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ジェットのぼうけん  作者: ジョーカー
中章:激震魔大陸
84/131

四魔姫・ベリアル9世

 限界を超えた戦士と、本気の最強の四魔姫が、激突する。

「どぁだだだだだだッッ!!!」

「せりゃあああああッッ!!!」

「ぐぬ……ぐぐぐ……!!!」

 凄まじいパワーアップを果たした二人の猛攻は、本気のベリアの防御を切り開こうとしていた。

「ずだだだだだだだ……!!!」

「はぁああああああ……!!!」

 とてつもない、二人の超連続攻撃。それも、協調性ゼロのお互いを遠慮しない、お世辞にもコンビネーションとは言えない猛攻。それが、逆に彼女の防御をすり抜けていた。

「共闘では……ないッ!?」

「せいやぁあっ!!!」

 ローレンスが、ベリアの腹へパンチする。それで、彼女は目を見開いて吐血した。

「ぐはぁあっ!?」

「ずぁあっ!!」

 その胸へ、ジョーが蹴りを放つ。蹴り飛ばされたベリアは後退するも、ダウンしないように床に踏ん張った。

「はぁあああッッ!!!」

「砕けろォオオッッ!!!」

 二人は、同時に顔面へのパンチを繰り出してくる。

「くっ!!?」

 ベリアは腕をクロスしてガードするも、パンチの衝撃は殺しきれずに吹っ飛び、壁へ激突した。

「ぐぁあああッッ!!!」

 二人は高速移動を繰り返し、ベリアに迫る。あっという間に彼女の眼前へ辿り着き、ローレンスは蹴りを、ジョーは拳を放つ。

「ッッまだまだァッ!!」

 ベリアは目を見開き、二人に無数の気合砲を叩き込んだ。

「ぐぁああああッ!?」

「考え無しの奴とは違うッッ!!」

 ジョーは直撃し、身体を鋭打されながら吹き飛ぶ。ローレンスは防御しており、両手に斬属性を纏い、斬りかかった。

「あまいっ!!」

 ベリアはそれを跳び避け、ローレンスの背後へ回りこむ。そして、蹴り上げで彼を吹っ飛ばした。

「ぐぁああっ!!」

 ローレンスは吹っ飛び、ゴロゴロと転がりながら床へ投げ出される。ベリアはそんな彼に向かって跳躍し、拳に全力を込めて殴りかかった。

「おっと!!」

 ジョーが間に入ってそれを受け止め、笑う。

「なに……!?」

「だぁあっ!!」

 そのまま振り回してから、ぶん投げた。

「うわぁあっ!?」

 ベリアが投げられている間に、ローレンスがジョーの横へ走ってくる。二人は同時に飛び上がり、彼女の眼前へ迫った。

「うぉおおおおッ!!!」

「はぁああああッ!!!」

 ジョーは拳を、ローレンスは蹴りを、彼女の腹へ叩き込む。一閃する赤と青の一撃は、確かに彼女を打ち抜いた。

「ごはぁあアッ!!?」

 凄まじい力で打ち抜かれた事により、彼女は吐血しながら床へ墜落した。しかしすぐに起き上がり、構え直す。

「まァだ起き上がるかァアッ!!」

 既に眼前にジョーが迫っていた。それを前に、彼女は不敵に笑う。

「フッ。」

 そして、ジョーの顎をストレートで一閃した。意識を吹き飛ばされた彼は、ガクンとダウンしようとする。しかし歯を食いしばり、踏ん張った。

「ぐぅっ……!」

「しゃああっ!!」

 踏ん張ったばかりの彼に、足払いする。

「うわっ!?」

 それを跳躍し、避ける。しかし次の瞬間、顎へアッパーが入り、打ち上げられた。

「ぐぁあああッ!!」

「フン……!」

「どこを見ている!?」

 ローレンスが迫り、一瞬で彼女の腹へ無寸勁を叩き込んだ。衝撃が腹筋を突き破り、体内で炸裂する。

