第14話:事後報告書と異次元の棚
オークの戦士たちが突撃し、そこに展開されたのは聖書的なスケールと馬鹿馬鹿しさが同居する大混乱だった。「愛と平和」の儀式用斧を構えたオークたちは、煙のように霧散する非実体的な存在を必死に斬りつけようとしていた。『神学的衝突における倫理規範』の巨大な本を抱えていた戦士は、絶望のあまりそれをディメンターの一匹に向かって投げつけた。本はボロ切れの羽織を無傷で通り抜けたが、蓄積された冷気が瞬時にページを凍りつかせた。マニュアルは地面に落ち、重い「クラック!」という音とともに、何世紀分ものオークの判例法を載せた千切れの氷となって弾け散った。
一方、自らの庭で挑まれたキキは、自分が神であることを一瞬思い出した。
「いい加減にしなさい!」
彼が叫ぶと、その声で赤い砂漠が振動した。
「私は生命なのよ!」
生命の神は両手を天にかざし、緑と金のエネルギーを炸裂させて生物学的な大反撃を試みた。凍てついた地面から巨大な根、剣のような棘を持つ蔓、そして酸を撒き散らす肉食ランが萌芽した。反乱者たちのネクロ・エネルギーを押し潰すための、野性的な生命力の圧倒的な誇示だった。
「生命は常に道を見つ——!」
キキの言葉は途中で凍りついた。文字通りに。五十匹のディメンターの群れが巨大な根を取り囲んだのだ。彼らの放つ絶対零度が葉緑素マジックの熱を奪い去り、蔓は剛直化し、霜に覆われ、自らの重みに耐えかねてガラスの鍾乳石のように砕け散った。肉食ランは顎を開く間もなく枯れ果てた。
タルゴムは混沌の中を進んでいた。胸のメダルは宇宙の避雷針として機能し、キキの魔法の残滓を吸収して純粋な推進力へと変換していた。三メートルのオークの戦士が槍を構えて彼を止めようとする。
「どけ」
触れもせず、メダルからの精神的衝撃波がオークの胸を打った。骨を折ることはなかったが、川で受けた百年の鞭打ちの情緒的重圧が瞬時に伝分された。戦士は槍を落とし、地面で丸くなり、「構造的共感の欠如を申し訳なく思う」とうわ言を言いながら絶望的に泣き始めた。ディメンターたちの心理戦は、鋼の刃よりも致死的だった。
リネンと眼鏡の帝国が崩壊していくのを見たガルーックは、タバードの中から自らの種族の最も神聖な神器を取り出した——『原初の協定の万年筆』。完璧な詩を詠むことで局所的な現実を書き換えることを可能にする、キキの祝福を受けた品だ。
「砂漠は……暖かい……そしてオークは……古くさい人間を打ち負かす!」
ガルーックは手を震わせながら、金のインクで空中に詩を書こうとした。
「相変わらずメタファーがクソだな、ガルーック」
タルゴムが影のように彼の前に現れた。
首の解き放たれたディメンターが空からガルーックに向かって舞い降りた。その幽霊のような手が指導者の亀甲の眼鏡を包み込む。瞬時の冷気がレンズのガラスを破裂させた。原初の協定の万年筆が手の中で凍りつき、役に立たないツララへと変わると、ガルーックは悲鳴を上げた。緑の巨人は膝をついてガタガタと震え、白リネンのタバードは今やオアシスを覆うのと同じ灰で汚れていた。
消耗し、緑のオーラが欠陥電球のように点滅しているキキが周囲を見回した。リネンの小屋は黒い雪に覆われていた。オークたちは神学的な傲慢さを剥ぎ取られ、外側の砂丘に向かって逃げ惑っていた。詩的円形劇場は今や氷河と化していた。
「タルゴム……私の最高傑作を破壊してくれたわね。ゼネクスに殺されるわ。ドロマには『文化化生態系完全損失届』を出させられる……」
地表スレスレを浮遊しながら、キキは目を丸くしてタルゴムを見つめた。
「必要な調整だったと言っておけ。福利厚生の監査だ」
タルゴムは唇の最後の血を拭った。ディメンターたちの力がゆっくりと彼らに戻り、彼を極度の疲労に陥らせつつも自由にしていた。
首の解き放たれたディメンターがタルゴムの前に立った。言葉はなかった。その存在は軽く頭を下げた。オークも神も、この種族に対して一度も払ったことのない敬意の身振りだった。そして、軍勢の残りと共にオアシスの廃墟へと滑り込み、枯れたヤシの木、黒い氷の川、そして静寂を自らのものとした。自らの静寂だ。裁判によって強制されたものではない。
