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悪役令嬢予定だったので、修道院に駆け込みました  作者: Hatsuenya


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如何なる聖女であろうと、守り通すのが我ら聖騎士

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 さて、いよいよ、第三次審査です。皆様、用意は良いですか?

 え、ダメ?ゴメン、始めちゃいます。






 更なる雄叫びと共に、馬が四方八方に放たれた。


「えー、第三次審査の実況中継を行いますは、騎士団第三部隊隊長のオルステンと」


「近衛騎士団第二部隊隊長のナーザインであります」


「「どちらも、口達者と言う事で選ばれました。が、どちらも隊長なので聖騎士選抜審査には参加できませんでした」」


 2人共、涙声で最後は一緒に叫んだ様に聞こえたのは、気のせいよね。


「マルガレーテ、訳がわからないと言う顔をしているけれど、君も小さい頃に聖女と聖騎士の絵本や物語を読んだのだろう?」


 ジョルジオ殿下は、私の髪を弄びながら、私の顔を見て話し出した。


 はい、勿論ですとも。しかも、前世ではその手のゲームや小説が大好物でした。


「男の子にとっては、美しく優しい聖女様をお守りし、光を纏った剣で闘う聖騎士は、憧れの存在だ。

 かく言う私も、小さな頃から『大きくなったら、私は聖騎士になる!』と木剣を振り回して息巻いてたんだが、『第一王子は国王になるので、聖騎士にはなれません』と、城の教師達やマーチンによく怒られたよ」


 マーチンお兄様にも怒られてたんですね、ジョルジオ殿下は。

 因みに男の子がなりたい職業は、1位が聖騎士、2位が大魔術師、3位が騎士団長らしい。

 聖騎士は何人もなれるけれど、大魔術師も騎士団長も1人しかなれないのでは?2位も3位も聖騎士よりも狭き門よね。


「神官は何か色々と規則とか厳しそうだから、子供達の人気は今一つで。平民の子供達の間では、冒険者や大商人も人気らしいな」


 聖騎士は、存在しなくても人気だったのね。



「さあ、先ずは一斉に聖女様達が逃げ出しました。聖騎士候補達は、必ず自分のパートナーの聖女様を捕まえなければなりません。

 近衛騎士団長のご子息のグレイザーが、近衛騎士団長の足に飛びかかり、押し倒して、白いカーテンを引き剥がして拘束しようとしましたが、反対に関節技に持ち込まれた所を、グレイザー候補は上手くすり抜けて近衛騎士団長に関節技を決めました!

 あれは、痛そうだな」


 何で聖女が逃げてる?

 しかも、何の為に、自分を守る聖騎士に関節技をかけるわけ。


「えーっと、マルガレーテは関節技は得意?何だったら、今度、私に掛けてくれてもいいからね」


「掛けませんと言うか、出来ませんよ?」


 いや、私が関節技をジョルジオ殿下に掛けてどうするの?

 ジョルジオ殿下、そこで残念がらないで。掛けて欲しがっても、私、関節技なんて掛けれませんからね。

 大体、何でそんなに関節技を掛けて欲しいの。そう言う趣味なの?


「辺境師団のゴーザ、自分の聖女を彼女の着ていたシーツでグルグル巻きにして、捕まえた馬に乗せて自分も飛び乗りました。尚も暴れる偽聖女を押さえつつ、足だけで馬を操ってゴールに向かって走らせようとしています。

 器用だな、あいつ」


 実況中継をしているオルスバンさんだかザーサイさんだかが、次々と聖騎士候補達の行動を教えてくれる。

 確かに、彼らの説明がないと、誰が誰だかわからない。ありがたい、ありがたい。


「同じく、馬にパートナーのゴツい聖女を光のムチでグルグル巻きにして見事乗せたのは、学園に在学中のエディアス。小柄ですが、馬術の腕は確かな様です。馬の上で海老の様に跳ねる学園教師のグーテン、あ、あいつ、教え子を噛みやがった。

 噛まれたエディアスは、何とかグーテンを引き剥がし、グーテンに巻き付けていた光のロープを網に変形させてグーテンを押さえ込み、ゴールに向かいました。

 中々、やるな。あいつ、魔術師団に行った方がいいんじゃないか」


「僕は、魔術師志望じゃなくて、聖騎士志望ですので!」


 エディアスは、耳が良いらしい。

 おや?グレイザー様のお友達の魔術が得意なエディアスって、何か聞き覚えが。


「マルガレーテ様、エディアス様は確か攻略者の1人の天才魔術師エルディン様のお兄様で、ゲームでは魔術師団に入っていた筈です」


 ミンティアが、ボソボソと私に話しかける。


 え?それが何で聖騎士候補に?いいの?それで。それだと、ゲームの中では憧れの兄の後を追って魔術師団に入ろうとしていたエルディン様の設定は、どうなるの。


 うーん、このままでは、まさかの天才魔術師エルディンも聖騎士の道へ?いやいや、まさかのまさかよね。その場合、魔術師団の行く末が危ぶまれるわ。


「さて、続いて聖女様を拘束して肩に担ぎ上げたのは、神官のバウマン。

 おい、あいつ、本当に神官だよな。うちの部隊で一番デカいモンテス担いでるぞ。

 馬を捕まえ……、おい、お前、バウマン、馬を捕まえろよ。あいつ、他の奴らが乗ってる馬を追い抜かしてゴールに走ってるぞ。速いな。

 おい、モンテスを振り回して矢とか槍をはね除けるな、バウマン!

 モンテス、大丈夫かよ」


 何か、規格外が神官に居るらしい。実況を聞いてるだけでも、おかしな人達が多いんだけど、何か聖騎士って、思ってたのと違うくない?





「グレイザー様、急いで急いで!あ、近衛騎士団長が抜け出した」


「近衛騎士団長、思ったよりしつこいじゃないか。何、息子の足を引っ張ってるんだか。大人気ないね」


「あ、大修道女様。近衛騎士団長が、グレイザー様を担ぎ上げて走り出しました」


「いや、あのおっさん何をやってるんだか。おや、グレイザーが何とか抜け出して、今度は近衛騎士団長をひっ捕まえて頭上に掲げて走り出したよ。

 意外に力持ちだね」





 すっかり仲良くなったミンティアと大修道女。ミンティアの出世の道も速いかもです。



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