↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/54

第30話:Blossom

Chapter2から本当のフロンテラの戦いが始まります。

此処から物語が大きく進行しますので、ご注意を。


 


「時は来た。」



 VSC本社、誰も居ない会議室。


 暗い影から人が現れる。



 陸澤黒松(りくさわくろまつ)。


 それが彼の名前だ。



「種は芽吹き、発芽する。」



 コーヒーを片手に窓の外を眺める。

 外は燃え上がっていた。



 それは比喩では無く、

 数多の【三の厄災(トリニスタ)】が暴れて街を焼き尽くしている。


「フロンテラは事実上の壊滅、これからは……。」




「Blossomの時代だ。」




 ————————————————————



 黒鉄林檎(くろがねりんご)と一ノ瀬丞(いちのせたすく)は一息ついていた。


「マジで……あんた……覚えてなさい丞……。」


 呼吸と口調を荒げる黒鉄と、

 反対にヘラヘラとしている一ノ瀬。


「良いじゃんべつに〜。

 林檎が何とかするって信じた結果の行動だよ〜?」


 後ろ手を組みながら、

 さも当たり前の顔をした一ノ瀬。


「信頼してるんだか、

 ふざけてるんだか分かんないわアンタマジで……。」


 イライラしながらも、すべてを否定せず。

 黒鉄はタバコに火をつける。



「林檎〜、僕の戦闘時間は〜?」



 一ノ瀬はしまっていたタブレットを取り出し、

 使用したガジェットのデータの記載を始めた。


 黒鉄は時計も見ずにゆっくりと煙を吐いて呟く。


「……37分とちょっとくらいかしらね。」


 その時、

 一ノ瀬のタブレットを動かす手が止まった。


「待って待って。

 そ(・)れ(・)っ(・)て(・)僕(・)が(・)飛(・)び(・)出(・)し(・)た(・)時(・)の(・)時(・)間(・)?(・)

 そ(・)れ(・)と(・)も(・)戦(・)闘(・)開(・)始(・)し(・)て(・)か(・)ら(・)?(・)」


「戦闘開始してからよ。それがどうかしたの?」


 一ノ瀬は少し悩んだ顔をして、

 そのままタブレットをいじり始める。


「いや、気付いてないならいいんだ。」


 そう言うと一ノ瀬は、

 ガジェットの戦闘データのまとめを再開する。


「……確かに、少し遅いわね。」


 黒鉄は朧げに一ノ瀬の言いたい事を理解し、呟く。


「んー、大丈夫だと思うけど、様子見に行く?」


 一ノ瀬はそういうと、

 色々散らかしてた物を仕舞って立ち上がる。


「……そうね、そうしま……。」


 地鳴りと轟音。

 一瞬バランスを崩してしまうような。


「この揺れは……!?」


 少し足を取られた黒鉄は状況把握に努める。

 その時、少し遅れて無線が聞こえてくる。


『丸ノ内だよ。林檎、丞、聞こえる?』

 

 コントロールルームの住人、

 丸ノ内神楽(まるのうちかぐら)の声が無線から響く。


 すぐに反応する黒鉄。

 一ノ瀬に視線を移すと頷いているのが確認出来た。


 意識を無線に戻す。


「ええ、聞こえるわ。

 今、状況説明ってどうなってるの?」


 黒鉄がそう聞くと、

 いつになく真面目なトーンで丸ノ内は話し始める。


『全国各所で【三の厄災】が出現、

 立体記号型ヴィスターから未知のモンスターまで。』


 黒鉄は口から煙草を落とし、血の気が引いていく。

 一ノ瀬は話を聞いて、深く考え込む。


「これ……やられたかもね。」


 研究バカな一ノ瀬は常識は無いが頭の回転は早い。

 彼の事だ、2.3手先まで想像したのだろう。


「神楽ちゃん!雫ちゃん達には伝えた!?」


 数秒の無音の後、

 聞こえてきた無線に黒鉄は項垂れる事となる。


『……。空原操(くばらみさお)、冷泉雫(れいせんしずく)、天国御来(あまくにみらい)。

 上記三名の生体反応は現在[消失(ロスト)]無線応答も無し。』

「っ……!」


『そして夕凪茜(ゆうなぎあかね)、夕凪達也(ゆうなぎたつや)、藤林幻(ふじばやしげん)。

 上記三名は現在[行(・)方(・)不(・)明(・)]。スマホGPS反応無し。』


「これは……まずいかな。」


 一ノ瀬の表情は強い影が差していた。


『フロンテラは現在を以て、

 全ての現場指揮権を丸ノ内神楽が継承。』

『同時に、フロンテラ職員全員へ。

 強制帰投を命令します。

 ブリーフィングでの勝手な行動は許可しません。』


「神楽ちゃん!まだあの子達が!」

『黒(・)鉄(・)林(・)檎(・)!』


 今まで一度も聞いたことのない丸ノ内神楽の大声。

 そんな悲痛な声は黒鉄に取って冷水となった。


『ボクだって辛いけど、

 残存メンバーをミイラ取りにはさせない。

 情報共有が必要なの、戻ってきて。』


 彼女の声は無線越しでも涙声なのが伝わる。



「丞、帰りましょう。」

「……そうだね。」



 車へ向かって二人は走り出した。



『ありがとう、二人共。

 ……一手は指したから、少しだけ博打だけど。』



 丸ノ内神楽は願った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。