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転生子と間違えられ、捨てられた赤さん、知識スキル『ウィッキーペディア』で成り上がる  作者: アキライズン
第一章 レッド・サンライズ

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四十八話 レッド、制御する

 

 二回戦を勝ち抜いたので、後三回勝てば優勝だ。

 ただ勝つだけではない。

 あくまで、実力を隠したまま勝つことが大切だ。

 手の内は明かさない。

 警戒されてしまっては、ガリア兵士として潜伏する意味がなくなってしまう。


 闘技場では、次の試合が行われていた。

 勝ったほうが僕の対戦相手となる。

 戦っている二人は、見たところ、どちらも中流の魔法使いといった感じだ。

 ベンやシャラほどレベルは高くないが、まずまずの魔法を使っている。


 ほぼ互角の戦いを繰り広げる二人を見て、よい考えが浮かぶ。

 僕は、こっそりと無詠唱で魔法を使った。



「いい試合ね」


 ハクがまた僕の隣に座りに来た。

 僕の方を見ずに、試合を見ながら話しかけてくる。


「うん、そうだね」


 約束通り、声を変えずに返事をする。


「どちらかが負けそうになると、ギリギリで攻撃が当たらない」

「すごいね、まさに名勝負だね」


 そうなるように僕が試合をコントロールしているからだ。

 試合を決める一撃を、風魔法を使って逸らしている。


「これ、なんかの遊び?」


 やっぱりハクには、すべてお見通しのようだ。

 もしかしたらポールに毒を盛ったことも気がついているのかもしれない。


「な、なんのことかな?」


 一応、とぼけてみたが、ハクはジト目で僕を見る。

 本体である僕の方を、だ。

 観念して、白状するしかない。


「目立ちたくないから試合は少ないほうがいいんだ。だから、二人には引き分けになってもらう」

「ふうん、なんか企んでるみたいね。まあ、ワタシは約束通り、試合ごとに援護してくれるなら、問題なしよ」


 どこまで、ハクを信用していいものか。

 味方にすれば、僕とハクの相性は抜群だ。

 風魔法で加速させたハクなら、かなりの魔法使いにも勝つことができるだろう。

 しかし、敵に回れば、魔法や人の気配を察知する能力に()けたハクは、僕の天敵のような存在になる。


「僕とハクが決勝に残った時も、援護はいるの?」

「それはさすがにいいよ。でも、その時は全力で戦ってほしい」


 そう言ったハクが嘘をついているようには見えなかった。

 きっと、ハクは僕のことを誰かに話したりはしない。

 そう思ってしまった。


「わかった。その時は全力で戦うよ」

「うん、楽しみにしてる」


 それ以上、僕らは何も話さず、二人で試合を観戦する。



 試合は完全に泥仕合になっていた。

 いつまでたっても決着のつかない二人は、どちらも魔力を使い果たし、素手で殴り合っている。

 二人とも、いままで拳で戦ったことなどないのだろう。

 ぺちん、ぺちん、という迫力のない打撃音が繰り返される。

 そして、数分後、決定打がないまま、二人とも息が切れて、闘技場に座り込む。


「両者引き分け。二人とも敗退だっ」


 試験官がようやく試合を止め、次の試合も僕の不戦勝が確定した。




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