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173「アヴォロス王国首都の街」

あとがき欄にYoutubeのURLを張ってみる事にしました。

文面からは音楽は聞こえません。

イメージ的として聞いてもらえばと思っています。

Youtubeからの無差別にチョイスしただけの紹介URLですから、

アフィリとは無関係です。

一行の馬車はアヴォロス王国へやって来た。

魔族の国ハユバムとは文化交流のある友好国だ。

タリエル姫達には、その事情は知らない事だったりする。


ヴァンディート国王が統治するこの国は、

歌や踊りを愛する、文化的な国として知られている。

レナレラ姫を筆頭に、国内の各領地から集まる歌姫たちの評判が高い。

王都でもあるから、人の出入りも多く、賑やかな街だ。


街中の王城に続くメイン通りの両側には、色々な露天商が並んでいる。

通りを外れた場所に、規模の大きな商店や、武器商・防具商の看板が目に付く。

商人ギルドや冒険者ギルドの本部も建ちならび、大きな看板が目立つ。

街門を潜った脇には、馬屋や取引場が控えていた。


別な通りを見渡すと、食堂や酒屋、宿屋も見えてくる。

どうやら職種毎に通りで分けられているのが解る。

恐らく、王城の周りには、貴族の邸宅などが在るのだろう。


街壁に囲われた街は、住民が増えたとしても、拡張に苦労する。

横に広がる余地が無いから、必然と建物の高さが高くなる。

意外と空が狭く感じる街並みが延々と続く。


「賑やかで大きな街ですね」


「まずは馬車と馬を預けられる宿屋を探さなくちゃ」


「食料や道具の補充もしなくちゃならないから、忙しくなりそうです」


やがて馬と馬車を預けられそうな、大きな宿屋が見つかった。

『歌のコダマ亭』カラオケでも有りそうな名前だ。

そんな物この世界には無いけど。

宿にチェックインして馬と馬車を預けたら、全員で街中の散策に出る。


「人が多くて逸れそうです」


「ビエルは背が低くて見通しが悪そうですね」


「逸れたら駄目ですよ、気をつけて着いて来て」


「はいです」


人々の喧騒の中、買出しの一行はモミクチャ状態だった。

チズシアとラザリは体格が戦士然としているから、痴漢には遭わなくて済みそう。

タリエル姫とノイミラ姫をカップルと思われているような視線も向けるのがいる。

背が低く、見通しの悪いビエルは、皆の後ろを歩いている。







〔お、獲物発見!〕


人混みの中を歩いている少女がいる。

少女の前を歩く女達は親子には見えない。

と、なれば関係者では無いだろう、攫うには丁度良い獲物だ。


男たちは皮の袋を取り出して隙を狙う。

素早く袋を少女の頭に被せ、口にあたる部分を紐で縛り、抱え揚げて連れ攫う。

いきなり袋を被せられ、口を紐で固定され猿轡状態にで言葉が話せない。

ビエルは何事? と途惑っているうちに人攫いに連れられていってしまった。




「あれ? ビエルがいない」


「いつの間に逸れたんでしょう?」


一通りの買い物を終えたタリエル姫達は、一端宿屋へ帰る事にした。

しかし、いくら待っていてもビエルは帰って来ない。


「逸れたにしては、帰りが遅いですね」


「仮に誘拐だったら、逆に犯人が可哀想ですね」


「人の街の中でドラゴンの姿になる事はしないでしょうし」


見た目が少女でも、実力では誰よりも強いから心配は無用だろうけど、

急にいなくなれば誰だって心配になって来る。


「迷子探しの以来を出すのはどうでしょうね?」


流石に誰よりも強いビエルを迷子として探す依頼を出すのも気が引ける。

中々戻らないから、何かがあっただろう想像は付くけど、どうしたら良いのか解らない。

公務じゃないから、国王の所に相談には行けないし。


「取敢えず一日様子を伺ってみましょうか」


一同はチズシアの提案に従う事にした。







ビエルが被せられた袋を外されたのは、どこかの建物の中だった。

建物内に五人の見知らぬ男達がいる。

隅を見ると、数人の子供達が縄で縛られ元気をなくしているのが見える。


……ははあ、こいつらは人攫いか。


ビエル一人だったら、どうにでも出来そうだったが、

攫われた子供たちを見捨てるのもどうかとも思える。

下手に暴れると、子供たちまで巻き込み兼ねない。


改めて縄で縛られたビエルは、隅で身を寄せ合っている

子供たちの所へ蹴られ、押しやられた。


