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Huma Gear  作者: 近藤世界
『官房長官編』ーー終幕ーー

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28/44

『杭打機』

28話です。

私はロマン派です(意味を理解していない)。

《報告 『Icarus』の稼働率が80%を超過しています。使用者への負担が──》


「黙れ……」


角谷は『Icarus』の警告を切り捨てた。


「出し切ろうではないか。久方ぶりに楽しくなってきたぞ!」


顔は見えないが、その表情は光悦に満ちているのだろう。

「本気だってさ。守ってよね」

「ああ!カンナに弾一つ当てさせない!」

「来るよ!」


〈ドドドドドドド〉


先ほどの弾幕よりも、密度も速度も明らかに上がっている。

弾けるかどうか……

いや……やってみせる!!


「くっ……弾くか。『Icarus』!本気で狙うんだ!殺す気でやれ!」


《了解しました 稼働率90%超》


〈ドドドガガガガ〉


砲身が上を向く。制御が追いついていないようだ。

《砲身が安定しません 稼働率を下げることをお勧めします》

「水平センサーの感度をMAXまで上げろ!それでブレの補正もできるだろ!」

《水平センサーの感度をMAXに調整 砲身のブレを修整》

「よし!喰らえ!」


〈ドドドドドドド〉


先ほどよりも更に正確で、密度の濃い弾幕だと!

これ以上は弾ける自信がない!


《警告 後方からの接近》

「そこだな!」

〈ドドドドド……〉

55%でも見られていた。

今の速度で気取られたのか?

壁伝いで近づいたが、一定距離に入った瞬間、射撃を継続しながらこちらを撃ってきた。

危険判断は距離依存か……

いや、今は避けることに集中だ。


56%、57%、58%……

徐々に速度を上げろ。追いつかれないように。

マギアに余裕を持たせろ。

そして──見極めろ。勝てる方法を。


弾はカンナに当たらず、床を一方的に削っていく。

「マギア!作戦F!」

「了解だ!依存はない!」


少し前 煙の中

「カンナはどう思う……」

「追いかけてこないってことは、立体戦や機動戦はできないんだと思う」

「同感だ。あの巨体で素早い動きをされたら勝てないだろう」

「角谷っていう男の性格的に出し惜しみもしなさそうだし……」

「できるなら飛びながら射撃もできるはずだ」

「それが固定砲台のように撃つことしかしてこない」

「つまり、それが強みにも弱みにもなる」

「時間を頂戴。今立てたどの作戦がハマるか試したい」

「任せてくれ」

「今からするのはAIの判断基準を試す作戦」

「前後に入れ替わるやつだな」

「うん、やろう。煙が晴れたら撃ってくる」


現在


さっきの動きで仮説は確信に変わった。

AIは距離を基準に危険度を判断している。

つまり──

狙われる方を指定できる。

今は私の番。

マギアには作戦Fの確認。


〈ドゴッ〉


「カンナ!いけるぞ!」

壁に小さな穴が空いている。

人一人が入れるほどの穴だ。

「逃げるつもりか!そうはさせん!」

《射撃モードをオートからマニュアルに変更》


遠くのマギアへ発射口が向く。

刹那、勝負を決めたのはそれぞれの判断だった。

マギアは作戦実行のため走り出す。

角谷はマニュアル射撃に切り替え、マギアを撃とうとする。

そしてカンナは──

「逃げる?冗談でしょ?」

《接近を検知 迎撃を行ってください》


意識がマギアに向いたその瞬間を狙っていた。

60%!

角谷の目に神速は映らない。


〈ドゴオッ〉

カンナの回し蹴りは『Icarus』を捉えられず、床を叩きつけただけだった。


「……外れだな。速度を重視し過ぎて正確性に欠けた。一手の差だ」


〈ピシピシ……〉


「いや……」

「「大当たりだ」よ!」


「ッ!『Icarus』!飛べ!」

《上昇します 警告 上です》

マギアは読んでいたかのように跳んでいた。

「その通り、上だ!」

「クソっ!」

〈ガキン!〉


大剣が押し込むように打ち付けられる。

『Icarus』の上昇機能は、機体を持ち上げ移動を補助する程度の推進力しかない。

マギアの一撃で勢いは殺され、機体は下へ押し戻された。

そして、カンナが叩いた脆弱な地面が崩壊を始める。

〈ドゴオォン〉


「マギア!再び作戦O!」

「了解だっ!!」

角谷は落とされながらも迎撃姿勢を取る。

発射口を上へ向けた。

「撃ち落としてやる!」

だが、その瞬間。

《水平センサーエラー》

《射撃角度を計測不能》

《重大な機体エラーを検知 機能の一部を停止します》

「何ッ!」

マギアは無防備となった『Icarus』へ大剣を投げつける。

突き刺さった。


「大剣を投げたなバカめ!この程度で人類の叡智が負けるか!」

待て……あの女はどこだ!?


カンナはすでに壁を駆け上がり、二階の吹き抜けへ到達していた。

落下の勢いを速度へ変える。

そして、落下する『Icarus』へ追いつく。

回転し、遠心力を威力へ変える。

その回し蹴りが、大剣を**杭打機パイルバンカー**のように撃ち込んだ。


「もらったあ!!」

〈ドゴオオオオン!!〉


『Icarus』が地面へ激突する。

カンナも着地した。


《メインシステムに重大な損傷……機能停……》

「まだだ……私は……戦え……」


「うわっ、今ので意識あるの……」

「よっと、生きててよかったな」

マギアも穴から降りてきた。


全く……

人を傷つける覚悟はあっても、殺す覚悟はない。


「それにしても、よくこんな作戦を思いついたな。内容だけ聞いていたが意味はあるのか?」

「作戦OはOverlap(重ねがけ)、作戦FはFall(落ちる)」


マギアはうんうんと頷く。


「マギア。この世界で『Icarus』の名を冠するものは落ちる運命なんだよ」

「そうなのか……俺は勉強が足りないな」

「そういえば、あれはどうするんだ?」

マギアは気絶した角谷を指差した。

「動けなさそうだが……放っておくか?」

「うん。誰か助けに来るでしょ、多分」

「それもそうだな。中身も生きているようだし」

「マギア、帰ろう」

「ああ、そうしよう」

28話を見てみると、27話の完成度の低さに打ちひしがれます。

いつか、時間があれば形を整え修整したいです。

角谷のキャラが安定しなかった……。

難しいですね。

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