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いざ学校へ 5

 『できる限りお礼をしようと思う』と言ったことにより断ることが出来なくなった俺は、そこから大変な時間が続いた。

 俺が授業と授業の間の休憩時間に校内を歩き、手紙をくれた女性を探していると、毎回、女子生徒に声をかけられる。


「シロ様!いつも応援しております!そ、その、よろしければ――あ、頭を撫でてほしいです」

「あ、あぁ。これでどうだ?」

「はい。とても幸せです」


 そして本当に幸せそうな顔を見せる。


「そ、そうか」


(こんなのがファンサービスになるのかは分からないが……深くは考えないようにしよう)


 できる限り希望は応えたいので、邪な気持ちを抱かずに無心でお願いに応える。


「いつも応援ありがとう」


 そして最後に笑顔で感謝の気持ちを伝える。


「はうっ!」

「お、おい!大丈夫か!?」


 俺は慌てて倒れ込む女の子を支える。


(ダメだ!気絶しとる!)


 俺は近くの人にお願いして、再び校内を歩くが…


「シ、シロ様!わ、私も応援しております!な、なので、私も頭を撫でてほしい……です」

「そ、そうか。これでいいか?」

「はい。もう一生頭を洗いません」

「いや、それはどうかと思うが」


 などというやり取りを行い、最後に笑顔で感謝の気持ちを伝える。


「いつも応援ありがとう」

「きゅぅぅぅ〜」

「お、おい!大丈夫か!?」


 そして、またして倒れ込む女の子を支えることになる。


(ダメだ!また気絶しとる!)


 俺は再度、近くの人にその人を預け、今度こそ、俺に手紙をくれた人を探す。

 ようやく見つけることができ、手紙をくれた女の子に感謝の気持ちを伝える。


「手紙ありがとう。とても嬉しかったよ」

「い、いえっ!そ、その。も、もしよろしければ手紙に書いたことを――」

「あぁ、これくらいのことなら、いつでも言ってくれ」


 俺は手紙をくれた女の子の頭を撫でる。


「はぅ〜」

「いつも応援ありがとう」


 そして俺が笑顔で伝えると…


「あぅぅ〜」


 目を回しながら俺の元に倒れ込む。

 そのため慌てて女の子を支えるが、気絶しているだけのようで一安心する。


(おいおい、俺の目の前で気絶する人多すぎだろ。てか、移動中も声をかけられるんだけど。なんでなんだ?)


 そんな疑問を抱く俺だった。




 その後も、手紙をくれた人たちにお礼を言い、放課後となる。

 桜たちに「先に帰って」と伝え、俺はさっそく、手紙に書かれている場所に向かう。


(えーっと、校舎裏に屋上、それに体育館か。多いな)


 しかし応援をしてくれる人に対して、できる限り応援のお礼をしようと誓ったので、全員に会いに行く。

 まず最初に校舎裏に行くと、一人の女の子が待っていた。


「す、すみません。こんな時間に呼び出してしまって」

「そんなことは気にしなくていいよ。それで話したいことってなにかな?」

「えーっと――わ、私!シロ様のことが好きです!付き合ってください!」

「………え?」


(今なんて?)


「そ、その……シロ様に一目惚れしてしまいました。私のことは知らないと思いますが、付き合いながら知ってほしいと思ってます。なので、付き合ってください!」

「…………」


(待て待て待て待て!え、今、俺は告白されてんのか!?人生初の告白を!?いやいや、きっと冗談で――)


 俺は罰ゲームか何かだと思ったが、女の子から勇気を振り絞った本気の告白だということが伝わってくる。


(ふぅ、落ち着け。女の子から本気の告白をされたんだ。俺も本気で応えないと)


 俺は何度か深呼吸をして真剣な表情で伝える。


「ごめん。君とは付き合うことができない」


 勇気を振り絞って断る。


「そうですよね。シロ様の周りには可愛い女の子がたくさんいますから。きっと、その内の誰かが好きだから、私とは付き合うことができないんですね」

「………」


(待って!?なんか全然的外れな解釈をされてるんだけど!)


「すみません、困らせてしまって。振られてしまいましたが、今後も私はシロ様のファンです!頑張ってください!」


 女の子がぎこちない笑顔を俺に向けており、無理をして言ってることが伝わってくる。

 俺はその様子を見て、女の子の頭に手を置く。


「あっ」

「君のような女の子に告白されてとても嬉しかったよ。これからも、応援してくれると嬉しいな」


 そして笑顔でお願いをする。


「は、はい、一生応援しま……す」


 そう言って、力なく地面に倒れ込む。


「あ、ちょっと!って、また気絶してるし」


 俺は安全な場所に女の子を移動させてから次の目的地へと向かった。

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