『純白の悪夢』Innocent Nightmare
純白の婚礼衣装に身を包み
わたしはあなたを待っている
あなたが還るのを待っている
何年も
何世紀も
久遠の時を、此処で
この忘れられた城で
この最果ての城で
待っている
わたしのすべてはあなたのもの
あなたをかき抱く、か細い腕も
あなたに口づける、紅い唇も
あなたを虜にする、熱い身体も
すべてはあなたのものなのに
あなたは何処にいるの?
わたしは此処にいる
あなたは、いつ還るの?
わたしは此刻にいる
待ち続けたわたしは、すべてを忘れた
あなたの名前も
あなたの顔も
あなたの声も
自分の名前すら、忘れ果てた
わたしに在るのは
あなたに抱かれた記憶だけ
たくましい腕に組み敷かれ
熱く燃え上がる欲望に焼かれ
紅く爛れた身体を
情熱の槍で貫かれた
けれど、あなたは還ってこない
わたしはもう待てない
だから、わたしはあなたに会いに行く
この城を出て、あなたの元へ、迎えに行く
たとえすべてを忘れようとも
あなたに会えば、すべて思い出す
たとえ数百万の敵が、行く手を阻もうとも
暗黒の僕と共に、紅い雨を降らし、必ずや、相見える
だから今は、夢の中で……
あなたを想い
あなたに恋い焦がれ
あなたを抱く
あなたは夢の中で
わたしの腕に抱かれ、甘美な口づけに、息を奪われ
覚めることのない、淫靡な眠りに墜ちていく
あなたが何処にいようとも、あなたを見つけ出し、忘れられた城に、連れ還る
あなたとわたしは、トロリと溶けてひとつになり
紅く煮え滾る欲望のなかで、果てしない愛を交わす