「ぐぁあ……!?このッ!!」

 彼女が放った蹴りを、腕でガードする。その足を掴み、跳び上がった。

「なぁにっ!?」

「せいやぁあっ!!」

 ベリアは床へぶん投げられ、倒れる。その上から、彼は蹴りを落としてきた。

「なんの──」

 それを転がり避け、立ち上がった瞬間──

「オラァッ!!」

「!!!」

 ──ジョーのパンチが、腹へ炸裂する。彼女は吐血し、揺らぐ。

「せぇいやぁあッッ!!」

 その顔面へ、ローレンスが回し蹴りした。彼女はそれで蹴り飛ばされて吹っ飛び、床へダウンした。

「っぐ……!!?」

 奪われた、ダウン……に悶えている暇ではない。すぐに立ち上がり、二人を見る。

「よっしゃあああーッッ!!!」

「このまま攻め込むぞッッ!!」

 既に二人は眼前に迫っており、猛攻してきた。しかし、相手はベリア。魔王の娘であり、四魔姫最強の戦士。二人の猛攻に対応し始めた。

「うぉおおおおっ!!!」

「ずぁあああっ!!!」

「あまいっ!!」

 彼女は一瞬の隙を見て、二人の後頭部の髪を掴む。それで、二人は硬直してしまった。

「なっ!?」

「いっ!?」

「ふんっ!!」

 そのまま顔面同士をぶつけ、ローレンスを蹴り飛ばし、ジョーを殴り飛ばした。

「ぐぁああっ……!!」

「面白いッッッ!!」

 ローレンスは吹っ飛んで、膝をつく。ジョーは踏ん張り、突進した。

「ふんっ!!」

 拳と拳が、ぶつかる。それで一旦離れ、足刀同士をぶつけ合った。

「はぁっ!」

「オラァッ!!」

 肘打ちを肘打ちで迎撃し、相殺する。ジョーがもう一方の拳に力を込め、顔面へパンチした。

「ぐっ!!はぁあっ!!」

 しかし彼女は鼻血を噴きながら踏ん張り、彼の顔面を殴り返した。

「ぬぅうっ!!」

 ジョーも鼻血を噴き、一歩二歩と下がってしまう。しかしそこで踏ん張り、跳び上がった。

「ガァアアアッ!!!」

 渾身の拳で、殴り掛かる。しかし彼女はそれを片腕でガードし、もう一方の手にエネルギーボールを作る。

「はぁあっ!!」

 それをジョーの腹に放った。エネルギーボールは直撃して彼をぶっ飛ばし、壁に叩きつけられると同時に大爆発した。

「っはぁあっ!!効かねぇなぁあああッッッ!!!」

 彼は爆炎から飛び出し、滑空しながら殴り掛かる。その拳はベリアをすり抜け、爆発するような拳圧が何も無いところで炸裂した。

「ッッ……!!!」

「こちらだ……!!」

 ベリアが、拳に神力を纏いながらジョーの背後に現れる。その拳を、彼の背へ振るおうとした次の瞬間──

「させぬっ!!」

 ローレンスが来て、彼の胸に拳を付けた。その状態のまま、目を見開いて力を込める。すると、ジョーの背中から鋭い衝撃が飛び、ベリアの顔面を打った。

「ぐぁああ……!!!」

「おらぁあああッッ!!!」

 更にジョーが振り返り、ベリアの顔面をぶん殴る。

「くっ!!なめるなっ!!」

 彼女はぶっ飛ぶが、すぐに体勢を立て直し、二人にエネルギー波を放った。

「任せろッッ!!」

 ローレンスが、手刀でそれを斬り弾く。その後ろからジョーが飛び出し、思いっきり飛び蹴りを放った。

「ふんっ!!」

 彼女はその足首を掴み、思いっきりグルグルとぶん回した。

「うぉおぁああッッ!!?」

「はぁあっ!!」

 回転が勢いを増した所で、思いっきりぶん投げた。彼はぶっ飛び、壁に叩きつけられる。

「はぁああっ!!」

 次の瞬間、ベリアの腹に青の光が一閃し、とてつもない衝撃がピンポイントに腹を打ち抜いた。攻撃の主は、ローレンスだ。

