表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
34/36

三話 やっぱりなんやかんだで早起きは良いもんだ

どうも、朝はテンションガタ落ちの楓乃颯です。


そもそも早起きは出来ません。


イブキくんはどうなんでしょうか……


 異世界に転生されて数ヶ月。


 季節はまだまだ夏で、ジリジリとした太陽の熱が容赦なく降り注ぐ。


 しかし、そんな夏でも俺が好きな時間帯がある。


 早朝だ。


 まだ日が登る前のイグニスの街は少しだけひんやりとしていて過ごしやすい。


「おいっちにーさんしーごーろくしちはち」


 今日も日が登る前に起きた俺は、教会の庭で体操をしている。


 異世界に転生してからゲームなどの娯楽が無いので、必然的に早起きをするようになった。


 健康街頭まっしぐらな俺は、今日も明日も平和な日々を過ごすだろう。


 そう思いながらタオルで汗を拭いていると、


「おはようございます、イブキ。今日も良い天気ですね」


 金髪赤眼の盗賊、ガブリエル・エールが目をショボショボさせながらやってきた。


「ああ、おはようガブ。そうだな、今日も良い日になりそうだ」


 俺は昇ってきた太陽の光を浴びながら背伸びをする。


 いやー今日も平和だなあ。


「そ、それでイブキ……今時間いいですか? 伝えたい事があるのですが……」


 と、そんな感情に浸っていると何やらガブがモジモジしだした。


 ……どしたんだコイツ。


「……なんだ、告白か? シルフィとの関係を見て、まだそんな事言えるのか?」


「ぶっコロしますよ!! 大体、貴方とシルフィ、デートすらまともに出来てないじゃ無いですか!!」


「うるせえ! 痛いとこ突くな毒舌が! ……なんだ羨ましいのか、それだったらダイスとかいいんじゃないか? 所帯持ちだけど」


「羨ましくありませんよ! ……だけど、伝えなくてはいけない事なんですよ」


 ……ヒートアップはしたものの一応聞いてみるか。


「んで、一体何だ?」


「私の家に一緒に帰りましょう」


「イヤです」


 前言撤回! 今日は最悪な日だ!


「何故即答なんですか!」


「……だってお前の家、暗殺一家なんだろ? ましてやお父さんは最高の暗殺者! ……行くわけがねえだろ」


 前に判明した通り、コイツの家、エール家は代々王家に仕える直属の暗殺一家だ。


 そしてその血を継ぐガブリエル・エール。


 ちなみに言うと、エール家の名前が歩いていると大体の人は近づかないらしい。


 理由は関わると碌な事がないから。


「そこを何とか、お願いしますよ。私も毒魔法で脅したくないのです」


「さらっと仲間を脅すなよ」


 いや、コイツの場合は普通に口が悪いから人が寄ってこないのだろう。


「というか、何で急にそんな事なったんだよ。説明をしてくれ」


「ああはい。私はお父さんとよく手紙を嗜むのですが、この間、パーティメンバーの話題になったのです。そしたらお父さんが……」


「呼んだって訳か。まあ確かに娘の仲間は気になるわな。……だけど、俺は行かねえ。帰りたいんだったら一人で帰ってくれ」


 平和な生活を望む俺はキッパリと断る。

 たとえそれがパーティメンバーの頼みでさえも!


「はあ、そうですか。……あんまりこの手は使いたくないんですがね……」


 ガブはそう言うと、申し訳なさそうな顔を一転させて含み笑いの悪い顔になった。


「お、何だ何だ。毒を盛るとしても最近手に入れた毒感知の魔道具があれば、お前の毒魔法なんか怖くないぜ」


「もし来なかったらお父さんが、貴方を次の暗殺対象(ターゲット)にするそうです」


「行かせていただきますッ!!」



■■■■■



「——と言う訳でパーティメンバーで王都へ行くことになりました。異論は認めん、認めたら俺が死ぬ」


「イブキ……大変だね」


「大変です」


 エール家は王家直属の暗殺一家。もちろん王国の中心である王都、その中心である王城に住んでいるみたいだ。

 

 と言うことはガブも王城育ちな訳で……!


