↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
声劇のために台本置いておきます  作者: 如月ふたば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/24

僕になった日(二人用/性別不問)ヒューマンドラマ風/R15

かなり死に触れています、苦手な方は避けるようにしてください

ボイストランド【悪役】台本企画に参加作品、台本置き場にも掲載

太郎:刑事 性別不問 

タイトルに「僕」とありますが、性別不問です。名前は花子くらいに考えて頂ければ。当然一人称も変更可

刑事:では、君は罪を認めるんだね

太郎:はい、認めています。それから、この罪から逃れるつもりもありません

刑事:何か含みのある言い方だな

太郎:そうですね、あるかもしれません

刑事:言いたい事があるなら聞こう

太郎:僕が言いたいこと、なんとなく想像ついているのではありませんか

刑事:どういうことだ

太郎:あの女、刑事さんが僕の母と呼ぶ女ですね。あいつが死んで僕が喜んでいるだろう、と

刑事:……君の境遇には同情する

太郎:今の僕に欲しいのは、同情ではなく食べる物とぐっすりと眠れる場所。あ、先に気付かないとならないことがありました

刑事:気付かなければならないと言うのは、なんだ

太郎:弟たちのことです

刑事:あぁ、彼等は全員施設へ行くことが決まっている

太郎:3人とも同じ施設でしょうか

刑事:そこまでは何とも言えん

太郎:やっと人間らしくなれるはずだったのに。僕があの女を殺したせいで、「お兄ちゃんが人殺し」になっちゃった

刑事:そうだな、君たち兄妹の生活はずっと人間らしくなかった。だからって母親を、

太郎:殺すならあの女じゃなく、あの子たちだったかもしれない

刑事:なんてことを言うんだ!?

太郎:だってそうでしょう。先に僕たちを捨てたのは、親と呼ばれる人たちだ。倉庫に鍵をかけて、もう出てこれないようにしてね。もともと存在していないのも同じなんだ

刑事:だからと言って、殺されていい人間も人を殺すことを許されなんてことは無い

太郎:もしかしたら弟たちはやっとまともに生きられるかもしれない。でもそれが何だったって言うんだ

刑事:君が犯した罪のせいで、ずっと辛く生きていくことになるだろうね

太郎:僕の話しているんはそんなことじゃない。あの子たちは僕が罪を犯していなくても、これから幸せになれると思っているんですか?刑事さんは

刑事:どういう意味だ?

太郎:僕はね昔テレビも見ていたんだよ。だから世間の「普通」も知ってるんだ。だから分かるんだよ。僕だけでなくてあの子たちは普通じゃないって

刑事:君には情状酌量の余地が多大いにある。だからちゃんと裁判を受ければ、

太郎:そう言えば、戸籍のない僕って裁判受けれるのかな。下の子たちはきっと施設経由で戸籍取れるよね。でも、僕は。あ、そっか。あの女が死んだおかげで警察から法務局へ連絡してくれるのかな

刑事:君の戸籍などについては

太郎:あ、大丈夫です刑事さん。僕はあなたに答えは求めていません、僕が話したいから話しているんだ!!

刑事:好きに話したいことを話すと良い

太郎:はい、そうします。でも、何が話したいかや、言いたい話かは分からない。だから、もし話の整理がついていなかったら、刑事さん。ごめんね

刑事:私には謝ることは無い

太郎:刑事さん、あなた良い人ですね

太郎:それであの母って人の話。家に来る男に迷惑だって理由で僕たちを倉庫に閉じ込めたんだよ。始めはね、夜には出してくれたよ、でも自分がひどいことやってるのに気付いちゃったんだろうね

刑事:だからずっと閉じ込められることになった。でも、隣の倉庫を利用している人が音を聞きつけてくれたんだったね

太郎:そう、だから出られて、また家に住むことになったんだけどね。児童相談所っていうのかな。なんかあの人たちも簡単にあの女に騙されちゃって

刑事:君なら、ちゃんと児童相談所の人にどんな状況なのか伝えられただろう

太郎:それ、必要?

刑事:そうしたらもっと、君が欲しいと言っていたぐっすり眠れる場所も食べる物も得られたはずだ

太郎:僕と下の子たち離れるかもしれないのに?親のせいで何も与えられなかった、その上、離れて暮らすことになって虐められるかもしれないのに

刑事:虐められるとは限らないじゃないか

太郎:本気でそう思ってる?仮に虐められなくたって、結局僕があの子たちが虐められる原因、作っちゃった

刑事:そうだね、君のせいだ

太郎:そうですね。なんて言えばいいのかな、結局僕たちは必要なかった、それだけは分かる

刑事:必要ない人間なんてこの世にはいない

太郎:母に言われたんですけど?僕たちをわざわざ痛い思いしてまで産んだ、あの女が「生まれてこなければよかった」「あんた達なんか産まなければよかった」って

刑事:それはきっと

太郎:せめて僕だけだったら、生まれてきたのが僕だけだったら、僕はあの女を刺さなかったかもね

刑事:君は自分の罪を、母親のせいだというのかい

太郎:僕のやったことは認める。それとあの人のしたことを僕が間違っていると思うことはまた別の話だ。違いますか、刑事さん

刑事:君がお母さんをどう思おうと勝手だ。でも、君がやったは許されない事なんだよ

太郎:えぇ、知っています。この話はきっと刑事さんには伝わらないよ

刑事:罪を認めると言っておきながら、その理由をお母さんのせいにしているように聞こえるよ

太郎:それでいいよ。きっと、そうだから。でも、不思議だね。あの母が死んだせいで僕が、僕たちが世間に生まれたんだから

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。