「グハァアッ……!!?」

「まだ、俺がいる事を忘れたかッ!!」

 ローレンスはそのまま、手刀に斬属性を纏う。それで、彼女に無数の斬撃を叩き込んだ。

「ぐぐぅうっ!!」

 ベリアは拳を固く握り、腕に力を込める。それで、ローレンスに殴りかかった。しかし拳は彼をすり抜ける。同時に、彼女の直感が「うしろだ」と囁いた。

「くっ!?」

「はぁぁああッ!!」

 振り返った次の瞬間、彼は彼女の横腹に後ろ回し蹴りを食らわせていた。

「がぁあっ……!!」

「どうした!?そろそろへばったか!?」

「……いいぞっ!」

 ベリアはローレンスの挑発に対して、血を吐きながらも笑って見せた。そして拳にエネルギーを込め、それを拳圧で撃ち出して彼をぶっ飛ばした。

「ぐぁあああっ!!」

 彼はぶっ飛ぶが、床に踏ん張って彼女の方へ向き直す。そして、手刀をヒュバババッと動かしてから、構え直した。

「ヒャハハハハハ……!!」

 その後ろから、ジョーが重圧な足音を立てながら歩き、彼の横で止まった。

「見せろ……!もっと見せろ!!お前達の全力は、こんなものではあるまい!!全力を出し、私を倒してみせろ!!」

 ベリアはそう言って、全ての力を解放して見せた。限界突破したのは、二人だけではなかったのだ。彼女もまた、限界を超えた力を宿していた。

「はぁあああああーーーッッッ!!!!」

 溢れ出る気が、彼女の上半身の衣服を吹き飛ばす。隠すべき場所を隠さずに、傷だらけながらも美しく、力強い裸体を晒した。

 二人はそんな彼女を前にして、今ある限りの力のありったけを解放する。

「……これで、最終ラウンドだろうな。」

 と、ローレンス。

「そうじゃなきゃ困る。」

 と、ジョー。

 二人は息を吸い、カッと目を見開く。

「終わらせるぞッッッ!!!!」

 同時にそう言い、ベリアへ突撃した。

「はぁああああッッッ!!!!」

 彼女も怒号し、二人へ突撃した。

 一撃が交差し、互いをぶっ飛ばした。

「がふっ……!!」

 ベリアは歯を食いしばるも、歯の間から吐血する。しかしダウンはせずに、構えた。

「ぐっは……!!」

「まだまだァアッ!!!」

 ローレンスは揺らぐも、ジョーが前に出てベリアと攻防した。

「あだだだだだだだだだ!!!」

「ぉおおおおおッッッ!!!」

 彼女は、重く鋭い拳のラッシュを放つ。しかしジョーはそれに対応し切り、彼女の懐へ入り込んだ。

「なっ!?」

「ヒャッハァアッ!!!」

 そのまま、アッパーで顎を打ち上げた。

「ぐぬぅううっ!!!はっ!!」

 拳にエネルギーを込め、その拳を突き出す。すると、ジョーの体に無数の拳圧が叩き込まれた。

「しゃらくせぇえっ!!!」

 彼は全身に力を込め、全て受けて見せた。しかしダメージは蓄積し、フラフラよろめいてしまう。

 その彼の横から、ローレンスが飛び出た。

「はぁあああっ!!!」

 彼女の眼前へ来て、拳を放つ。しかしそれは掌で止められ、頭を掴まれた。

「なっ!?」

「しゃあああっ!!」

 そのまま床へ叩き伏せられ、蹴られる。蹴り飛ばされた先には、ジョーが居た。

「ぐはぁあっ!!」

「!!!」

 二人は激突して、重なる。

「受けてみろっ!!!」

 彼女は二人に高密度のエネルギーボールを放ち、ローレンスの腹に当てた。彼の腹へ叩き込まれたはずのエネルギーの威力が、ダイレクトにジョーに伝わる。

「ぐぁあああーーーッッ!!!」

「うわぁああーーーッッ!!!」

