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公爵令嬢は悪役になってでも自由になりたい。  作者: 黒い猫
第3章 王妃教育の賜物?
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第4話


 それだけでなくリリーは様々なありとあらゆる職業を学んだ。


 その中には肉の解体を専門に扱っている業者もあったのだが、これが魔法学園に入学する前から卒業する一年前までずっと行われていたのだからリリー自身よくやったなと思う。


 しかし、こうして様々な職業で学ばせていただいたおかげで庶民からはかなり好意的に思われていたらしい。


 ただ、この頃の学園内でのリリーの立ち位置は雲行きが怪しくなっていた事もあり、むしろリリーの心の拠り所になっていたのかも知れない。


「うん、火はこれで大丈夫そう。ついでに魔法でササッと掃除……は出来ないから外で掃除に使えそうな物を探しましょう」


 魔法で出来ればそれにこした事はないだろう。しかし、魔法は魔術とは違い微調整というものが出来ない。


 つまり、仮に今の状況で埃を捌こうと風魔法を使えばほぼ間違いなくトランクが森のどこかにいってしまうだろう。


 ただ、これは魔法が得意だとかそういった次元の話ではなく、魔法を学ぶ者としてはむしろ「常識」な話だ。


 要するに「魔法は瞬発的に使う物」なので、どうしても威力が大きくなってしまう……という訳だ。


 その為、基本的に魔法は攻撃や防御にしか使えず、日常生活の役にはあまり立たなった。


 むしろ、そうした場面でこそ魔術は活きるはずなのだが……今のところそうした魔術は発見されていない。


「こればっかりはさすがにね」


 魔術は基本的に術者が設定するので「用事があるから」などといった臨機応変には向かない。


「それならむしろ掃除をもっと簡単に出来る魔法具を自分で作ってしまう方が効率良いかも知れないわね」


 なんて思いつつも今のリリーにそんな余裕はない。


「あら?」


 そして家の裏に行ってみるとそこには畑の様なものの痕跡があった。


 ただ、年月がそれなりに経っていたからだろう。そこにあるのはあくまで土を掘り起こされた様な痕跡だけだ。


「それにこの看板……かしら?」


 そして、その付近には一定間隔で置かれた木製の看板の様な物。それと……。


「あら、これは……川に繋がっているみたいね」


 近くには水路があったのだが、大きな岩で防がれている。しかし、これを動かす事が出来れば水路は復活しそうだ。


「これで水の問題も解決ね。後は……そうだ。料理と言ったら調味料も考えないと……ん?」


 そんな時、不意に「何か」の視線を感じた。フェンリルの話ではこの辺りの魔物に話は通したと言っていた。


 しかし、魔物の中には人間を目の敵にしている場合も十分考えられる。


 いくらフェンリルが結界を張ってくれたとは言え万能ではない。場合によっては破られる可能性は十分にある。


 ただ、リリーとてただ魔物に怯えるだけのか弱いお姫様ではない。


「……」


 リリーは念の為魔法をすぐに繰り出せる様準備をしつつ相手の出方を待った――。

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