香織のお礼 2
涼宮さんが案内した部屋に入ると、目の前にナース服と一枚の紙が目に入る。
『香織だけが読むように!』と書かれていたため、見ないようにしていると、「梨奈ぁぁぁぁ!!!!」と涼宮さんが大声をあげる。
「ど、どうした!?」
「い、いや!な、なんでもないよ!」
そう言って紙をぐしゃぐしゃに握り込む。
「ま、まぁ、何が書かれてたかは知らんが――ん?なんで布団が敷いてあるんだ?」
広い空間の真ん中にポツンと布団が一枚敷かれている。
その光景に違和感しか感じない。
「そっ、それは、えーっと――なんでだろ?」
「え。涼宮さんが準備したんじゃないのか?」
「わ、私は布団なんて準備してないよ!エッチなことでシロくんを癒す予定なんてないから!」
涼宮さんが顔を真っ赤にして全力で否定する。
「わ、わかってる。わかってるから一旦落ち着け。必要ないことまで言ってるから」
「っ!あ、いや!私がシロくんとエッチなことがしたくないってわけじゃなくて、段階を踏んだ方がいいかと思って――」
「頼むから落ち着いて!」
目を回している涼宮さんが正常になるまで、かなりの時間を要しました。
「ごめんね、シロくん」
「い、いや、落ち着いたならそれでいい」
涼宮さんが謝ってきたため、気にしないように伝える。
「それで、この服はなんだ?もしかして、これを着るのか?」
俺は机の上に置かれているナース服を指差す。
「それは私が用意したわけじゃ――いや、待って」
突然、涼宮さんが考え込む。
「ねぇ、シロくん。シロくんってナース服は好きかな?」
少し恥ずかしそうに上目遣いで聞いてくる。
(えーっと。ここは正直な気持ちに従って好きと答えればいいのか?いや、好きとか言ったら「うわぁ、変態だね」って罵られるはず。でも、これって涼宮さんが準備したものだろ?せっかく準備してもらったのに着ないように促すのも――)
などなど考えるも涼宮さんがナース服を準備した意図を理解できない。
(わからん。もう、罵られた時は真剣に謝ろう)
「そうだな。好きかな?」
「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあ、ちょっと待っててね。着替えてくるから」
そう言って涼宮さんがナース服を持ってに奥の部屋に行く。
「え、今着るの?」
まさか着てくれるとは思わず固まる。
しばらく涼宮さんを待っていると、奥の部屋から涼宮さんが出てくる。
「ど、どうかな?わ、私。変じゃない――かな?」
ナース服を着た涼宮さんが耳まで真っ赤にしてモジモジしながら聞いてくる。
「っ!」
似合いすぎている涼宮さんのナース服姿に、俺は見惚れてしまう。
しっかりと胸元までボタンを止めているため、逆に涼宮さんの胸の大きさが強調されている。
しかも、このナース服は丈が短いため、太もも全てを覆うことができず、ほとんどが生脚となっている。
「シ、シロくん。そ、そんなに見られるとその――恥ずかしいよ」
「ご、ごめん!」
俺は慌てて目を逸らし、落ち着きを取り戻すため深呼吸をする。
「ど、どうかな?私、似合ってる?」
「あ、あぁ。とても似合ってて、かわいいよ」
「かっ、可愛い。そ、そうなんだ、ありがと」
お互いに顔を真っ赤にし、しばらく目を合わせられない時間が続きました。
「じゃ、じぁあ、さっそくシロくんに癒しの時間を提供するよ」
「あ、あぁ。よろしく頼む」
少し間をとったおかげで回復し、本来の目的に移る。
「まずは私がシロくんの耳を掃除するよ!」
そう言って耳かきを持ってきた涼宮さんが近くにあるソファーに座り、自分の膝を“ポンポン”と叩く。
(え、あの太ももに飛び込めと?ナース服の丈が短すぎて露出している太ももに?)
程よい肉付きで、柔らかそうなのが見るだけでわかる。
「ちょ!ちょっと!太ももばっかり見ないで!わ、私だって恥ずかしいんだから!」
俺の視線が気になったのか、突然、顔を赤くし、ナース服を引っ張って太ももを隠そうとする。
しかし全然隠すことができず、逆に恥じらい度をアップさせる形となり、余計可愛さがアップする。
(涼宮さんはお礼をしてるだけだ。変なことは考えるな)
そう心の中で呟き、意を決して涼宮さんの太ももに頭を乗せる。
(うぉぉぉ!!前回も膝枕してくれたけど、今回は前回より感触を直で味わう分、柔らかさが違うぞ!)
ダメだとは思いつつも頭に神経を集めて涼宮さんの感触を味わってしまう。
「ど、どうかな?」
「あ、あぁ。とても良いよ」
「ふふっ、ならそのまま横を向いて。耳かきするから」
俺は指示通り横を向き、涼宮さんが耳かきをしてくれる。
(ヤバい、これは気持ちいい。寝てしまうぞ)
「シロくん、目がとろんとしてきたね」
「あぁ、気持ち良くて眠りそうだ」
「いいよ、眠っても。今日はシロくんを癒す日だからね」
「そうか。じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ眠るよ」
「うん、おやすみ。シロくん」
俺は涼宮さんの言葉を聞いて、眠りについた。