「お前達、痛い思いをしたくなければ、大人しくしているんだぞ」


奴隷にでも売り払うつもりだろうか。

仮に売り払うにしても、王都内で表に出す訳には行かないだろうし。

となれば、馬車にでも積まれて他所の街まで運ばれるに違いない。


「おとーさーん」

「おかーさーん……」


小声でメソメソないている少年少女たち。

おそらく、この街で誘拐された子供達だろう。


「ん~? お前は泣かないな」


痩せた体格の男がビエルに顔を近づけ観察している。


「誘拐犯は許せません」


縛られながらも果敢に応えるビエル。


「まあ、商談が纏まる日まで大人しくするこったな」


子供の言う事に取り合う気も無く、

ニヤニヤと笑みを洩らしながら男は立ち去っていった。


隙を見て脱出するにも、この場所は地下室と見えて窓が無い。

見張りの男を倒して、ドアの外へ出るにしても、後何人賊が控えているか解らない。


……暫く大人しくしていて、見張りが減るのを待った方が良さそうだね。


脱出方法を考えるビエルは、そう判断をした。

見張りが一人になった時、先ずはその男を音を立てずに倒す。

様子を伺ってから子供たちの縄を解き、建物の隅にバリケードを作り、

子供たちの安全を確保してから、室外で暴れれば何とかなるかな。



小一時間ほど経った頃に、ようやく見張りが一人になった。

ビエルは行動を開始する。

他の子供たちと同じように縄で縛られているが、

ビエルにとっては、少しも拘束になっていない。


部屋の隅で静かに立ち上がるビエルを見て、男は怒鳴る。


「おい、お前、大人しく底に座ってろ!」


「ふん」


ビエルが力を入れると、ブチブチブチと縄が千切れ飛ぶ。

人なら大人でも縄を引き千切れる力は無い。

それなのに、この少女は平気で引き千切る。


「お前……」


男が驚愕する隙に、懐に飛び込んだビエルは、男の首筋に鉄槌を加えた。


ゲフ


男は声を出すまでも無く、首の骨を折られて即死した。


「シー、大声を出さないで、君達大丈夫だった?」


「ありがとう、君は?」


「ビエルよ。今から、この部屋にある物集めて皆で隠れてて」


築いたバリケードの上に、帆布を被せて落下物に備えた。

部屋に一つしかないドアに近づいて、外の様子を伺うビエル。


人の声が遠い。


どうやらドアの外は階段になっているのかも。


建て付けの悪いドアはかなり開け難い。

ゆっくり開けたつもりなのに、引き千切れて大きな音が出てしまった。


「「「何だ、何事だ、今の音はどうしたんだ」」」


階段の上では男達が騒ぎ出し、こちらに向かって走る音が響いた。


ビエルはすかさず階段を駆け上る。


階上の部屋に20名ほどの男達が集まっていた。

男達は階段を駆け上がって来たビエルに目を留めた。


「このガキが!」


「イチイチ相手するの面倒臭そう」


ビエルはドラゴンモードに切り替え人化を解いた。


みるみる16mの巨大なドラゴンに変貌するビエルは、

建物の屋根や壁を突き破って建物を破壊する。

人攫いの賊一団は建物ごと踏み潰す事にした。


ドゴーン


ガガガン ドゴゴゴーン


バキバキバキ ガガガン


と激しい破壊音が鳴り響く


ズシンズシン


ズドドド


地響きが王都中の隅々まで揺れ動いた。

地下室の天井に大きな穴が開き、外は土煙が酷く先が見えない。

ようやく騒ぎが収まった頃、地下室を脱出した子供達が見た物は、

戦争でも在り得ないような、破壊され尽くされた建物と巨大なドラゴン。



突如倉庫街に現れたドラゴンに、街中騒然となった。

悲鳴を上げて逃げ惑う人々、兵士たちの怒号が飛び交っている。

軍隊が集まりだした頃には、建物は完全に踏み潰した後だった。

地下から子供達を逃がしたビエルは、翼を羽ばたかせ街を後にした。



「あれ、ビエルじゃない」


「何をしてるやら……」


「迎えに行きましょう、たぶん服に困っているでしょうし」


ドラゴン来襲事件は、ザウィハーの裏工作で広まりは抑えられたようだ。

ビエルによって、犯罪者ギルドが壊滅したと聞かされたのは、大分後になってから。

アヴォロス王国から報告がザウィハーに届いたのだった。

https://www.youtube.com/watch?v=A3Z4cVaMKkU

怪獣大戦争マーチ( ゴジラ伝説より~SE入り)

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