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機操戦伎グレニアヴァール  作者: そのえもん


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叩き折れ、鼻っ柱⑨

艦砲射撃に匹敵する巨大ロボの射撃に、飛竜騎士が血煙と消える。

飛び散る青い血肉を目の当たりにし、日菜は悲鳴をあげた。

飛び散る青い血肉を目の当たりにし、隼人は決意を固める。

相手は異世界の化物であると。

戦場は更に過熱していく。

叩き折れ、鼻っ柱⑨是非ご覧ください。


「諦めんなよ!立てるか?」

 「八幡颯天か、助かった」

 拡声器を通した日菜の声に、追い込まれていた二機の機操戦伎は俄かに活力を取り戻したようであった。

「すぐそこまで船ともう一機きてる!耐えろ、絶対に助けてやるからな!」

 「わかった!」

 俄かに活気を取り戻し奮闘する二機。カラ元気であっても、それがよすがとなる。それを背に、八幡颯天は跳び上がって飛竜騎士を迎え撃つ。鋭い剣閃は翼だろうが首だろうが叩き切る自信があったが、流石に相手は翼がある、そう簡単には届いてくれない。


「すばしっこい!」

「よく知ってらあ!焦んなよ日菜ッ!」


 無論、翼のない機操戦伎は跳びながら戦うしかない。跳躍が頂点に達すれば、あとは落ちるのみである。その頂点は一瞬、動きが止まるのは自然の摂理。操演しながらふわりとケツが浮くその瞬間を隼人は待っていた。その時既に隼人は刀を納め、構えたのは銃。


「あんまり銃は得意じゃねえんだけど、えり好みできねえや」

「へえ、隼人が好き嫌い直せるなんてな」

「お褒めにあずかり光栄だ」


 機操戦伎の体格はおよそ人間の十倍強。日本軍の主力小銃の九九式短小銃の口径は七.七ミリ。単純に十倍とはいかないが、野砲を突貫で改造したその威力は、国産戦車どころか駆逐艦の主砲すら上回る。


「ああ、できるだけ近くで撃ちたかったのか」

「そういうことだ、真上は狙いづれえ」


 日菜が納得したように呟くのが聞こえた。苦手を見透かされたような気がした隼人は、へらっとわらいながら、さも当然のように引き金を引く。次の瞬間轟くそれはもはや銃声ではない。巨大な砲声が空を揺るがすと、運悪く至近距離でそれを食らった一匹の飛竜騎士が、青い血煙となって飛び散った。


「うわっ!」


 飛び散る青い血肉を目の当たりにして、流石の日菜も可愛くない悲鳴をあげたようだ。しかし、隼人もそこに構ってはいられない。

 銃身後部のボルトを操作して廃莢。ボルトアクションの操作自体は日露戦争の演目に使われる三十年式歩兵銃で知っている。その本質的な操作こそ大差ないが、殺し合いの最中にやるのでは多少まごつく。次の弾丸を装填する頃には、八幡颯天の両足は既に設置していた。もう一発撃ちたかったところだが、仕方がない。


「クソッ、手こずったか」

「来るぞッ!二時方向!」


 そこを狙って飛竜騎士が襲いかかる。降り掛かる雷撃と閃光を、テトラポッドやら堤防やらを盾に、時には波打ち際に転がって回避。立ち止まらず、転がり続けるように駆け抜けると、その勢いのまま手近な建物を蹴り、再び空へ跳び上がった。

 戦車砲や機銃をあの光る結界のようなもので防いでいた飛竜騎士であるが、流石に至近距離から浴びせかけられる機操戦伎の砲弾は脅威であったらしい。きっと特別なものに見えただろう。実際は至近距離で大口径をぶち込むという、ごり押しそのものの突破法であるのだが、怪攻撃のある彼らが銃砲の口径や距離減衰の関連を見抜けるのは、もっと先のことだ。


ここまでお読みいただきありがとうございます、感謝感激でございます。

気に入っていただけたら、お気に入りやブックマークで応援してもらえると本当に励みになります。

あなたの一言が、次の物語を紡ぐ燃料になります。


日菜と隼人の嵐のような戦いはまだ続きます。

コメント、感想お待ちしております。。


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