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妄想より生まれし闇の支配者  作者: Kurogane Yuuto
「闇の支配者、誕生」
2/9

第2話:シャドウ降臨

【第2話:闇の力と竜、そして“影”】

ユウトは5歳の頃から、夜な夜な魔力の鍛錬を続けていた。

誰にも気づかれないように。

静かに、確実に。

森へと足を運び、盗賊や魔物を相手に戦い続ける。

そして――7歳。

その力は、すでに常人の域を超えていた。

その夜。

家族が眠りについたのを確認し、ユウトは静かに窓から外へ出る。

黒いスライムのような魔力が身体を覆い、装甲へと変わる。

「……行くか」

そのまま夜空へと跳び上がる。

森を越え、さらに奥へ。

強い気配を探していると――

(……ん?)

異質な魔力。

しかも、かなり大きい。

視線の先。

王都アストリア。

そこでは、一体の“竜”が暴れていた。

空間を裂くように現れた異界の存在。

圧倒的な魔力。

王都は炎に包まれ、人々は混乱に陥っていた。

騎士団、冒険者たちが応戦するが――

被害は広がる一方。

(……いいね)

(これは“使える”)

ユウトはゆっくりと高度を上げる。

(もしこれが“見せ場”なら――)

その目が細められる。

(……完璧にやるしかない)

次の瞬間。

ドォォンッ!!

赤紫の閃光が空から落ちる。

地面が砕ける。

そこに立っていたのは――

「我が名はシャドウ」

「闇に潜み、すべてを呑み込む存在」

低く、冷たい声。

人々は呆然と見上げる。

「シャドウ……?」

竜が咆哮し、魔力を放つ。

ユウトは軽く身を翻し、攻撃を回避する。

(……意外と危険だな)

(この身体、まだ完全には制御しきれていないが――)

(軽く調整すれば問題ない)

空中戦。

激しい衝突。

爆音が響き渡る。

一撃、二撃。

ユウトは確実にダメージを与えていく。

やがて――

翼を斬り落とし、腕を断つ。

竜の絶叫が夜空に響く。

「……そろそろ終わりだ」

無数の紫の光が空中に展開される。

“影の糸”が竜を拘束する。

「――ブレード・アビス」

次の瞬間。

ドォォォォォン!!

紫の閃光が炸裂する。

王都全体を照らす光。

竜は跡形もなく消滅した。

静寂。

人々は言葉を失う。

その中で、一人の少女が空を見上げていた。

(……あの人……)

かすかな笑み。

そして――

ユウトは姿を消す。

森の近く。

巨大な古木の上。

ユウトは枝に立ち、王都を見下ろす。

「……まあ、悪くないな」

夜風が吹き抜ける。

闇のマントが揺れる。

背を向け、立ち去ろうとした――

「……何も言わずに帰るつもりか?」

ユウトの動きが止まる。

沈黙。

空気が、一瞬で重くなる。

「……ほう」

振り向かない。

だが――

その目が変わる。

「……さっきから」

「……気づいていたさ」

闇の中から声が響く。

「それでも、気づかないフリをするとはな」

一人の影が現れる。

その魔力は――

異質。

ユウトはわずかに笑う。

「……面白い」

(初めてだな)

(完全には見抜けない相手は)

影の人物が顔を上げる。

「……シャドウ」

「……貴様を待っていた」

空気が凍りつく。

ユウトはゆっくりと振り返る。

「……そうか」

その口元に笑み。

「……なら――」

「……始めようか」

――第2話 終わり

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