 それは壁へ激突し、大爆発を巻き起こす。しかし二人はボロボロながら、すぐに体勢を整えた。

「……クソがッッ!!!」

 ジョーは血反吐を吐きながら、彼女に向く。ローレンスは冷静に、そんな彼の横顔を見た。

「ジョー!!俺を思いっきりぶん殴れっ!!俺から行かせてもらうっ!!」

「分かったァアッ!!!」

 ジョーは言われるがままに、思いっきり腕を振りかぶり、全力のパンチを放った。ローレンスは跳び、そのパンチに足をつける。

「行ってこいッッ!!!」

 そのまんま、彼はローレンスをぶっ飛ばした。

「はぁあああああッッッ!!!」

 彼もジョーのパンチの威力が最高潮になる瞬間に足を伸ばし、飛んだ。一瞬で彼女の眼前へ迫り、その顔面へ全ての力を乗せたパンチを放った。

「ーーーッッッ!!!!!」

 そのまま、大きく後退させることに成功した。しかし彼女は床に踏ん張ったまま、ダウンしなかった。そして遂には、止めて見せる。

「なに……!!?」

「ぐ……ぬ……!!!」

 それどころか、拳を顔に受けたままローレンスの超パワーを押し返そうと、一歩一歩と歩き始めた。

「ぐ、ぐぬぁぁあああ……!!!」

「まだ……だ……!!その程度では……私は……!!!」

 全力を込めているのにも関わらず、彼女の一歩は止まらない。ついにローレンスの腕が、悲鳴を上げ始めた、その時だった。

「うらァアアアアアーーーッッッッッ!!!!」

 後ろからジョーが来て、彼女の顔面へパンチした。それで彼女の動きが止まった。

「ッッッ!!!?」

「はぁあああああああーーーッッッ!!!!」

「ぁああああああああーーーッッッ!!!!」

 二人の赤と青の気が融け合い、凄まじく強大な気へと変貌した。その気が光り輝き、この部屋を包み込む。

「これが、俺の全てだァアッ!!!」

「強き戦士よ、俺達は貴方を超えていく!!!」

 二人の気は、どんどん大きくなる。その気の輝きを前に、ベリアの表情が緩んだ。

「これが……人間の力──」

 彼女がフッと笑うと同時に、二人の昂りは最高潮に達する。そして──

「はぁあああああーーーッッッッッ!!!!!」

 二人のエネルギーは、とてつもない大爆発を巻き起こした。その威力に、魔王城どころか星に衝撃が響き渡った……


 爆発は、今戦ってる一部屋だけに収まっていた。本来なら、魔王城ごと消しかねない威力のものだが、星そのものへにダメージを与えてしまう可能性があったので、それだけは避けた。

「……生きてるか?」

「うるせェ。」

 ローレンスとジョーは、普通の状態に戻っていた。神力も魔力もない、普通の状態だ。

「……フッ。」

 ベリアは、倒れながら笑っていた。

「全てを出し尽くした……全て味わい尽くした……ここまで清々しい負けは、初めてだ……ふっふっふ……」

 彼女はそう言い、二人の方へ向いた。

「もう、動けん……」

「あァ……黄金宝石握ンのすら、億劫だ……」

 二人も倒れており、談笑していた。そんな二人に、彼女は意外そうな顔をする。

「……トドメを刺さんのか?」

 その問に対し、二人は首を横に振った。

「……共存派は、俺達の敵ではない。」

「敵じゃねぇ奴を殺すことは出来ねぇ。」

「……フッ。どこまでも、愛し甲斐のある人間よ……」

 三人は座り込んで、魔王の間の方へ向いた。

 四魔姫のベリアを倒した二人。これで、全ての運命はジェットに託されたのだった……

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