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王都の道外れ

王の爛れきった双眸そうぼうが暗夜の淵を見ている

断崖をわしづかみにする人々の両手は赤く炎上する


王都では道外れに立つ虚無の娘が売買されているらしい

伝え聞くのは孤立の王が褥で演じる無言劇


道行く人は誰もが無関心だが わが身を振り返り 己を恥じている

千里の眼を持つ呪術師でさえ その未来を見通すことは出来ない


深緑の草原から吹く風が虚無の娘を包み込む

誰も知らない彼女の秘密を 風は解き明かすようだ


群衆は舞を踊る踊り子に夢中で その母国の趨勢さえ知らぬ

手品師のトリックは路地裏で揶揄され 罵倒される

やがて訪れるのは仄かに焦げつく未来


愛がそこにはたしかにあったはずだが 音を立てて崩れ 今は黙想するのみ

痴情やいさかい 互いを思いやっての相克そうこくでさえ過去の話


この都市は暗夜に覆われている

この都市は陽の光さえ届かない

この都市は月光だけが頼りだ

この都市は


席を外す妾たちは王の寂寥を知っている

持て成す料理人でさえ王の寂寞を

最早王は笑わない 王は舞台に降ろされる赤い幕をただ待つだけ


白く透明な風が照らし出す道外れ

そこに立つのは王都で孤独を知った虚無の娘 ただ一人

薄い肌着をまといながら 彼女は静かにそこに立っている

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