御帰還聖女が残したもの(四人用/男女比1:3)ファンタジー風
モブ1モブ2、ソーニャ 女性
アーフィン 男性
モブ1:王弟殿下は聖女様にそれはそれはお心寄せていたと聞いております
モブ2:仕方がありません。ご本人が強くご自身のいた世界に帰りたいと仰ったとか
モブ1:だから、殿下は聖女様に仕えていた侍女をお妃に選ばれたのかしら
モブ2:侍女ではなく護衛騎士だったらしいわよ
モブ1:ふんっ。きっと聖女様の後釜を虎視眈々と狙っていたのねその女は
モブ2:まぁ、いくらあなたが王弟殿下と一緒になりたかったからと、そのような言い方は
モブ1:でも事実そう見えるわ
モブ2:さぁ、私は先の代替わり竜の件への褒美として彼女との婚姻を兄上に願い出たと聞いたわ
ソーニャ:そう。皆が言う通りこの結婚はアーフィン殿下が心から望んだものではない。殿下は異世界に帰ってしまった聖女様をとても愛しておられたから
アーフィン:ソーニャ、早く近いのサインを
ソーニャ:あ、はい。サインいたしました
アーフィン:これで婚姻は成立した
ソーニャ:ぷはっ!?で、殿下どうなさったのですか?
アーフィン:妻への永遠の愛の誓いの口づけだ
モブ2:まあ♡
モブ1:きっとこの誓いの口づけとやらも何か裏があるに違いないわ
モブ2:良いじゃない。これからの二人を見守りましょう。今夜はどうなるか気になるわね
:その夜
ソーニャ:今日はもうみんな下がって頂戴。お疲れ様。ゆっくり休んで
:ノック音
ソーニャ:え、殿下如何なさったのですか?
アーフィン:如何なさったも何も、私たちは今日夫婦の誓いを交わしたではないか。それに、もう殿下ではないのだが?
ソーニャ:(殿下じゃない?それより確かに、夫婦の誓いを交わしたけれど)
ソーニャ:なにかお飲み物でも用意させましょう
アーフィン:既に妻の部屋に持ってくるように伝えてある。あぁそのテーブルに置いてもう全員下がると良い
ソーニャ:お気遣いありがとうございます
アーフィン:さあ座って少し気楽にしよう。ソーニャも飲むといい
ソーニャ:お言葉に甘えて。殿下、頂きます
アーフィン:アーフィン
ソーニャ:?
アーフィン:もうソーニャは私の妻なのだから殿下ではないであろう。アーフィンと二人の時はちゃんと名前で呼んでくれ。まさか公私ともにずっと私を殿下と呼ぶつもりだったのかい?
ソーニャ:承知いたしました
アーフィン:それも硬いな。そして、アーフィンだ
ソーニャ:アーフィン様……
アーフィン:様は不要だ。しかし今だけはその様も許そう。
(ワインを飲むアーフィン)
ソーニャ:そんなに一気に飲み干されては。きっと聖女様がお心にいらっしゃるからね
アーフィン:ソーニャ何か言ったかい?
ソーニャ:あ、いえ、まだお飲みになるようでしたらお注ぎいたしましょうか
アーフィン:いや、もういい。これ以上飲んで初夜を台無しにするといけない。実際この部屋に来るのすらとても勇気が必要だったんだ
ソーニャ:左様でございましたか
アーフィン:左様でございましたよ
ソーニャ:痛っ。で、殿下何をなさるですか。私の鼻を急に摘まむとは!?
アーフィン:まず、私は殿下ではない。ソーニャの前ではただのアーフィンだ。
そして、左様でとか。二人きりの時は使わなくていい
ソーニャ:承知……はい、わかりました
アーフィン:やっとソーニャ、君を手に入れたんだ。あまり私をいじめないでくれ
ソーニャ:殿下、ではなくアーフィン様を私がいじめる
アーフィン:そうだ。ここに来るまで長かった
ソーニャ:長かった?
アーフィン:もしかして、と思っていたがソーニャは鈍感なのか?
ソーニャ:鈍感?
アーフィン:はぁ、そうか。では、よもやソーニャまで私があの異世界の女に興味を持っていたなどと思うてはいまいな?
ソーニャ:と仰られても
アーフィン:と仰られても?
ソーニャ:夜毎、殿下に呼ばれたと聖女様が寝所に向かわれていたのを拝見しておりましたから
アーフィン:あぁ、それか。あいつが勝手に来ていたのだが。そのように周囲には言っていたのか
ソーニャ:はい、聖女様はそのように仰れれておりました
アーフィン:そうだったのか。しかしそれだけで、あの噂を信じるには
ソーニャ:睦あっていたことも存じております
アーフィン:あの女、裸で私のベッドに来たからなぁ
ソーニャ:!?
アーフィン:あ、ソーニャのような乙女にはまだ早かったな
ソーニャ:そういうことでは
アーフィン:では、嫉妬か!?
ソーニャ:いえ、そういう事でも
アーフィン:別に嫉妬してくれたとて良いんだぞ?我が父も兄も奥方を溺愛しているからな
ソーニャ:それとこれとは……
アーフィン:別ではないぞ。もしかしてまだあの女に対して何かあるのであればこのまま教えてくれないか
ソーニャ:……
アーフィン:くすぐるぞ?
ソーニャ:!?……皆も知っていることなのですが……ずっと殿下は聖女様を慕っておられたと
アーフィン:まず、私は殿下ではなくアーフィンだ。そして、あの者を慕ったことなど一秒もない
ソーニャ:お会いする前からと伺っております
アーフィン:もしかして、あれかな。聞いても俺に愛想付かない?
ソーニャ:愛想を付くなどというう恐れ多いことは
アーフィン:本当に?
ソーニャ:はい
アーフィン:では、ソーニャには言う。あいつこっちに来た瞬間から俺に色目使ってきて。だからそれを利用しようということになったの。気色悪い
ソーニャ:そうだったのですか
アーフィン:あんまり信じて無さそうだね。俺はねこの国の王族なの
ソーニャ:よく存じております
アーフィン:それに対してプライドもある。だからさ、いくら百年に一回とはいえ竜が代替わりするときにだけ聖女を待つなんておかしいよ
ソーニャ:おかしい?
アーフィン:あぁ、この国はこの国の人間が守る。それが想定内の事なら尚更。せめてこの世界の人間ならまだ良い、しかしどこの馬の骨とも分からぬ異世界の者などを頼るとは
ソーニャ:どこの馬の骨ともとは
アーフィン:つまり俺も兄上も、その異世界聖女とやらの話を聞いた時に奇妙だと思ったわけ
ソーニャ:なるほど
アーフィン:だから、あんな女に興味ないしこれからために準備もちゃんとしているよ。異世界の者なんかに頼らなくても良いように。そりゃ帰ってもらうでしょ
ソーニャ:そうだったのですか
アーフィン:でも、俺はあの女に一個だけ感謝してるんだ
ソーニャ:と仰いますと
アーフィン:ソーニャに出逢わせてくれたこと。だよ。
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