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状況把握が早すぎる元自衛官令嬢、婚約破棄を片付けたら皇太子殿下に執着されました  作者: S@Y@


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第48話:帰還、そして修羅場の演習場。……殿下、側近の方と火花を散らす前に、私のドレスの露出対策(毛布)を支給してください!


「……はぁ。状況把握、開始。時刻は午前十時十五分。地下迷宮からの生還直後。私は今、地上で待ち構えていた夫(ルファード殿下)と、たった今陥落した側近キリアンの二人に挟まれている。両者から放たれる視線の熱量は、完全に戦闘限界(一触即発)を突破。状況、極めて生存確率の低い修羅場ね」


黒煙の上がる地下通路から、キリアンを伴って演習場へと這い上がった私。

そこで私たちを迎えたのは、近衛兵たちを背後に従え、宝石のような紫の瞳をこれまでにないほど冷徹に、ギラギラと燃え上がらせているルファード殿下だった。


「アルティナ……! 無事だったかい! 君が地下へ飛び降りたと聞いて、俺の心臓が恐怖で停止シャットダウンするかと――」


殿下が最大戦速で駆け寄り、私をその逞しい腕で抱き締めようとした、その時。

私の隣で煤まみれになっていたキリアンが、流れるような動作で私の前に進み出、大理石の床にバッと跪いたのだ。その灰色の瞳には、一点の曇りもない『狂信的な忠誠(ガチ惚れ)』の光が宿っている。


「ルファード殿下! 此度の不始末、すべて私の不徳の致すところ! ……ですが、アルティナ殿下のあの神速の戦術機動、および私を救ってくださった気高き御心、第一騎士団長として魂を奪われました。本日より、私は殿下だけでなく、アルティナ皇太子妃殿下の『生涯の盾(一番槍)』として命を捧げる所存です!」


演習場に響き渡る、キリアンの堂々たる騎士の誓い。


「状況把握。キリアン、それ、主君(殿下)の前で言うには100%のアウト(寝返り公言)よ?」という私の心の声が届くはずもない。

その言葉を聞いた瞬間、ルファード殿下の完璧な美貌から一切の笑みが消え失せ、周囲の空気抵抗がガクンと下がるほどの凄まじい威圧感(独占欲)が解き放たれた。


「……ほう。キリアン。俺の可愛い奥様を『軟弱』と見下していたお前が、随分と大それた誓いを立てるようになったじゃないか」


「はっ! 私の目は節穴でした! 殿下の隣に立つに相応しいのは、あの苛烈にして美しいアルティナ殿下のみ! 殿下がその重すぎる愛で殿下(アルティナ様)を困らせるというのなら、私がその防衛線を――」


「お前にその防衛線(領域)に触れる権限(職権)など、一ミリも与えた覚えはないが?」


バリバリと視線だけで火花を散らし、互いの剣の柄に手をかける天才皇太子と若き騎士団長。

頭が良すぎる私は、この男たちの不毛なプライドバトルのせいで、私の「早くお風呂に入ってサボりたい」というスローライフ計画がリアルタイムで秒単位で侵略(遅延)されていることを看破した。ルートは力技で抉じ開けるしかない。


「状況把握、完了しましたお二人とも! キリアン団長、その過剰なバックアップ(忠誠)は3割ほど減量カットしてください。そして殿下、側近を睨みつける15手先の作戦を練る暇があるなら、引き裂かれて太ももが丸出しになっている私のドレスに、今すぐ上着(毛布)を支給してください……っ!」


私が真っ赤な顔で、破れたドレスの裾を押さえながら涙目で叫ぶ。

その瞬間、ルファード殿下は「……ッ!? しまった、作戦ミス(見落とし)だ!」と顔色を変え、自分の豪華な軍服のマントをバッと脱ぐと、私を頭から完全に包み込んで、そのままガッチリと自分の胸の中へとお持ち帰りホールド(拉致)した。


「アルティナ、他のキリアンにそんな姿を見せてはいけない……! キリアン、お前は本日より3日間の自宅謹慎(頭を冷やしてこい)だ! 俺の奥様は、指先一本、視線一つ分すら誰にも譲らん!」


「くっ、殿下の職権乱用(過保護)だ……! ですがアルティナ様、私は諦めません!」


(だから、私の休日をこれ以上ドタバタ劇でインフレ侵略するのをやめてください、この肉食獣上司と忠犬騎士団長ーーー!!)


こうして、新章の幕開けは、アルティナのチート無双の代償として、夫の「大爆発した独占欲の全方位包囲網」と、側近の「狂信的なリスペクト」に挟まれるという、最大戦速(大バクバク)の甘々修羅場へと突入するのだった。元自衛官令嬢アルティナの、週休六日への戦線は、新たな男の参戦により、さらにカオスなベッド(戦場)へと引きずり戻されていく。


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