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第12話:静寂の破滅

夜の静寂が完全に降り降り立つと、赤砂のオアシスはまるで墓場のような冷たさに包まれた。円形劇場にはすでに誰もいなかった。インテリ気取りのオークたちはデーツを食しながらガルーックの詩の韻律について議論するため、早々に自分たちのリネンでできた小屋へと引き上げていた。残されていたのは、「愛と平和」の斧に身を預け、退屈のあまり船を漕いでいる黒鎧の巨大な護衛が二人だけだった。


沈黙の石に縛りつけられたタルゴムは、折れた肋骨の一本一本が胸の中で焼きごてのように痛むのを感じていた。灰で染まった口輪が顎を強く締め付け、彼の呼吸は悲痛で喘息のような息もれへと変えられている。肉体的な苦痛も耐えがたかったが、本当の地獄は頭の中にあった。胸元の神聖なメダルは消えていなかったのだ。相変わらず鳴り響いていたが、もはや凡夫たちのスパム思念ではなく、もっと濃密な何か——凍てつくノイズの合唱——を伝送していた。


そして、背景に流れていたアコースティックギターのブルースが、完全に途絶えた。


タルゴムの頬に流れる血の涙を凍らせるほどの冷たい風が、砂漠を吹き抜けた。二人のオークの護衛は、緑色の腕を擦り合わせ、ガタガタと震えながら跳ね起きた。


「生……創造主にかけて……何なんだこの冷気は? キキ様は今四半期に凍結のスケジュールなんて組んでいなかったぞ」

護衛の一人が歯をガチガチと鳴らしながら呟いた。


川の跡から、濡れた紙の上に落ちた墨の染みのように黒いボロ切れの羽織が滑り出し、ヤシの木の間をぬって前進し始めた。昼間の従順で受け身な漂い方ではない。彼女らは地表スレスレを高速で移動し、重い磁気鉄の鎖をガシャガシャと響かせていた。その金属音はもはや哀歌ではなく……行進曲のように響いていた。


「おい! お前たち! リハビリ区域に戻れ! 情緒的戒厳令は二時間前に始まっているんだぞ!」

顔色を蒼白にした二人目の護衛が斧を構えて叫んだ。


ディメンターたちは答えなかった。口がないのだから当然だ。だが、言葉など必要なかった。沈黙の石の周りに数十、数千という彼らが集まり、オークの松明の光を完全に呑み込む絶対的な闇の輪を形成した。気温は限界まで下がり、一人目の護衛の鎧が即座に凍りついてひび割れた。


追い詰められた捕食者が抱く本物の恐怖が、護衛たちの目に浮かんだ。


「助けを……助けを呼べ!『倫理規範マニュアル』を持ってこい!」


だが一歩を踏み出す前に、三匹のディメンターが彼の前に立ちふさがった。彼らが吐き出した冷気はあまりにも猛烈で、オークは手から斧を落とし、青ざめていく緑の肌を抱きしめるようにしてその場に膝をついた。二人目の護衛は裁判の聖なる沈黙を破り、ガルーックの名を叫びながら小屋へと逃げ出した。


薄闇の中で目を大きく開けたタルゴムの視界に、最も深い傷を負ったディメンター——首に錆びた鎖を喰い込ませた個体——のシルエットが石の上に滑り込み、自分の真上に重なるのが見えた。


その存在が鎖に繋がれた手首を掲げた。タルゴムは身体をこわばらせ、終わりの一撃と死の冷気を覚悟した。だがディメンターは彼を攻撃しなかった。その幽霊のような手を、漁師の胸で脈動する神聖なメダルの上に直接重ね合わせたのだ。


精神的な衝撃は攻撃ではなく、完全な共生関係の構築だった。メダルがかつてないほどの輝きで脈動する。


(……俺たちは一千年待った。俺たちの痛みが『目的の欠如』だと言われ続けて一千年。俺たちの家が彼らの『約束の地』へと書き換えられるのを見続けて一千年。神々は俺たちに声がないから耳を傾けない。オークたちは俺たちの傷が彼らの美学を損なうから見ようともしない)


ディメンターがさらに身を乗り出した。タルゴムは初めて、その底なしの黒い穴を恐ろしいと感じなかった。そこには、自らの腐った小舟、自らの矮小さ、そしてより強大な存在の手宥め物にされることへの自らの辟易が映し出されていた。


(お前は俺たちを見た。マニュアルにはない名前を俺たちにくれた。お前はヒーローではない、漁師よ。お前は中間管理職インターミディエイターだ。奴らがお前の声を奪うのなら……俺たちの声を使え)


北極の氷のように冷たく、それでいて奇妙に心地よい圧倒的な力が、ディメンターの手からメダルへ、そしてメダルからタルゴムの血管へと直接流れ込んだ。折れた肋骨の痛みが消えたわけではない。だがその痛みは、宇宙的なアドレナリンの奔流によって塗りつぶされた。煤で汚れた銀のタバードが、蒼白で凍てつく青い炎となって輝き始める。


カチリと硬い音が響き、彼を石に縛りつけていた頑丈な革ベルトと帯が凍りつき、ガラスのように脆くなった。タルゴムが筋肉に力を込めるだけで、それらは粉々に砕け散った。


彼は沈黙の石の上に起き上がった。口輪は嵌められたままだ。彼の唇はガルーックの神学的大令によって封じられたままだ。しかし、タルゴムが右腕を掲げ、オークたちのリネンの宮殿を指さした瞬間、百匹のディメンターが一斉にその動きをなぞった。


それは神の魔法ではない。スピーカーを見つけた被支配民たちの、長年蓄積された意思そのものだった。


小屋の奥から、手に持った巨大な魔法のランタンの眼鏡を急いで直しながら、ガルーックを先頭にしたオークたちが姿を現した。その背後では、宇宙のどこかへ逃げ出したいような顔をしたキキが浮遊していた。


「この混乱はなんだ!? 沈黙の裁きには厳粛さが求められ——!」


ガルーックの言葉がピタリと止まった。指から魔法のランタンが滑り落ち、地面に激突して砕け散る。


円形劇場の中央に立つボロボロで負傷した漁師は、もはや犠牲者には見えなかった。彼は石の上に立ち、口を塞がれながらも、迫り来る嵐のエネルギーで震える闇の霊魂の軍勢に囲まれていた。ディメンターたちの鎖はもはや地面を引きずれてはいなかった。磁気鉄の槍のようにオークたちへ向かって、宙に浮いていた。


タルゴムは話すことができなかった。だが胸のメダルが眩い光を放ち、全種の声を居合わせたすべてのオークの脳内に直接投影した。それはささやき声などではない。精神を揺るがす雷鳴だった。


(沈黙の裁きは終わりだ、ガルーック。今度はお前たちが聴く番だ)

お読みいただきありがとうございます!


言葉を奪われたタルゴムが、ディメンターたちの「一千年の怨念」とシンクロ!

『沈黙の裁き』を力ずくで打ち破り、逆襲の狼煙を上げる……!


【更新情報】

スタートダッシュとして【1日4〜5話ペースで爆速更新中】です!


「絶望からのカタルシスがやばい!」「タルゴムがかっこよすぎる」「ディメンターたちの反撃にスカッとした」と思ってくださった方は、ぜひ作品ページ下の【ブックマーク登録】や【ポイント評価(★★★★★)】で作品を応援していただけると嬉しいです!


第13話もすぐに更新されますので、どうぞお楽しみに!

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