聖騎士予定の人達は、大変元気な方々です
読みに来て下さって、ありがとうございます。
今日も今日とて、楽しんで書いてます。
こんにちは、聖女になってしまった悪役令嬢未満のマルガレーテです。本日のお供は、聖女になり損ねたヒロインのミンティア……押し掛け修道女です。
さて、聖女になってしまったものの、蓋を開ければ聖騎士が1人もいませんでした。
何故!?ゲームでは、わんさか居たよね!?
「聖騎士に、なりたいかーっ!!」
「うおおおーーーっっ!!」
ひいぃ~っ!何と言う大音量!空気をつんざき、大地を揺るがす野太い声!
只今、絶賛、聖騎士選抜選手権の真っ最中です。
「大丈夫か?マルガレーテ」
咄嗟におののいて、身を引いてしまった私は、何時ものごとく、憐れそのままジョルジオ殿下に捕まってしまったのでした。まる。
それにしても、事ある毎にジョルジオ殿下にゲットされてる気がするわね。
そして、殿下は私を離す気が、ちっともありません。
「うーん、今日もマルガレーテは良い匂いがするね」
「ジョルジオ殿下、近いです」
「うん、逃げられない様に、しっかり抱き締めてるからね」
どうやら、殿下は今日も今日とて、聞く耳がどちらかにお逃げになってる様で。
大叔母様に大神官様、枢機卿、果ては畏れ多くも国王陛下まで皆様1人掛けの椅子に座って観覧されておられるのに、何故か私と殿下は2人掛け用のベンチシート。
おのれ、謀ったなジョルジオ殿下。
何処の誰が用意したのかは知らないけれど、私と殿下が2人並んで座ると、きっちりかっきり丁度ベンチに納まる様になっている仕様。流石、お城の側仕え。やる事なす事、隙がない。
ちょっと、ミンティア助けなさいよ!
私が必死で目で訴えているのを見て、ミンティアは肩を竦めて、ニヤッと笑って目を競技場に向けた。
あんたが本物のヒロインでしょうが~~。
殿下は、13歳で既にイケメン予備軍の美少年なのよ!?こんなに急接近されたら、毎度の事ながら心臓に悪いのよ。しかも、いつ婚約破棄を言い渡されて処刑されるやらと思うと、更に心臓はドッキドキのバックバクよ。
「ジョルジオ殿下……逃げても良いですか?」
「駄目だよ。何の為のラブシートだと思ってる」
やはり、ラブシートでしたか。そうですか。
「公務で一緒に出掛けれても、人目があってこんなにくっついていられないし、王城での婚約者同士のお茶会でも、母上ご推薦の侍女達がきっちり見張っているからね。
こう言う時こそ、しっかりたっぷりマルガレーテを補充しとかないとね」
ジョルジオ殿下の声変わりが近い少し掠れた声が、耳元で響く。ひいぃっ~だわよ。私、今、絶対、赤面している自信があるから。
「ほら、ご覧、マルガレーテ。グレイザーも三人チームで頑張ってるよ」
「え!?殿下。聖騎士見習いのグレイザー様は、出場しなくても良いのでは?」
「グレイザーは、真面目だからね。同級生の2人と組んで、正々堂々と聖騎士の座を勝ち取るって言ってたよ」
聖騎士選抜は、第一次審査は体力勝負、第二次審査は王城の騎士団の鍛練場で障害物競走をして勝敗を決めると聞いていたけれど、これは、果たして障害物競走と呼べる代物なのか。
次々と地面から生える壁を乗り越え、いきなり現れる落とし穴、突風に隣の選手ごと飛ばされ、小さな稲妻に飛びすさり、小さな竜巻が場外失格を狙って騎士達を運び去る。
「いやぁ、第一次審査で落ちた魔術師団員達が、1人でも多く失格させようと、思い付く限りの邪魔をしてくるね」
私の頭に頬擦りをし肩を抱きながら、ジョルジオ殿下は上機嫌でニコニコして鍛練場を見ている。
ミンティアは、勿論、自分の推しのグレイザーを所構わず大声で応援しまくっているし、国王陛下を初め大神官や枢機卿まで、立ち上がって手を振り回し、興奮して踊るように自分の贔屓の騎士達を応援しまくっている。
枢機卿は、興奮しすぎて発作を起こして、とうとうお付きの司祭様に怒られて座らせられてる。
お年ですからねー。ご自愛下さい。
でも、ジョルジオ殿下が言う様に、これは確かに殿下が私にいちゃついて来ようが、誰も見向きもしないわね。それ所じゃないもの。
鍛練場は、最後は大きなクレーターが出来、そこにたっぷりと魔術師達が水を注いで大波状態の池を作りだし、飛んだり走ったり(水面を)泳いだりしてそれを乗り越えてゴールに辿り着いた者達が、勝者とされた。
第二次審査が終わると、そこココに屍の様に転がっていた失格者達は、一次審査に残れなかった騎士達によって少々乱暴に嬉々として鍛練場から運び出され、鍛練場は同じく一次審査落ちの魔術師達によってすっかりキレイに元通りに直された。
「いやぁ、凄かったよねマルガレーテ。あれだけ居た騎士達が、20数名しか残らなかったんじゃないか。残った奴らは、飛んでもない輩達ばかりだ」
ジョルジオ殿下は未だ興奮覚めやらずだし、国王陛下達はいつの間にか手に杯を持ち、自分達のお気に入りの選手達を声高らかに自慢しまくり、ミンティアは何故か大叔母様と両手を取り合って、ピョンピョン飛んで嬉しがっていた。
大叔母様、ミンティアといつの間に、そんな仲良しに!?
恐るべし、ヒロイン!これぞ、ヒロインのチート力?
「流石です~♪グレイザー様~っ!こっち向いて~( ≧∀≦)ノ」
「よくやった!グレイザー。男前~v( ̄Д ̄)v」
「大修道女様!グレイザー様の良さをわかってらっしゃる」
「おうとも!グレイザーは良い子だからね!
今日の晩御飯は、ご馳走だよ~!グレイザー」
「きゃーっ、グレイザー様が、汗を拭きながらこっちを見て微笑んだーっ」
「おや何だい、それは」
「これは、推しの応援用団扇です」
「(ニヤリ)それは、お金の匂いがする奴だね」
違う意味で息統合する2人。大修道女は団扇がお気に入りの様ですが、一体、何の応援をするつもりやら。┐(´∀`)┌




