表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想より生まれし闇の支配者  作者: Kurogane Yuuto
「闇の支配者、誕生」
3/9

第3話:静かな日常の終わり

【第3話:影と日常、そして新しい「家族」】

夜――

森の奥。

静寂の中に、かすかな余韻が残っていた。

先ほどの戦い。

そして――“あの存在”。

(……逃げたか)

ユウトは木の枝に降り立つ。

視線は、すでに消えた気配の方向へ。

(完全には追えなかったが……)

(間違いないな)

ただの人間じゃない。

(……面白くなってきた)

わずかに口元が歪む。

「……まあいい」

闇がほどける。

黒いスライム装甲が消え、いつもの少年の姿へ。

「今は日常を優先するか」

夜風が吹き抜ける。

ユウトは軽く跳び、屋敷へと戻った。

朝――

ユウトの初登校の日。

新鮮な空気。

わずかに高鳴る胸。

(……姉、か)

昨夜、母から聞いた話。

両親を失い、行き場をなくした少女――

真人ユキ。

今日から、この家の一員になるらしい。

(別に興味はないけど……)

(どんな奴なんだろうな)

女性に対して特別な感情はない。

だが、その境遇には少しだけ理解があった。

学校。

初日の授業は問題なく進む。

新しいクラスメイト。

軽い会話。

穏やかな時間。

(……魔力持ち、結構いるな)

何人かはすでに魔力を持っていた。

だが、ユウトはそれを一切見せない。

(7歳でバレたら面倒だ)

魔力測定。

模擬戦。

ユウトは完璧に“弱者”を演じた。

「はぁっ!」

クラスでもトップクラスの少女――

シノン・シトル。

放たれた火球がユウトに直撃する。

ドンッ!!

身体が吹き飛ぶ。

地面に叩きつけられる。

血が飛び散る――

ように見えた。

(よし、いい感じだ)

瞬時に生成した偽の血。

完璧な演技。

教師たちは慌てて試験を中断。

ユウトは保健室へ運ばれる。

静かな部屋。

ベッドの上。

(……順調すぎるな)

前世ではただの妄想少年。

だが今は違う。

(……“闇の支配者”に近づいている)

窓の外を見る。

(……姉はまだ来てないか)

放課後。

帰路。

(今夜は何をするか……)

門をくぐった瞬間――

「ユウト!!」

両親が駆け寄る。

「ユキが……誘拐されたの!」

空気が変わる。

「今、兵を動かして探してる!」

ユウトは一瞬だけ黙る。

「……分かった。家で待つ」

両親はすぐに出ていった。

(……なるほど)

(さっき感じた魔力の集団……)

(あれか)

(雑魚っぽいが……ちょうどいい)

夜。

部屋に戻り、鍵をかける。

「行くか」

闇が身体を包む。

黒いスライム装甲。

“シャドウ”。

窓から飛び出し、夜空へ。

月明かりの中を駆ける。

――その頃。

ユキは森の中を走っていた。

後ろからは魔力を持つ盗賊たち。

「待てぇ!!」

魔弾が飛ぶ。

地面が爆ぜる。

「いや……!」

その様子を、別の影が見ていた。

「……やっぱり」

低い女の声。

「“シャドウ”に関係あるかもしれない」

確信はない。

だが、興味はある。

その時――

ドォォン!!

赤紫の閃光が空から落ちる。

地面が砕ける。

そこに立つのは――

「我が名はシャドウ」

「闇に潜み、すべてを喰らう存在」

冷たい声。

盗賊たちが振り向く。

「なんだこいつ!?」

一人が斬りかかる。

キンッ――

刃が当たる。

だが――

「……効かないな」

傷は瞬時に修復される。

黒いスライムが再構築。

「じゃあ、次はこっちだ」

巨大な鎌が現れる。

一閃。

血が舞う。

「化け物かよ……!」

魔弾が放たれる。

ユウトは鎌を回転させ、吸収。

「悪くないな」

突撃。

斬る。

斬る。

斬る。

「ハハ……」

「少しは上がったか」

最後の一撃。

ズバッ――

全員が倒れる。

ユキは震えていた。

恐怖ではない。

圧倒的な力への驚き。

(……この人……)

影の女は青ざめる。

(危険すぎる……)

離脱。

ヒュン!!

ナイフが木を貫く。

「……気づいてるぞ」

低い声。

彼女は息を飲み、消えた。

ユウトは追わない。

「……今はこっちが優先だ」

ユキを見る。

だが――

「……金、結構あるな」

荷車へ。

(普通の金か)

必要な分だけ回収。

「気をつけろよ」

消える。

数分後。

「大丈夫ですか!?」

普通の姿で登場。

完璧な演技。

「さっき“シャドウ”って人が……」

(ああ、俺だ)

「そうなんですか!よかった……!」

「俺はユウト・クロガネです」

「……ユキです」

帰り道。

「さっきのこと……内緒で」

(バレたら怒られる)

帰宅。

「ユキ!!」

抱きしめる両親。

ユウトは後ろで安堵。

(……バレてないな)

夜。

家族で食事。

「俺、空気じゃない?」

笑い声。

ユキは思う。

(……この家、いいかも)

ユウトは部屋へ。

(……あの女、気になるな)

ベッドに倒れる。

(あと5年か)

「学院編……楽しみだな」

闇の中で笑う。

――第3話 終わり――

第4話ネタバレ(少し)

ただの夜の外出のはずだった――

それはやがて、

王都での「シャドウ」の最初の舞台へと変わる。

謎の少女。

暗躍する組織。

そして――触れてはいけない存在に手を出してしまった者。

闇の中で、

空間すら飲み込む力が目覚める。

だが、本当に恐ろしいのはその力ではない。

――それを使う者が、

ただ“カッコつけて演じているだけ”だということ。

この章の見どころ: ・初の本格バトル

・新技の初披露

・組織の最初のメンバー登場

・背後に潜む敵の存在

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