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Huma Gear  作者: 近藤世界
『官房長官編』ーー終幕ーー

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33/39

来客

33話です。

新学期が始まってしまうぅ!

気づけば1000PVを超えてました。

読んでくれている皆さんありがとうございます。

「これは……血か……私の」

躑躅森つつじもりは膝をついた。

その姿を見て、カンナは駆け寄ろうとするが、マギアに肩を掴まれて制止される。

「落ち着けカンナ!どこから狙われているか分からない」

マギアは射手を探している。

「そうだ……私のことは気にするな……」

「でも……」


今のカンナは冷静ではない……。

俺がどうにかしなければ……。

銃を使ったはずだ。

音は頼りにならない……。

集中しろ。


「マギア君!……後ろだ!」

躑躅森が叫んだ。

後ろ?!気取れなかった!


マギアは狭い室内で大剣を振るった。

しかし、空を斬るだけである。


「何もいない!?」

「消えた……だと……」

マギアが驚愕し、躑躅森が恐怖する。


その時だった。

躑躅森の背後から銃口だけが現れた。

まるで、3Dプリンターで一から銃口が作られるように、徐々に現れていく。

それに気づいたのはカンナとマギアであった。


「躑躅森さん!後ろだ!」


その声に反応した躑躅森だが、撃たれた身体は思うように動かない。

微かに右に動く肉体。

静音の発泡と共に銃弾が放たれる。

弾は左肩を突き抜けた。

「くっ……」


今のは何!? 

不可視?ワープ?

躑躅森さんは助からない……

分からないけどーー

ここでカンナの思考がまとまり、身体に電流ヒューマが走る。


「マギア!背中を合わせて!」

「死角を潰すわけだな!」

「多分だけど、攻撃するには現れないといけないはず」

「対面した方が処理でいいな」

「うん」


10秒に感じる5秒の静寂。

その間は前後には異常は無かった。

二人は決して油断はしていなかった。

しかし、そこは彼らには見えない場所だから。

二人の頭上から銃口が現れる。


「う……上だ!」


躑躅森の声を聞いた二人は素早く動いた。

頭上からの攻撃を防ぐために、大剣を傘のようにして身体を合わせる。


頭上の銃口はカンナ達ではなく、躑躅森の方を向く。


「バレたじゃないか!」


知らない声が聞こえるが、それは相手が人間であるという確証に繋がった。

マギアとカンナは躑躅森の元に走る。

走ればすぐの距離だ。


そのまま躑躅森に銃弾が発せられた。

しかしーー

「フンッ!」

万全の状態のマギアは銃弾を叩き落とす。


「化け物か?」


二人は躑躅森の下に辿り着く。

「躑躅森さんはさっきのように上を、マギアはさっきといっしょ」

「分かった!」

「ああ……」


またしても拮抗状態が生まれる。

敵は死角を見つけれないが、カンナ達は敵を見つけれていない。

しかし躑躅森は瀕死の状態、

マギアは狭い室内ではいつものように戦えない。


「この形ならば手を出されないが……」

「このままいくと不利だね……」

「脱出の隙を見つけたいが……」

マギアは警戒しながら周囲を見渡す。

「相手のヒューマが分からないからね……」


「すまないね……巻き込んでしまって……」

躑躅森がうつむけのまま喋る。

「謝らないでください……」

「ここに来たのは俺たちの決断です」

「そうか……ありがとう……」


現状、不可解なのが相手のヒューマだ。

マギアでも分からなかったが、初見で私のヒューマを看破した躑躅森さんなら……。


「敵のヒューマが何か分かります?」

躑躅森が掠れた声で応える。

「……これは……ヒューマの範疇ではない……」

「範疇ではない?」

「逸脱している……一人の人間の範疇から……」


逸脱……一人の……

もしかして……

コツコツ……


思考を遮るように、足音が聞こえる。

人だ。性別は男だろう。

さっきの声の主だろう。

その手には銃が握られている。

首から上はモヤ?

何か分からないが、右に左に歪んで見える。

腕もよく見ればくっついていないのか?

分かることは敵であるということだ。


「あなたは誰!」

「犯人だな!」

マギア達が問いかける。

「犯人?……ああ……それか」

「それ?!」

思いもしない回答に驚愕する。

「誰だって話だよね……」

「答えなくていい……逃げるぞ!」

話を切るように、躑躅森を背負い部屋から出ようとする。


「待ちなよ……僕たちは……“管理人”だ」


“管理人”?僕たち?

気になることはあるが、今は逃げることを優先する。


先頭のマギアはドアの前に辿り着く。

逃げれる!速度はコチラのほうがあるはずだ。


目の前に銃口が現れた。

「なっ!?目の前?!」

「ほらっ!バン!」

マギアは必死に、身体を反らし、ブリッジのような体勢で床スレスレに頭をつける。

「避けたぁ?」


しかし銃弾は後ろのカンナの方へ。


ーー動体視力を強化しているカンナにとって銃弾は野球ボール程度だ。

当たれば一大事だが、当たることはない。


掠れた声が聞こえる。

「マギア君……ここまでだ……後を頼んでいいかい」

「はい……頼まれました」

躑躅森はマギアの背中で事切れる。

マギアは躑躅森をその場で降ろし、鉄製のドアを蹴破る。


「マギア?!」

「びっくりするなあ!これで官房長官はとどめだ!」

既に事切れた躑躅森に銃弾が撃ち込まれる。


マギアはカンナの方を見て言う。

「カンナ!脱出するぞ!」

「行かせないよ!」


マギアの後ろに銃口が現れた。


「やはり、攻撃がワンパターンだ!」

広い廊下に出たため、大剣を満足に振るえる。

最大速度で振れば、ワープでも当てられるはずだ。

大剣は“管理人”の腕に当たる直前で下にズレた。

振るった大剣は地面を削る。

生まれる一瞬の隙。


「ワンパターンだって?」

銃口はマギアの眼前に突きつけられる。

トリガーが引かれる。


ーーパスッーー

血が飛び散る。

銃弾は貫通して横にそれた。


「カンナ!」


当たる直前でカンナが割って入った。

放たれた銃弾は腹部を貫いた。

カンナはそのまま地面に落ちる。

マギアはカンナの下にすり寄る。

その時、後頭部に感触を感じる。


「これで終わりだよ」

完全に後ろを取られ、大剣は当たらない場所だ。

振り抜く前に頭を撃たれて終わりだ。

完全な詰み状態である。

トリガーがゆっくりと引かれる。


ーーカチッーー


「は?弾切れ?なんだよ……」

頭の感触が完全に消え去る。

周囲の違和感が消える。


弾切れ?助かった……

でも何で……。

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