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徒然怒る  作者: きじとら
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⑦外字・異体字・ルビ


 毎日を普通に、何を普通と呼ぶかは別として、暮らしている皆さんには縁のないものである。

 

 私は編集と言う仕事をしているが、とにかくルビが大っ嫌いなのである。

 なぜか。

 面倒だからだ。

 

 あと、ルビがついていると馬鹿にされているように思えるからだ。

 

 当て字としてのルビは致し方ないかも知れないが、「それぐらい読めるだろ?」というものまでルビが振ってあると編集者の常識を疑いたくなる。

 

 当て字のルビとして最も有名なのは、少年がいつも事件に遭遇する例のアレである。

 

 また、一方の読めるものまで振ってあるルビについては、そのような協会があるようだ。

 

 別に子ども達が読めないのを補助するのは良いと思う。

 彼らが知らないのは当然なのだから、そこで学習が止まるのはよろしくない。

 

 だが、なんでもかんでもルビを付けようという活動には疑問を投げかけたいところである。

 

 彼らには彼らなりの主張があろう。

 それはわかる。

 読書は楽しく、またワクワクしながら読むべきだし、字を調べるのは副次的なことなのだから、そこに時間を費やすのは勿体ない。

 

 だが、私の尊敬するY先生はこう語った。

「(文章や作品を読むには)自分で調べるという大事な作業が必要であるし、そこまで作者が用意周到にしてやる必要はない」

 至極もっともである。

 

 とはいえ、日本国民が等しい学力を持っているとは限らないので、多少読みにくいところには補助的につけるのは已むをえまい。

 

 私の面白くも、読みやすくもない文章は、可能な限りルビをつけないようにしている。

 何故なら私のアホさ加減が、更にアホ度を上げて、アホに見えるからである。

 

 基本的には「常用漢字」しか用いないし、送り仮名も、活用も一般的なものを用いる。

 時にはひらがながつづき、アホパーセントがマシマシになるのだが、ニンニクマシマシよりはおしとやかなのでお許し願いたい。

 

 ルビについては他にもある。

 これは日本人を阿保にしようとする活動としか思えないのだ。

 

 AIが出現し、日本人のアホ度は加速度的になってきているが、その一翼を担っているのが「ルビ」なのである。

 

 ルビについてはまだまだ言いたい事があるが、この辺で切り上げないと皆さんも飽きてしまうので、いつの日か機会があれば私の愚痴に付き合っていただきたいと願ってやまない。

 

 異体字をご存知か?

 「はしごだか」「土と口の吉」「立つさき(の崎)」などである。

 これは苗字に多い。地名や商品名もよく見る。

 

 知らない人には縁がないが、この漢字を含む苗字を持つ人にとってはとても重要なものだ。

 

 外字、表外文字などと呼ばれることもある。

 JISコードで言うと、第二水準以降に収まっていることが多い。

 

 そう、大変原稿上ではわかりにくいくせに、間違うと、ひどい時には刷り直しになるレベルなのである。

 名刺は絶対刷り直し確定なのだ。

 

 別にこの文字を持つ方々、その地名に住んでいる人々に対し何の感情もない。

 ただ、電話などで自分の名前や住所を伝える時は、ほぼ百パーセント伝わらないであろう。

 

 憐れとしか言いようがない。

 

 苗字の変更については法的なことはまったくわからないが、万が一にでも名の方にこれらの文字を含む場合は、ぜひ一般的な文字に変えるか、文字変換の際に「環境依存」という注釈のつかない文字を選んでいただきたいと強く思うのである。

 

 とにかく刷り直しはイヤなのである。

 

 だが、これは日本の長い漢字の歴史に対し、真っ向から否定することに他ならない。

 刷り直しやミスを咎められるのが嫌だから、簡単にしようという主張は、私の勝手なのである。

 

 本来の漢字というのは、もっと多く、またこんなに簡単ではなかった。

 それが長い年月を経て、文科省という集団が勝手に「これを常用漢字にするからね」と定めたのである。

 

 数千もある漢字をわずか二千字程度にするのは、日本人アホ化計画が順調に進んでいる成果であろう。

 

 さて、ここで二つの内容について、「日本人を阿保にする」という要素が出てきた。

 いずれも、漢字を読む力を削ぐ、漢字の種類を減らし単純化するというものである。

 

 お隣の国では漢字を捨て、アルファベットのような一種類の文字にしたことでどんな結果になったか。

 私はよく知らないが、あまり良いようにはなっていないのではないか?

 

 もっとも顕著なのは、アルファベットしかないUSAをご覧あれ。

 自分の国が世界地図においてどこにあるかわからない人々が多いと聞く。

 

 まあ、母語における、基本活字の数が、国民の知識レベルに直結するのかはわからないので、断定できないし、調べるつもりもないのだが。

 

 だが、「YOUをU」と表現するような人々に「一人称の多様さ」を理解しろというのは無理があろう。

 

 結局私は何を言いたいのか?

 

 入力は楽しくない。

 ミスはもっと嫌だし、怒られるのはもっとイヤなのである。

 

 万が一、今でも手書きの原稿で入稿する方がいたら、できるだけハッキリと書いていただき(できれば楷書で)、間違えそうなところは「赤字でメモ」をつけていただきたい。

 

 そんなの面倒だという方は、「高が髙」でも「崎が﨑」でも許す、心の広さを持っていただきたいのである。

 

 何故なら、私は修正も大嫌いなのだから。

 

追記

 異体字・外字・表外漢字・JIS第2水準以降は別概念である。

 私は都合で一緒くたにしているが、編集・印刷関係の方の突っ込みはイヤなのでここに記しておく。

 私たちの業界以外の方にとっては、エンジンオイルもオリーブオイルも違いはないぐらいなのだからいいじゃないか。

 

 あと、またAIが文句を言ったので言い訳しておく。

 常用漢字の成り立ちについてだ。

 そもそも常用漢字の前に、当用漢字という括りもあった。

 それ以前は江戸時代などにおいて、「この漢字をつかえよ」という縛りもあった。

 常用漢字の成り立ちがどうこう言ってるんじゃないんだ。

 決めるのはお上なんだよ。

 一々文句言うな。AI。

 

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