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はわわわわわわわわわわ

「はじみてぃっうぃーちぇーうがなびら!わんねー琉宝うがなびら!えーと、あ、どうぞ…みーしっちょーてぃうたびみしぇーびり!」


ー な、なんて???



「え?え、えーと、あの、あのね?」



要は満面の笑みでこちらに向かって手を差し出してくる琉宝を前に、分かりやすく固まっていた。

冷や汗をかいて言葉が出ない要に、琉宝は小首を傾げまた要に話かけてきた。



「?うんじゅぬっんまりまーやいびーが?」



…お分かりいただけだろうか?

要は、この可愛い少女の言葉をまるで理解できていないのだ。

甲から教えて貰っていたから彼女の名前が琉宝だとは知っていた。

だから、名前を伝えてくれたのだと思う…


ーこれは、多分、自己紹介してくれたのかな!?



「えーっと、私、要って言います。」



そう言うと、要は不安ながらも琉宝の手を取った。

すると、琉宝は分かりやす顔をパァッと明るくして「要ネーネー!よろしく!」と嬉しそうに握った手をブンブンと振ってくれた。


ーよ、良かった〜!!!!正解したよ〜!!!


ほっと胸を撫で下ろす要に向かって、琉宝は「ふふふ!これで要ネーネーともいちゃりばちょーでさ〜!」と笑った。



「え、いちゃ…り、ばぁ?」



ー あかん、これは絶対粘っても分からんやつや!!!



要はどこに秘めていたのか内なる関西人を出しつつ、笑顔のままの琉宝を前に泣きそうになっていた。

彼女は自分を見てこんなに嬉しそうにしているのだ…絶対良いことを言ってくれているのだ。

それなのに「申し訳ない、全然理解できておりません。切腹しやす。」なんて口が裂けても言えないよ!っと要は胸の内で叫んでいた。

さらに背中からは「オンぎゃー!」と負のオーラがドロドロと出てきている。


しかし、ここで助け舟がすぐ隣から出てきた。



「琉宝、方言が出過ぎて要さんが困ってるよ。」


「!」


「んじ!?」



それはずっと2人の近くで話を聞いていた甲だった。

甲は要に向かって「ちなみに…んじ、はそうなの?って意味。」と小さく教えてくれた。



「ごめんなさい!要ネーネー!私ずっと沖縄にいたからね方言が出てしまうの!」


「そんな、琉宝ちゃんが謝らなくても良いんだよ!」


「んーん!小学校でも困ってるの!」


「え?なんで?」


「私ね、小学校から内地に来てね、今は福岡県の天満様におかあ…じゃなくてお母さんと住んでるの!」


「そうなんだ!引っ越したの?」


「うん、守地の中でも大きい神社とかにいた方が良いって言われたから…」


「え…、そうなんだ。」



要は自分が気を失っている間に高知に連れてこられたことを思い出して、琉宝のゆらめく瞳を見た。

自分に気を使って言葉を選んでくれる優しい少女に、要は胸が締め付けられそうだった。


ーこんなに小さな子が、生まれ育った場所から急に知らない所で生活しなければならないなんて…これも、人神のせいだ…



「…どうしたの?要ネーネー?」


「…ううん。な、なんでもないよ。」



自分の方が年上なのに泣きそうになる自分を見せたくなくて、要は慌てて誤魔化した。

そんな要に琉宝は「ギョサン、も伝わらなくて驚いたさ〜!」と屈託なく笑っている。



「ぎょさんってなに?」


「うーとね?ビーチサンダンルみたいな、でももっと履きやすいやつ!」


「へー!」


「ここにも持ってきたから後で見せてあげるね!」


「本当?ありがとう!」



琉宝がそう言って笑うので、要も自然と笑顔になった。

そんな2人の会話に甲はまた静かに入ってくる。



「琉宝、朝ごはんは?食べた?」


「うん!もう食べてきたよ!」


「じゃあ、お昼ご飯は一緒に食べよう。」


「うん!私なーしび食べたい!んぶしーのやつ!」



「オッケー…」と優しく笑う甲を見て、「甲くんって意外にもお兄さんなんだな。」と要は思った。



「因みに…なーしびは茄子で、んぶしーは味噌煮。」


「甲くん!!いや、甲様!!」


「なんだよ、それ…」


「どこまでもついて行きます。」


「いや、大丈夫。ついてこないで。」


「なーしびのんぶしーは私のじょーぐさぁ!」


「ジョーぐぅ?」


「大好物って意味!」


「ああ!そうなんだね!」



この数分で琉宝だけでなく、甲とも仲良くなれた気がして要は嬉しくなった。

…なったのだが、どうしても気になることがあって要はあるところを指差した。



「で、あの2人はどうしてあそこで正座しているの?」



要が指差した所は先ほど李人と応が取っ組み合っていた場所だった。

そしてそこには、ちょこんと正座した2人の姿があった。



「琉宝の前で喧嘩した者は正座する決まりなんだよ。」



そう言った甲の言葉に李人はグッと奥歯を噛み締め、応も眉を悲しそうに下げた。



「え?なんで?」


「琉宝の教育に良くないからって、イズ兄が。」


「え、」


「あの2人、ほっとくといつまでも喧嘩が絶えないから。」


「なるほど…」



掴みかかって喧嘩する2人に、拳に力を込めながら静かに怒りのボルゲージを上げていくイズモの姿が目に浮かび、要は「気をつけよ…」と心の奥底で呟いたのだった。








琉宝ちゃんの最初の言葉は「初めてお目にかかります。私の名前は琉宝です。お見知りおきください!」

そのあと要ちゃんに「どこ出身ですか?」と聞いてます。

沖縄弁難しいですね…間違っていたら教えてください。

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