表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然なる人へ  作者: hsgwwr
2/5

睡眠薬と私と

私の孤独を、誰か受け止めてみてほしい。

自室にいるのに、疎外感に苛まれ、この世に私一人しかいないかのような感覚。

こんな生活は味わうべきではない。

眠れないだけでしょ、というが、眠れないし、希死念慮には襲われる。とてもではないが、常人であるならばこんな孤独は耐えることができないだろう。


孤独を誤魔化すように、大声で歌ってみたり(隣の部屋に人はいないので)、本を読んだり、映画を観たり。

これも体力がある時にしかできない。


まるで孤独なミュージカルかのようにヘッドホンをして、大声で歌う。

鉄骨のアパートでよかった。

この下手くそな歌は、誰にも聞かせることができない。


カラオケで、私が歌ったのをイジられてから、カラオケが怖くて行けなくなった。

自分はヘタなんだ、と認識してしまって以降、マイクは持てなくなった。

歌うと、嘲笑が起きる。なかなか辛い。


思えば、そんなことばかりだった。

何か一つできるようになると、また何か一つどデカい壁にぶつかり、挫けてしまう。

部活をしていた、1秒間を刻む世界にいた。

自分よりも速い人をみて、選手生命を終わらせた。

どうしても小柄な体では限界がある競技だった。

小さい頃サッカーをやっていた際はリフティングが10回できたと思えば、友人は30回できてきた。

大学も中堅校に入学したが、友人たちは有名名門ばかりに受かっていった。


コンプレックスの塊のような生き物に、ならざるを得なかった。

避けようがなかった。


そうして、どんどんと孤独に苛まれていった。周囲と馴染めない。大学での学友は二人しかできなかった。それでも贅沢なほど優しい友人たちだった。


それでも、孤独はかき消せなかった。

そこから、夜は眠れなくなった。

孤独と、絶望と、希死念慮に酷く襲われた。

暗い部屋の中で、陰鬱と過ごすことしかできなかった。

当然なのだが20歳まで酒を口にしなかった。

最愛の祖父が「もう飲んでも大丈夫だよ」とビールを差し出してくれたことがあった。

私はそんじょそこらの大学生と違うのだ。

簡単に酒は口にしない。そう誓っていた。

そうすると、祖父が亡くなった。

彼と酒を酌み交わしていれば、と、何度も自己嫌悪に陥った。

きっと、笑い上戸の祖父だったのだから、大きな声をあげて笑ってくれていただろう。


自分からお酒を飲むことはほとんどないが、飲みの席では誰よりも飲む。

周囲に人がいる充足感から、ただひたすらに浴びるように酒を飲む。

心配されるほどに。


ある意味では自傷行為なのかもしれない。

自傷行為は経験がある。

今でも、ハッキリわかるくらい左の手首には引っ掻いた痕がある。

また、タバコをひたすらに吸う。

これも自傷行為と言っていいだろう。


また、同じ病に苛まれる上長がいる。

その上長は、すっかり精神を病み、目からは光が消え、以前のように笑わなくなった、

彼女は、とても絵を上手に描くことができる。

それを活かして、自身の左足首からふくらはぎにかけて、花を彫った。

それはそれは、とても歪な形で、セルフでやったとは思えないほどの完成度で、美しく、禍々しく脚に咲いていた。


病んだ人の芸術というのはとても美しいものがある。

それは、何においてもそうだ。

絵画にせよ、音楽にせよ、ダンスにせよ、だ。

心を病んだ人の芸術は、どこか美しい。


ただ、私は違う。

自分の孤独を体現することができない。

つらつらと、愚痴愚痴と呟くことしかできない。

ただこれも最近ではしないようにしている。

あまりに暗すぎると、友人たちに嫌われてしまう。

だから、ひょうきん者の自分でいる。

そんな病気には見えないですね、と言われるほどにひょうきんに演じる。


どの自分が素の自分なのか、わからなくなる。


徒然なるままに、書いたが、やはりまとめることができない。

私の孤独を誰か受け止めてみてほしい。

この暗い部屋の中で、悶々とする自分の、この孤独を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