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171「ノイミラ姫とタリエル姫」

ノルナ姫が仙人になり、チャンディー様から授けられた能力により、

ヴァルキュリアの国アサスウイアと、魔王城首都ザウィハーとの間空間がポータルで繋がれ、

ウィラクバリラ女王は自室に作られた扉をポータルに設定して、

両国間を、楽に行き来出来る様に設定した。


隣の部屋へ行くような気軽さで移動出来る為に、今迄になく頻度が上がっている。

今日もウィラクバリラ女王はノイミラ姫を連れてやって来た。

今ではロンオロス王と、アビスナ王太后と、シャルナ元王妃は益々友達付き合いになっている。


ウィラクバリラ女王もロンオロス王も、以前は力があれば

民は王家に従うと考えていたが、今は考え方は変わって来ている。

国家の臣民にとって必要なのは、武力の高い王ではない、

王様は必ずしも強くなくても良いのだ。

重要なのは国家安寧と臣民の平和を、実行できれば良いのだと考えるようになってきた。


ノイミラ姫はこの場に居心地の悪さを感じていた。

姉姫のノルナ姫はニホバル王子、ルリア姫、タリエル姫と宜しくやっているだろう。

母のウィラクバリラ女王は、ロンオロス王達と宜しくやっている。

何となく自分の居場所が無いことに不満も高まる。




別邸を散策していると、タリエル姫が自分の部屋に入っていくのを見かけた。


「あの娘、以前ノルナ姉様と一緒にいたタリエル姫じゃない」


修行の中休みで一緒に食事をした時にもいたけど、直に話をした事は無かったね。


お高くとまっている雰囲気がして、話し難い感じがしたけど、

部屋に戻る彼女の顔に、少々影があるようにも感じた。


「いいかしら?」


ノイミラはドアをノックして入って来た。


「あら、ノイミラ姫」


タリエル姫は窓辺で奇妙な人形に水を飲ませている所だった。

日本人形姿をしている薬草の妖精アルラウネの『コロポウネ』だ。


「変わった人形ですね……」


「あたしは人形じゃないよ、コロポウネだよ」


コロポウネが挨拶をした。


「え? 何これ?」


「だからコロポウネだよ」


タリエル姫はノイミラ姫にコロポウネの説明をした。


「そうなんですか、妖精だったなんて驚きました」


流石にこの世界の住人は、動く人形に恐怖する人はいない。

異世界で錬金術の知識で作ったホムンクルスのコロポちゃん。

その子の代わりにタリエル姫の側にいるのだと話を聞いて、涙ぐむノイミラ姫。


「タリエル姫は異世界に行ったんですって? どんな世界だったのです?」


文明が進んだ争いの無い世界と聞かされて、信じられない思いだった。

アマゾネスのノイミラ姫は戦いの中で生きて来た。

侍女と一緒に出ていた武者修行でも、戦いの連続で鍛えて来た自負はある。

異世界での話しに俄然興味が湧いてきたノイミラ姫。


「いいですねー、タリエル姫は、私も異世界ってのを経験したいものです」


珍しく話し合う二人は、お互い共通した感情を持っている事に気が付いた。

ノイミラ姫はノルナ姫にコンプレックスを抱いている。

タリエル姫もルリア姫にコンプレックスがある。

ノイミラ姫もタリエル姫も、共に姉にコンプレックスを持つ妹姫だった。


更にタリエル姫は、押しの強いノルナ姫と異母姉ルリア姫を相手に、

疲れる毎日だった事も知れた。


「そっかー、タリエル姫も大変ですねー、あのノルナ姉様も加わったんじゃ」


タリエル姫は時々コロポウネに、相談や悩みを聞いてもらっているらしい。


「二人共さー、ちょっと旅にでも出て、気分を変えてみるのはどうかなー」


コロポウネの提案で似た悩みを持つ二人で旅に出てみるのも良さそうに思えるのだった。

仙人修行は残すは後一段階、急ぐ物じゃないから後回しでも良いかもしれない。

ルリア姫にも相談してみると、あっさり賛同してくれた。


「タリエルにとって良さそうだと思えるなら、経験してみるのも良いよ」


但し、ノイミラ姫も王族の内、二人だけの旅にはならない。

それぞれの護衛の侍女と、お目付け役のドラゴン人ビエルとコロポウネが着いて来る。


タリエル姫は以前イベントダンジョンで手に入れた冒険者のに身を包む。

腰にはコロポウネがが寛ぐための箱を装備し、鋼の剣を帯剣する。

肩から掛けた鞄には、ナイフと少量の食料と水と当面の資金を用意した。


「ノイミラ姫様の装備はそれだけなの?」


ノルナ姫のようなソルジャーカットの頭髪と違い、ボーイッシュなショートヘアのノイミラ姫。

ショルダーガードの付いた皮製のスク水のような戦闘服の両腰に帯剣をしているだけだった。


「ああ、荷物は侍女のラザリが持ちますから」


「武者修行の旅じゃないから、せめて服装を私と同じにした方が良いと思いますよ」


「あ? そうなの? じゃあ、今から揃えないと」


城の侍女に頼んでノイミラ姫様の服と鞄が用意された。

保護者のチズシア・ラザリとビエルがいるから、余程の危険とは無縁だろう布陣だ。

ビエルに至っては、何時でもニホバルと連絡が取れるように通信用のタリズマンをこっそり所持している。

五人+1の旅に小型の馬車も用意されたのだった。


「長旅の予定にしちゃ、荷物が少な過ぎませんか?」


訝しむノイミラ姫。

実は寝泊り出来る異空間程度なら、タリエル姫にも創れるようになっていた。

大きな荷物になる食料や寝具等は、その空間に仕舞ってある。


「それは大丈夫だから」


「そうですか?」


今回の旅は、人族領まで行ってみる予定を組んだ。

そして一行は出発した。


挿絵(By みてみん)

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