↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然怒る  作者: きじとら
42/48

㊷たまにはのんびり


 昔話をしようか。

 

 私はパソコンがまだマイコンと呼ばれていた時代から生きている。

 我が家は決して裕福ではないが、奇特な方が中学入学のお祝いにとPC8801MK2 MRという機種を送ってくださった。

 

 当時の金額で三十万ぐらいだったと思う。

 (値切りの現場にも立ち会ったのでもう少し安かったのだが)

 

 令和の価値に直すと五十万ぐらいだろうか。

 

 すごいね。

 小学校を卒業したばかりの少年に、そんなものを贈るなんてね。

 

 だが、おかげで私のその後の人生が決まったともいえる。

 

 最初はBASICマガジンを片手にひたすらBASICを打ち込む毎日だった。

 それがやがて、プログラムを改変し、自分でいろんなものを作り始める。

 

 最初は日本語ワープロ。

 日本語の変換機能を使って、実際に印字までできる。

 

 次はゲーム。

 株価がランダムで上下し、資産を運用していくというもの。

 

 やがて市販ソフトのレンタル(当時は5インチフロッピーの貸し出しというのがあったのですよ)で、いろんなソフトを勉強し、音楽に行きつく。

 

 8801MK2のMRはFM音源を内蔵していた。

 ファミコンよりも多い、6音同時発音ができるというものだ。

 

 ほぼ3音はドラムとベースに使うことになったが、残りの3音でメロディーも和音も奏でられる。

 

 本来私はピアノなどならったことがなく、叔父たちが弾いていたギターや、オルガンなどを見様見真似で演奏風のことをしていた。

 

 もちろん楽譜など読めなかった。

 

 だが、耳コピはできたのだ。

 

 最初に完コピしたのは何だったかな。

 

 一つ印象に残っているのは、「大きな玉ねぎの下で」を友達にリクエストされて打ち込んだ記憶がある。

 

 高校へ進むと、DX7、ドラムマシーンと手を伸ばす。

 楽器屋さんでバイトをしたときには、その他にも色々買い増しした。

 

 そして、PC8801用の音楽ソフトも買った。

 

 いろんな曲を耳コピしまくったね。

 

 やがて自分でも曲を作るようになる。

 楽器は本当に見様見真似だったから全く上達しなかったが、歌うことだけは数を重ねていった。

 

 結果、コーラスの多い曲が好きになる。

 サイモン&ガーファンクル、CSN&Y、アルフィーなどだね。

 

 一方で、高音が出せたので、ハードロック(メタル?)のコピーもした。

 アースシェーカーなんかは良く歌っていたね。

 

 自分の曲が溜まっていったが、私は一切公開しなかった。

 音楽事務所やレコード会社に送れば、良いのか悪いのかぐらいの返事は来たのだろう。

 

 だが、それをしなかった。

 

 怖かったのかね。

 わからないな。

 

 そして、以前にも話したバンドメンバー募集と言う名の社員募集をしていた会社に入る。

 

 それ以降もパソコンや機種を買い替え、音楽は続けている。

 実際今も、仕事用のPCとは別に、音楽兼文筆用のPCを備えている。

 

 環境はあるんだ。

 

 そして今はYouTubeなどもある。

 いくらでも公開できるんだよね。

 

 でも踏ん切りがつかない。

 

 公開しても数人が見ておしまいだ。

 なら、私が聞かせたい人にだけ聞いてもらえればいいと思う。

 

 そうして、私の死後に作品は発表され、残された家族はウハウハになるんじゃないか、という隠された野望もあるが、それは内緒だ。

 

 歳を重ね、高い音がまったくでなくなった。

 過去は歌い手と同じ音程で歌えたのに、今ではオクターブ下げなければ歌いきれない。

 

 まあ、そういうものなんだろうね。

 

 全く別の話だが、フェイクニュースがはびこっているみたいだね。

 

 新聞社のKYの記事を思い出すよ。

 隣国の戦時下における女性の扱いに関する記事を思い出すよ。

 

 新聞もテレビも、写真や映像を重視するよね。

 

 昔から写真なんていくらでも捏造できた。

 でなければ、UFOなんてあんなに沢山撮影されなかっただろう。

 

 映像だってそうだ。

 バラエティとはわかっているが、探検隊が洞窟の奥に入ると、偶然岩が転がり落ちてくる。

 そう、発泡スチロールのような岩がね。

 

 今ではさ、写真も動画もAIでいくらでも作れる。

 嘘なんて当たり前になってるんだ。

 

 何を信じればいいか?

 そうじゃないんだ。

 何も信じる必要はない。

 自分の思うところ、感じた通りに生きればいいと私は思う。

 

 世間の論調もだいぶ操作されているよね。

 それは右にも左にも言えることだ。

 

 日本の報道自由度の低さが目立つというが、仕方ないじゃないか。

 日本は昔から、それこそかわら版の時代から情報は抑制されてきたんだ。

 

 識字率が昔から高いのは、娯楽を「読む」ことに寄せたからだ。

 

 何せ竹取物語も浦島太郎も日本中の人が知っていたんだ。

 

 海外では情報は伏せられ、民は何も知らされないというのが往々にあったようだ。

 

 日本は情報を出すことで、大きなうねりを作り出した。

 だから、暴動や略奪というのが少ないんだろうね。

 

 「道徳」みたいな見えないルールが日本人の心の中にあるから。

 そして、その道徳は様々な物語の中に隠されている。

 

 本来は熾烈な話のはずの昔話はだいぶマイルドになった。

 

 そりゃあZ世代も生まれて来るさ。

 情報の出し方が間違っているんだから。

 

 怖いものは怖いと教えないと。

 

 暴力は痛いと教えないと。

 

 入れ墨がファッションだっていう時代だ。

 

 ファッションなら、自分で表現して自分で満足すればいいんだよ。

 誰に言われても変えないのがファッションだ。

 

 誰かに言われてやめたり、否定されて怒るのはファッションじゃない。

 

 威嚇のために虚勢を張っているんじゃないのかい?

 

 入れ墨は将来面倒なことが多くなるよ?

 MRIとかね。

 

 誰しもがピンピンコロリと逝くわけじゃないんだ。

 年老いて、足腰が立たないのに、入れ墨を見せてすごまれてもね。

 

 もしかしたら介護施設や老人ホームでは入所禁止になるかもね。

 

 困るのは私じゃないからいいけどね。

 

 人間もBASICぐらいわかりやすく、指示通りに動いてくれるといいんだけどな。

 

 無理かな。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。