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薄灯籠の屋敷裏
咽喉の奥に落ちる壁画
僕を捉えて離さない
薄灯籠の灯る屋敷裏を通っては
あえぐのは枇杷だけ
果実の中身を抉っては
見えてくるのは塗炭
薄汚れた塗炭
僕に出来ることは
ひたすら死の亡霊を追い払う呪詛を唱えること
嘆く 落胆する 太陽の赤みを握りつぶす
険しくも遠ざかる圧縮されたオレンジの実は
フレアの激しさと対比し しぼみ 閉じる
奇想は退けられ やがて凡庸がのさばる
僕のそして君の頭の中で
あれほど交じり合った熱情は 今や息も絶え絶えに
歩み寄り 手を交わしあった次の日には いがみ合う
そんな時代に離別の唄を
僕の足は 右の義足が擬態語をかき鳴らす足は
ただ暗い洞穴を歩みだし たどり着くは
薄明りの中の天秤




