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170「ノーチャの正体」

城内に設けられた勉強室でニホバル王子達は瞑想行を行っている最中だ。

ノルナ姫と賢者キスナエレアは、指導教官として同室をしていた。

ニホバル王子達の瞑想行をサポートを任されている。

瞑想行が終れば、いつものように雑談タイムに突入する。


「キスナエレア師匠、ノーチャ大師匠って……」


「ノルナ姫様、気になりますか?」


実はキスナエレアとて、気にならない訳じゃなかった。

黒子が被るものを付けて、素顔を見た者は誰もいない。

その理由も知らなければ、どういう方なのかも謎に満ちている。

判っているのは『神仙』という事だけなのだ。


直接聞いて良いのかすら判らない。

聞いて欲しくないから、顔を隠しているのかも知れないし。

そんな思いでキスナエレアは、あちらの世界にいたにも関わらず、

修行中ずっと聞けなかったのだった。


これは誰に相談したら良いのかも悩ましい所。

ノルナ姫が憧れているチャンディー・ヴィカラーラ様だって、

イザという場面でしか正体を表さないのだから。

何となく聞いちゃいけない雰囲気が漂っている。


「タマキ様なら、こっそり教えてくれるかな」


ニホバル王子は何となくだけど、タマキ様なら教えてくれるかもという気がしていた。


「じゃあ、聞いてみてくれないかな?」


ノルナ姫も興味津々だったりする。

三種の神器の一つ、元地球の女神タマキ様に通じる

青緑色の勾玉を取り出し、交信を試みた。


暫くして部屋の中に強い光が現れた。

光は輪に広がり、ポータルが開く。

ポータルから現れたのは、黒子の布で顔を隠しているノーチャ師匠だった。

なぜ、いきなりノーチャ師匠に伝わったのか謎だ。


「やあ、皆、捗っているかい?」


「「「「「「ノーチャ大師匠!」」」」」」


「で、私を呼んだのは何かな?」


恐る恐るノーチャの正体を聞いてみる事にした。

多分、又と無いチャンスかも知れないからだ。


「私の正体ねー、真面目に修行している君達なら、こっそり明かしても良いかな」


ノーチャは顔を隠す布を頭の上に押し上げる。

素顔だが、隈取をしているかのようなイメージの、目つきのキツイ男子の顔だった。

仙人になる前は、蓮の花の妖精だったと言う、名前を哪吒太子。

哪吒の中国読みがナージャとかノーチャと言うらしい。


つまり、皆最初から大師匠の正式な名前を呼んでいた事になる。

名前を知りながら、正体が解らなかったのは、異世界の者だからだろう。


大昔、東海竜王の城を一柱で壊滅させたと言う。

故に竜族から気付かれトラブルを起こされたくなかったから、顔を隠すようにしているのだと説明がされた。

哪吒太子も、押しも押されぬ戦神と言える。


「へえー、大師匠も戦神だったんですかー」


キラキラした目で尊敬するノルナ姫。


「ノルナ君、君は私の強さを知りたそうだね」


「はい、大師匠、ぜひとも……」




力試しは練兵場で行う事になった。

仙人同士の戦いは、広い筈の練兵場でも狭い位だろうと言われた。


哪吒太子は、混天綾、乾坤圏、風火二輪、火尖鎗で武装した。

対してノルナは、肩と腰にガードの付いた戦闘服と、薙刀で武装した。


「じゃあ、いくよ」


「はい、大師匠!」


哪吒太子は足元の風火二輪を始動させる。

風火二輪は、火と風を放ちながら空中を縦横無尽に駆け巡った。


「光の移動」


ノルナは各精霊達から教わった戦闘法を駆使して対峙する。

哪吒太子の動きに、光の移動で動きに追い付きつつ薙刀を振るう。

ノルナの薙刀に、混天綾を蒔き付け、乾坤圏で動きを奪う??太子。


薙刀を奪われまいと踏ん張るが、グワワワと空間が歪んだ。

混天綾の超高周波振動が空間をグニャリと歪めるから、目標を決め難い。

薙刀の石突で打とうとしても、刃部分に絡まる乾坤圏で思うように行かない。

完璧に薙刀は封じられている。


ナックルダスターで打ち込みに掛かるが、

混天綾で闘牛のように躱され、湾曲空間で妨害される。

哪吒太子は火尖鎗で攻撃する、ノルナ姫は体を炎属性に変えて炎攻撃を凌いだ。


「くっ、さすが大師匠、手強い……」


「手合わせは、これで十分かな? ノルナ君」


余裕の無い表情のノルナ姫に対し、涼しい顔の大師匠。


「あ、あざーした」


修行を積んだノルナ姫でも、大師匠の実力はまだまだ底が知れない。


「それにしても大師匠、私は姫なんですけど……」


「私は熱心な生徒に対しては、誰でも君で呼ぶよ」


「あ、そうだったんですか、てっきり……」


「そういう心配はしなくて宜しい」


実力に圧倒された一同は、ノーチャの秘密も守る事にしたのだった。

ノルナ姫にとっては、チャンディー様と同じくらい

尊敬と憧れを持てる師匠だと実感した。

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