突然、血のオアシスの上空が、聞き覚えのある幾何学的な音を立ててきしみ始めた。
四角く完璧なポータルが空中に開いた。そこから光は漏れず、押し潰すような官僚主義的な圧迫感だけが漂い出た。鋭利な角を持つゼネクスの顔が覗き、脇には腕の下に丸太ほどの大きさの羊皮紙の束を抱えたドロマが控えていた。
「第4区画におけるこの熱変動は一体何事か!?」
秩序の神が咆哮し、その声で地面の霜が振動した。
「過去一時間でインテリオークの人口予測が九十二パーセント下落しているぞ!」
ドロマは惨状を見渡し、キキを見、タルゴムを見、最後にインクのスタンプを取り出した。
「キキ……ヴォルトラムのソーセージ屋台が吹雪の姿をしてここに引っ越してきたわけではないと言ってくれ」
怯えたキキは即座にタルゴムを指さした。
「彼よ! 私たちの仲介者が不良品なの! 労働共感の作動を起こして、私の存在論的トンテキを凍らせたのよ!」
ゼネクスとドロマは神聖なる視線を漁師に注いだ。アドレナリンが引いて折れた肋骨の痛みが戻ってきたタルゴムは、凍った岩の上に重々しく腰を下ろした。メダルを見つめ、次いで天の役員会を見上げた。
「こんばんは。第一日目の業務報告書を提出しに参りました」
純粋な疲労から溜息をつくタルゴム。
ゼネクスとドロマは完全にフリーズし、「本気で言っているのか? 今このタイミングで?」と明らかに語る視線を交わした。
ドロマは感情のない声で束から別の用紙を取り出した。
「プロトコル789-Aは、インシデント報告書は社会の崩壊前に提出されなければならないと規定している」
ゼネクスは宇宙全体が痛むかのように額に手を当てた。凍りついたオアシスから吹き出し続ける極地の風が、彼の完璧にアイロンの当てられたタバードを揺らしていた。
「構わん」
ドロマは静かな足取りで漁師に近づき、赤いマス目と数値で埋め尽くされた巨大な羊皮紙を広げた。自動で記述する魔法の羽ペンを取り出す。
「まず客観的なデータが必要だ。離脱したオークの数は? 異常気象の影響を受けている領域の割合は? そして……」
かつて詩的円形劇場だったものの凍りついた残骸を見つめながら、彼女はドラマチックな間を置いた。
「……神聖なる神器を破壊したのか、それとも奴らの士気だけを砕いたのか?」
「全部壊したわよ! 私が存在論的な喜びを感じる能力も含めてね!」
背後からキキが叫ぶ。
ゼネクスが前に一歩踏み出し、その幾何学的な関節の音がチタン製の金庫が閉まるような音を響かせた。彼の二つの白い数学的な光の隙間のような目が、分析的麻痺と組織的憤りの混ざり合った視線で凍りついたオアシスをスキャンした。
「報告書だと! そうだ! 第4区画の損害および不利益に関する報告書を要求する! そして第112条に基づき、非分解性植物紙で最低四百ページ、三部の訂正控えと色彩排除マップを添えなければならん!」
ゼネクスの咆哮でガルーックのタバードの霜がひび割れた。
「環境影響評価書を提出することなく、怨霊ユニオニズムによって紛争を解決するような仲介者を置くわけにはいかんのだ!」
タルゴムは凍った岩から動きもしなかった。ただ掠れた溜息をつき、それが小さな蒸気の煙となって漏れただけだった。
「紙もなければ、健全な肋骨もありません。報告書が欲しいなら、そこの生物多様性デザイナーに俺の体を治させてください。息をするのも苦しいんでね」
ゼネクスは首の頂点が千切れんばかりの鋭角さで、頭をキキへと向けた。
「キキ! 神聖なる仲介者がオーク流格闘術への過剰な情熱のせいで、生物学的効率を九十パーセント低下させているぞ! 直ちにその体を修復しろ! 再構築評議会からの命令だ!」
「でも私の詩的庭園を破壊したのよ!? トンテキの韻律を鑑賞することを学ぶまで、二世紀ほど片足にしておくべきだわ!」
腕を組み、地表スレスレを漂いながら不満そうに口を尖らせるキキ。