「ちょイブキ、その目は何ですか。哀れみと同情の目に見えますが?」


 どーやったらこんな毒舌少女に育ったのか。


 俺が顎に手をついてため息をつくと、 


「あら、それだったら私もついていくわ。ちょうど、王都への用事があったのよね」


 テーブルの向かいで朝ごはんを食べているトレニアがぶっきらぼうに言った。


「え、マジすか。遊びじゃない……いや、ほぼ遊びのようなもんか。別に良いですけど、やらかさないでくださいよ。嫌な予感はめちゃくちゃしますけど」


「何言ってるのよ? 私はこのイグニスの街でも一番美人で一番優秀な聖職者なのよ。先日もイブキ君の呪いを解いてあげたじゃない」


 ドヤ顔でこちらを向くトレニア。


 ……確かに聖職者としては優秀なんだよな、この人。

 

 それを大幅に上回る私生活のだらしなさが目立つけど。


「まあ、反対する理由も無いし一緒に行きますか。その方が楽しいでしょ」


「やった! イブキ君ありがとう!」


 トレニアもついてくる事が決定したので、俺は改めて。


「じゃあ明日の早朝に出発だ。イグニスの街から王都まで馬車が出てるらしいけど……ガブ、詳しい説明を頼む」


「はい。……イグニスから王都まで、馬車に乗って約二日ほどかかります。途中で馬を休ませる為に、夜は止まりますが」


「そう言う訳だ。結構長旅だが、ガブの帰省だしそれくらいは目を瞑ろう。俺も王都には行ってみたいしな」


 すると、その話を聞いたシルフィが。


「明日って事は今日は準備って事だよね? モンスターに遭遇した時のことも考えて、武器屋や魔道具店とかにも行った方が良いかも」


「そうだな。パパっと準備しちゃおうか。そして今日は早く寝よう。その方が良いだろ」


 シルフィの言う通り、道中でモンスターに遭遇するかもしれない。


 その為には様々な準備が必要だ。


 武器やポーションや食料など。少し余分に用意しておく方が良いはずだ。


 それにしても王都か……。


 この世界に来てからイグニスの街にずっと居たからな。街の外に出るなんて初めてだ。


 シルフィと一緒に自由に生き、この世界をシルフィと共に見てみたい。


 そう誓ったにも関わらず、まだイグニスの街しか見えてない。


 これを機にイグニスを拠点とするのではなく、冒険者らしく皆で冒険をするのは如何だろうか。そうしたら皆、着いてくるかな?


 ……しかも今回は王城に行けるのだ。エール家に会うのはマイナスだがプラスに捉えるとしよう。


 すると、ふと思い立ったのかシルフィが。


「……ねえガブリエル。王城って事は王様も居るって事だよね? もしかしたら王様に会えたりするの?」


「うーん……多分無理でしょうけど、何があるか分かりませんしね……。あと皆さん、シルフィが元魔王軍幹部である事は他言無用てますからね。漏れたらほぼ死刑ですからね」


「だろうな。でも、流石に皆そこまで馬鹿じゃねえから安心しろ」


 元とは言え、魔王軍が居るのが発覚したら、即捕まるよな。


 ましてや王城。て事はこの国一番の警備がなされてるんだろうな。容易に想像できる。


 あと、やっぱり王女様とか居るんだろうか……。やっぱり異世界って言ったら可愛い王女様だよな。


 ——この世界に来てから、初めての冒険だ。


 色々不安しか無いけど、少しの期待だったら神様も応えてくれるはずだろ。





 …………レアも、色々頼むよ。


 なんやかんだお前が主なんだ。主が従者を守るのは当然だろ?


 ましてやお前が勝手に決めたんだ。それだったら俺の頼みも聞いてくれよな。





 ——俺は胸元のペンダントを握ると行動する為に立ち上がった。


「よし、じゃあ準備開始だ! まずは魔道具店で色々揃えるぞ!」


というわけで——


やっと旅に出るよ! 街を出ますよ!


ブクマ等で追い求めてはどうでしょうか?!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