただけなのに…)
(本当に組織になってるし…)
「はぁ…」
場面転換—
闇の中。
かつて“ヴェール”と呼ばれた少女。
今の名は——
リマ。
「見捨てられた者たち…」
「力を持ちながら認められなかった者たち…」
「すべては…シャドウ様のために」
(必ず…期待に応えます)
遠くで、いくつかの影が集まり始めていた。
再び教室。
休み時間。
ユウトが一人で鍛えていると—
一人の少女が現れる。
エレナ・アストリア。
学園の姫。
教室が静まり返る。
エレナ:「あなたが好き」
「!?」
ユウト:「悪いけど、興味ない」
クラス:「はあああ!?」
(終わった…)
(モブ人生が…終わった…)
(この人…他の男と違う)
(欲望の目じゃない)
(…面白い)
エレナ:「じゃあ、付きまとうわ」
ユウト:「は?」
裏へ移動。
ユウト:「何が目的だ?」
エレナ:「盾が欲しいの」
「面倒な連中を避けるためのね」
ユウト:「断る」
エレナは無言で金貨を投げる。
(……まぁ)
(最近ちょっと金ないしな)
(仕方ない)
エレナ:「偽の恋人になって」
ユウト:「はいはい、お姫様」
(まぁいいか…)
(少しは“演じる場面”が増えたな)
その時—
(…リマ?)
微かな感覚。
“数人、見つけました”
ユウトは目を閉じる。
「…いいだろう」
(早いな…)
別の場所—
影の中に立つ存在。
「シャドウ…」
「次は…見ているだけじゃない」
微笑み。
——第5話 終了——




