いざ学校へ 6
その後も俺は手紙に書かれていた場所に向かい、待っていた女の子から告白をされ、丁寧に断ることを続ける。
そして毎度の如く手紙をくれた人を気絶させ続けた。
「よ、ようやく終わった」
断ることに対して心苦しい気持ちはあったが、それ以上に告白されたことに対しての驚きが強い。
「ようやく終わったんだね」
「ん、お疲れ」
俺が事態の把握に努めていると、桜と穂乃果が俺の下に歩いてくる。
「あぁ、これで手紙をくれた人みんなに会うことができたけど――もしかして、俺の後を着けてた?」
俺の質問に桜と穂乃果の体が“ビクッ”と跳ねる。
「ご、ごめんね、お兄ちゃん。もしかしたらお兄ちゃんが誰かとお付き合いするかもって思うと、居ても立っても居られなくて」
「ごめん、シロ。でも会話の内容は聞いてない。シロが話しているところと、気絶させてるところを見てただけ」
「そ、そうか。別に怒ってないからいいよ」
「先に帰って」と伝えた2人が俺の後を着けていたことには驚いたが俺は2人のことを許し、疑問に思っていたことを質問する。
「なぁ。なんか今日、俺の目の前で気絶する人がたくさんいるんだけど、体調悪い人、多くないか?」
その質問を聞き、2人が「はぁ」とため息をつく。
「お兄ちゃんは自分がカッコ良すぎることをもっと自覚して」
「ん、これだと被害に遭う人が増える一方」
「えぇ、そんなこと言われても――」
「シロ。今日の保健室がどんな状況になったか知ってる?」
「保健室?いや知らないな」
突然の質問に首を傾げつつ答える。
「今日はね。お兄ちゃんがいろんな女の子を無自覚に気絶させたから、保健室にたくさんの女の子が運び込まれたんだよ」
「そして保健室の先生が泣いてた。『私もシロ様に会いたいのに!』って」
「いや知らんがな」
変な部分に対して泣いてる保健の先生は置いておく。
「つまり、お兄ちゃんは自分がカッコいいことを自覚できてないんだよ!」
「いやいや、俺は自分がカッコいいことを自覚してるぞ?」
「じゃあ、なんで女の子がお兄ちゃんの前で気絶すると思う?」
「………触られたことによる拒絶反応とか?」
「はぁ。気絶する人を目の前で見てきたのに拒絶反応とか言い出したよ」
桜がジト目で見てくる。
「正解はお兄ちゃんがカッコ良すぎるから、お兄ちゃんの笑顔や仕草で気絶していったんだよ」
「いやいや。そんなことできるほど、俺はカッコよくないぞ?」
「ちなみに、さっき会った女の子たち全員が気絶したのは、お兄ちゃんが女の子の頭に“ポン”と手を置いて、至近距離で笑顔を見せたからだね」
「え、マジで?」
「うんうん」
桜と穂乃果が頷く。
「も、もしかして、俺はものすごくカッコいいのか?」
「そうだよ。だって、お兄ちゃんは次回の国宝級イケメンランキングで1位候補なんだから」
「そ、そうなのか」
どうやら、みんなが気絶していったのは俺のせいらしい。
「だから、これからは気をつけてね!」
「あ、あぁ」
桜に釘を刺され明日以降は気をつけようと思ったが、女の子からのお願いを断ることができない俺は、翌日からも気絶者を続出させることとなった。