「契約は基本技術メンテナンス権付きで署名された! 仲介者が死亡した場合、再雇用手続きの書類仕事はお前の部署に降ってくるのだぞ!」
その言葉にゼネクスの目が光り輝いた。
書類に触れるという考えそのものに恐怖し、キキの顔色が蒼白になった。憤慨の鼻鳴らしとともにタルゴムに近づくと、人差し指で彼の額を適当かつ迅速に小突いた。
緑と金のエネルギーの炸裂が漁師の体を駆け抜ける。一瞬で接合される肋骨の音が、乾燥した小枝の束が一斉に折れるような音を立てた。背筋を伸ばし、何時間ぶりかに深呼吸をするタルゴム。皮膚には依然として煤と疲労が張り付いたままであったが。
「プライドはまだ痛みますが……どうも」
胸に手を当てて言うタルゴム。
残されたオークの魂に郵便局員のような怠惰さでスタンプを押し続けていたドロマが、バタンと本を閉じた。彼女はタルゴムを見、オアシスの上に広がる虚無を見、最後にゼネクスを見た。
「ゼネクス、この男は押し潰されて死なないために、ディメンターたちの一千年の抑圧のネクロ・エネルギーを吸収した。肉体は修復されたが、魂の構造が極めて不安定な周波数で振動している。あと五分も物質界に置いておけば魂が爆縮し、私は宇宙のスプーンでその破片を拾い集める羽目になる」
「だからこそ、お前が一時的に彼の魂を回収するのだ!」
秩序の神はポータルに向かって腕を伸ばし、宣告した。
「肉体は天界倉庫の第3棚にて一時休職状態とする。だがドロマ、お前は無許可の反乱に対する行政処分手続が完了するまで、虚無の中で彼の魂を管理しろ!」
ドロマは長くて氷のように冷たい溜息をついた。円形劇場に残されていた最後の二つの松明が消え去る。
「素晴らしいわ。またサービス残業ね。来なさい、漁師」
魂を管理するとはどういうことかをタルゴムが尋ねる前に、ドロマは蒼白な手を伸ばし、メダルのすぐ上の彼の胸に触れた。痛みはなかった。ただ、鉛でできたコートを突然脱ぎ捨てられたかのような、絶対的な軽やかさだけがあった。
タルゴムは自らの肉体——未だ煤と赤砂にまみれた——が、目を剥き、口を少し開けたまま、燻製ニシンのように硬直して岩の上に座り続けているのを科学的麻痺とともに見つめた。
一方、彼自身は今や、ディメンターたちの冷気によってほのかに青みがかった銀色の幽霊のような姿で浮遊していた。ドロマは重いファイルバインダーを運ぶのとまったく同じ雑さで、彼の精神のタバードの襟ぐりを掴んだ。
「何も触らないで、深く考えすぎないで、そして何より虚無にアイデンティティを吸収させないこと。無の中に散らばった仲介者を再構築するのは死ぬほど面倒なの」
「これより虚無におけるセッションを開会する! 業務対応プロトコルの見直しを行うぞ!」
幾何学的なポータルがドロマ、タルゴムの浮遊する魂、そしてゼネクスを呑み込み、血のオアシスを完全に視界から消し去る音とともに閉じた。
凍りついた砂漠の中央に一人取り残されたキキは、枯れたヤシの木と黒い氷の川を見つめていた。
「まあ……『ブタ』の韻には叙情的な力があったと、私は今でも思っているけれどね」
凍ったデーツを悲しそうにかみ砕きながら、キキは呟いた。
お読みいただきありがとうございます!
オアシスを壊滅させたタルゴムですが、待っていたのは神々による怒涛の「業務監査」と「行政処分」!?
肉体は天界倉庫の第3棚へ保管、魂はドロマと共に「虚無」へ連行という怒涛の展開へ……!
【更新情報】
スタートダッシュとして【1日4〜5話ペースで爆速更新中】です!
「との共闘からの神々の事後処理のスピード感が最高」「ドロマの残業嫌いな社畜感が好き」「肉体が燻製ニシン扱いされてて笑った」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページ下の【ブックマーク登録】や【ポイント評価(★★★★★)】で作品を応援していただけると嬉しいです!
第15話もすぐに更新されますので、どうぞお楽しみに!




