誤解を解くために
※この話は霞視点です。
「霞さん?どういうつもりですか?」
どうしてこうなった?
一旦頭の中で整理しよう。
まず、私の母がもう1人、男が出入りしているという。次に馨が浮気を疑って私にキレている。
私は馨以外、男の人を自分の家に招いたことは一度もない。
なので、おそらく母の言うもう1人の男とは、私の男装である。
なんでこんな勘違いをするのか...。
この誤解を解かなければならないが、母がいる以上、それ私の男装だよ。とはいえない。
もし行ってしまったら...。
「ちょっとお母さん!それバイト終わりの男装した私だから」
「だ、男装!?あんた男装なんかしてるの?ちょっと、オタクっぽいわね」
こうなるに決まってる。
うーん。どうするべきか...。
「お母さん、一旦出てってもらっていい?」
私は母を一旦、部屋から追い出す作戦に出た。
「なんでよ。私だけ仲間外れにしないで」
くそ!
「霞のお母さん。その人の特徴言ってもらえませんか?」
「ちょうど身長が霞くらいで、短髪で、帽子をかぶってて、雑誌のモデルさんみたいな格好をしていたわ」
だからそれ私!
「霞。そんな人、僕知らないぞ?」
だから私だって。
あんたは私の男装姿、何度も見てるでしょ。
「写真も撮ったのよ」
「見せてください」
写真撮ってんのかよ。
これなら馨も気がつくはずよ。
「ほらこれ」
「誰だこの人」
なぜ気が付かない。
それ私。私だって。
「ちょっとお母さん。霞とゆっくり話したいので、一旦部屋を出てもらっていいですか?」
「えぇ。馨くんまで?しょうがないわ。出てってあげましょう」
馨の願いでようやく母は部屋を出た。
「なあ、霞。あれ霞だよな?」
「そう!馨なら気がついてくれるって思ってた。どこから気がついてた?」
「特徴を聞いたあたりから」
「そっからか」
ちょっと遅くない?
「疑ってごめん。霞はそんなことするはずがないもん」
「いいよ。あんなこと言われたら、誰だって浮気を疑うわよ」
「ほんとごめん...」
「切り替えなさい。もう怒ってないわよ。そんなことよりも問題なのは、母の誤解をどうやってとくかね」
「そうだよね。それ霞の男装、なんて言えないもんね。僕の兄弟とかそういう親族系の言い訳は通用しないもんなぁ」
「親と仲良いからね」
「困ったなぁ」
私の男装はばれてはならない。
何かいい言い訳はないか...。
「大学の先輩とかは?」
「いや、私のお母さんなら、その人を連れてこいと言うと思う」
「うぅん」
お互い頭を悩ます。
何かいい案はないのか...。




