Icarus
26話です!
お待たせしました!
「そうか……ならば死ね」
角谷はサイドバックに手を入れた。
その構えは、ガンナーがリボルバーに手をかけるようだった。
角谷が再び手を挙げるとサイドバックから弾丸のような物が飛び出す。
飛び出した弾は落ちる前に、全て角谷の指で弾かれた。
「右に避けて!」
私は咄嗟に声を出した。
私には見えるが、彼女たちには見えないだろう。
「あなたたちじゃ話にならないから逃げて」
コクコクと頷き、通ってきた通路へと戻っていった。
さてと、問題は充電が残り少ないことだ。
最後に充電したのは昨夜だけだ。
数回動けば終わる。
あまり派手な動きはできない。
それにこの通路は狭い。
二人が肩を並べて通れる程度の大きさしかない。
壁面のガラスや天井を使って避けるしかないだろう。
また撃ってくる!
〈ピュン…ピシッ…シ…〉
まずい……足場にしていたガラスにヒビが入った。
このままだと動きが制限されていく……。
「……どうした?来ないのか?」
先ほどから私が攻撃しないことに違和感を感じているのだろう。
それもそのはずだ……
この戦い方を見れば、誰にだって分かる 。
私には既に充電がない。
「……そうか……攻撃できないのか」
角谷は薄ら笑みを浮かべる。
「……避けることもできんな」
サイドバックに手を入れて、弾を指に当てた。
その時だった。
通路を挟んでいた中央管理室の檻が開く。
空気が変わる。
静かな足音が異質さを際立たせる。
そして、目的を果たすため、全てを破壊してきた猛獣が放たれた。
角谷は気配に気づき振り向きざまに撃つが、マギアはそれを大剣で弾いた。
その表情は憤怒に染まっていた。
獣のように外敵を討つのみだ。
「っ!バケモノめ!」
そして脳天目掛けて大剣が振り下ろされる。
〈ドッンッ〉
重心をそのまま後ろに倒し、バク転の形で避けられる。
大剣は橋の床に穴を開けるほどの一撃だった。
角谷はマギアと私を一瞥する。
「狭いな……」
「……戦場を変えるか……」
角谷はヒビの入ったガラスに回し蹴りを入れた。
そしてできた穴から吹き抜けの一階に飛び降りる。
この施設は中央管理室のEVからしか脱出できない。
下に逃げたが、追う必要はない。
「カンナ!」「マギア」
「良かった……」
「今から、私が助けに行くところだったのに」
「それはすまなかったな」
「大剣はどこにあったの?」
「そこの部屋だ」
「良かったじゃん」
その時だったーー
〈ドン〉
視界が揺れる。
足元の床が飛び跳ねる。
すぐ横で爆炎が上がる。
「何だ?」
角谷が下から橋を爆撃している。
「あいつを止めないと!」
「よしっ!」
反対からも爆炎が上がる。
「両サイドを落として潰すつもりだ」
「マギア!降りれる?」
「いける!」
マギアはカンナを下から抱え込み、飛び降りた。
飛び降りた時の恐怖心はなかった。
綺麗な着地、衝撃がほとんど殺されている。
そしてゆっくり降ろされた。
「ん、ありがと」
「ああ、どういたーー」
〈ガキン!〉
話している最中に撃ってきた。
卑怯だ。
戦闘中に話している私たちが悪いか?
どうも感覚が麻痺っている気がする。
「仕方ないな……」
〈ピッ……〉
角谷は何かのボタンを押した。
その時だった。
両サイドを爆撃された橋が落ちていく。
〈ドッフフゥゥゥ〉
瓦礫と煙が舞う。
橋の下には下敷きとなった発電機があった。
〈バチ……バチ〉
「充電してくるから守っといて」
「任せろ」
その後、数発撃ってきたが、全てマギアに弾かれていた。
「チッ……」
「その技は既に見た!」
「お待たせ、100%だよ」
「やるか!」
「うん!」
私に向けて撃たれた弾は避ける。
マギアに向けた弾は大剣で弾く。
距離は一気に縮まる。
既に射程距離圏内だ!
〈パリン、パリン、パリン〉
天井のガラス張りが割れ、何か黒い物が私たちに体当りしてきた。
私たちの攻撃は阻害された。
黒い塊が胸に突き刺さる。
小さい。
だが重い。
「間に合ったか!」
「何アレ?カラス?」
「ただの鳥ではないな……」
その3機の物体は角谷の周りを旋回している。
そして、トライアングルの形に着くと停止した。
そして、変形を始める。
1機が角谷の顔に張り付き、フルフェイスの鳥面装甲を形成する。
残りの2機は肩へ降り立ち、装甲が展開する。
漆黒の装甲が骨格のように広がり、角谷の身体を覆い尽くす。
そして、黒き両翼が起き上がる。
「紹介しよう……アーマーユニット『Icarus』だ……」
角谷の弾丸は特注の専用弾です。
この施設の構造を描いたのですが、絵が下手すぎて表現できませんでした。
2階だけ網走監獄のような形で一階が看守ゾーンで地下一階は何もなくて、地下2階が搬入口(出入口)です。




