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悪役令嬢予定だったので、修道院に駆け込みました  作者: Hatsuenya


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最後まで、大騒動しかありません

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 今日のラストのこのシーンの為に、今回は突っ走って来ました。いえ、最終回では、ありませんが。



 聖騎士、それは、魔を滅ぼし、聖女と共に輝く存在。


 聖騎士、それは、この国の男達の憧れ。


 聖騎士、汝等、常に心身共に清く正しく強くあれ。



 お祭り騒ぎが終わった。


 聖騎士選抜選手権の第三次審査が終わり、23人の候補者全員が、暴れる聖女(偽)達を全員捕獲してゴールまで連れ込んだ。

 馬は一頭余ったが。

 仕方がないので、最後まで乗って貰えなかったその馬は、自分一頭で走ってゴールを決めた。

 賢い子よね。うんうん。


 聖騎士候補者の殆ども聖女(偽)も、死屍累々と地面に伏している中、聖騎士候補者の何人かは悠々とクールダウンと称して柔軟体操を忘れない。

 恐るべし、聖騎士。


 どうでも良いけれど、皆の服に赤い染みがチラホラと付いているのは……考えちゃダメ。そう、あれは赤土の汚れよね、きっと。


 国王陛下の鶴の一声で、これ以上の審査は中止となった。


「しかしながら、国王陛下。この後、剣技による勝ち抜き選や、魔法による一発芸等色々と審査が考えられておりまして」


 前半はともかく、一発芸は関係あるの?聖騎士候補者達も鼻白んでるわよ。


 『そうです、そうです』との聖騎士候補以外の声が上がる中、国王陛下は軽く手を上げて皆を黙らせ、溜め息を吐いた。


「まあ、確かにそれは、非常に興味深い審査だが、これ以上、聖騎士候補者を減らしてどうする?23人しかいないんだぞ。

 皆の熱意は、しかと受け取った。だが、これ以上の不平不満は許さぬ」


 国王陛下はおっしゃったけれど、やっぱり23人は少ないのね。


「敗者復活戦を……と言いたいところだが、救護所に運ばれた者も皆、怪我でボロボロであろう。その件については、また追々、考えておこう」


 また、するんですね。皆、嬉々としてキラッキラの目で国王陛下を見ている。

 また、やりたいんですね。皆さん。


 聖騎士として選ばれた23人を紹介して閉会式を行うと国王陛下が宣言すると、身体の色んな所に血塗れの包帯を巻いた面々が、ワラワラと救護所から出てきた。


 え!?いや、ちょっと、嫌だ、止めて。


「では、聖女様からの皆にお祝いと労いの言葉で、〆て貰おう。聖女様、前へ。

 聖女様?おい、大丈夫か?」


 大丈夫じゃありませんとも。陛下。


 血が、血が。あっちの人達は、あらぬ方向に足とか腕とか曲がってるし、さっきまで走り回ってた人でさえも、頭から顔に血がダラダラ垂れてる。

 ひぃー、あっちの人は顔が腫れてたり、至る所に血が付いて……あんたら、何してんの!?やり過ぎでしょう。

 

 ああ、痛い、痛い。あれは痛い。神官達が、一生懸命治療魔法をかけているけれど、ムリじゃない。怪我人の人数多すぎて、間に合ってないし。

 嫌ーっ。見てるだけで痛いから。こっちまで痛いから。


 竜神様、水神様、天神様……は学問の神様。近所のお稲荷さん、裏のお地蔵様……女神様、女神様!女神様!!

 お願い、お願いしますっ!お供えいっぱいしますから、何とかして下さい!


 もう、見てるだけでムリっ!こっちが痛い!


 一気に、全員、お願いしますっっっー!!


「「「おおぅぅう!!」」」


 

 皆の野太い声と共に、辺り一面、眩しくて目が痛くなる程まで光り輝いて、いつもより耳が痛い程の大音量のファンファーレと共が鳴り響いた。


『これが終わったら、修行が待ってるわよ~。次回からは、自力で頑張ってね。

 でも、あら、ちょっとやり過ぎちゃったかしら』


 視界が元に戻ると、フニャリと力が抜けて、地面が近くなった。誰かが、私の腕を掴んで、支えてくれたけれど、足がフニャフニャになって言う事を聞かない。女神様、私の神聖力、取り過ぎじゃないの。


「マルガレーテ!マルガレーテ。しっかりしろ。ああ、女神様。御慈悲を。マルガレーテをお助け下さい。まだ、しっかりキスもしてないのに」


 ジョルジオ殿下の必死な声が聞こえる。欲望ダダ漏れだけど。

 いや、多分、その女神様のせいもあるから。半分くらい。いや、もっとかも。


「マルガレーテ、しっかりおし。がっぽり稼ぐのはこれからだよ」


 大叔母様の心配そうな声が聞こえる。

 何に対して心配そうなのか。気付かないふり、気付かないふり。

 

「マルガレーテ、死んじゃダメよっ!あなたが死んだら誰がお好み焼きやたこ焼きを。

 ああ、神様、神様。大黒様に弁天様、毘沙門天様に福禄寿様、寿老人様に布袋様、恵比寿様って七福神しか浮かばないーっ!!違った違った、そう、

 女神様ったら、女神様!このままじゃ、お供えもなくなっちゃいますよ。

 私に、力を下さい。力を下さい、今すぐ下さい!はい、ほら、今です。お願いします!!」


 ミンティア、何気に七福神の最後は商売繁盛の恵比寿さんなんだが。そして、何故に七福神?


 優しく暖かい光と共に、天上の音楽が流れ、ミンティアが必死に私に向かって手を掲げていた。


 ズルい。何かズルい。これが本家本元、ヒロインの聖女様。七福神唱えてても、神々しさが私と違う。本当に、ズルいわぁ。


「聖女様だ。新たなる2人目の聖女様が降臨なされた」


 神々しい程のミンティアの姿を見ながら、私は、ゆっくりと意識を失った。





「ふむ。2人目の聖女もまた、うちの修道院でゲットだよ。これはまた、お金の匂いがするねぇ」


「いや、今回こそは、大神殿の方に譲っていただかないと」


「聖女様が、お2人ですから、敗者復活戦を早々に」





 各々の思惑と共に、世界は何処へかと走っていく。で、聖女って言っても、何と戦うんですかね?

 ここ、何か平和そうなんですが。

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