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いざ学校へ 4

 翌日、スキャンダルを防ぐことができた俺は、昨日よりも穏やかな気持ちで桜たちと学校に行く。

 ちなみに昨日は母さんに車で送ってもらったが、昨日の件で桜たちと歩いても問題ないことになったため、歩いて学校に向かってるいるが、何故か女子生徒たちが道端で倒れれだした。


「なぁ。倒れる人、多くないか?心配になるんだが?」

「大丈夫。あれは関わらないのが正解だから」

「そ、そうか」


 そんな話をしながら桜たちと歩く。


(な、なんかものすごく見られてるんだけど)


 しかし俺たちに注目する生徒は増える一方で、居心地の悪い気分を味わう。

 そんなことを思っていると、1人の女子生徒から話しかけられる。


「シロ様!私もご一緒していいでしょうか!?」

「えっ?俺たちと?」

「はいっ!」


 満面の笑みを浮かべながら答える女子生徒。


 すると、その様子を見ていた周囲の生徒たちが…


「あっ!ズルいぞ!私もシロ様と登校したかったし!」

「シロ様!そんな女どもは放っておいて、私と一緒に登校しましょう!」


 などと言いながら駆け寄り、俺たちは一瞬で囲まれる。


(えぇ!?俺なんかと一緒に歩いてもいいことなんかないはずだが!ど、どうすればいいんだ!?)


 そんなことを思い、返答に困っていると、隣にいた穂乃果たちが助け船を出す。


「ダメ。シロと一緒に歩きたいなら、ボディーガードである私たちから許可を取ること」

「そうだよ!私たちはお兄ちゃんのボディーガードだから!」


 ボディーガードとしての役割を果たそうと必死になって止めているが…


「むっ!シロ様の義妹と幼馴染だからって、シロ様を独占しなくてもいいじゃない!」

「私たちはシロ様のファンなんだから、一緒に歩いてもいいと思うわ!」

「そんなことない。義妹と幼馴染はシロを守る義務がある」


 何故か声をかけてきた女子生徒たちが引かず、口論になる。


(桜たちはボディーガードとしての役目を果たしているだけだ。それなのに桜たちがケンカになるのは間違ってる。本当は俺がなんとかしなきゃいけないのに。こんなことで桜たちを頼ったらダメだよな)


 心の中でそう決意した俺は口論を止めるため、桜と穂乃果の頭に“ポン”と手を置く。


「あっ」

「ふぁ」


 驚いている桜と穂乃果を無視して、俺はみんなに話しかける。


「桜と穂乃果は俺のボディーガードをしているだけで、俺を独占しようとしてるわけじゃないんだ。だから桜たちを怒らないでほしい」


 そう言って桜たちの代わりに謝る。


「俺はいつも応援してくれるファンの方と一切関わらないとかではないんだ。だから遠慮なく俺に声をかけてくれ。俺も、できる限りお礼をしようと思うから」


 本心からの言葉に、周りの女子生徒たちが喜ぶ。


「シロ、それは――」

「大丈夫だ。いつも桜たちに守ってもらうわけにはいかないからな。それに俺はファンの人たちと過ごす時間より、桜と穂乃果、2人と過ごす時間の方が大切なんだ。ファンサービスを数回すれば声をかけてくることは無くなるだろうから、落ち着いたら3人でのんびり登校しよ」


 俺は嘘偽りなく本心を桜と穂乃果に伝える。


「そ、そう。それなら許す」

「う、うん。私たちと過ごす時間の方が大切なら」

「あぁ、ありがとう」


 2人がほんの少し頬を染めて言う。

 そんな2人が可愛く見え、俺は2人の頭を撫でる。


(まぁ、俺のファンなんて数人程度だろ。それに、しばらくしたら飽きるだろう)


 そんな気持ちで言った言葉だったが、この言葉が原因で応援してくれる女の子のお願いを断ることができず、地獄の日々が始まるとは思いもしなかった。




 沢山の女子生徒と共に登校する。

 そして俺が下駄箱を開けると“バサーっ!”と大量の手紙が落ちてきた。


「………え?」


(ナニコレ?)


 あり得ない出来事に困惑する。


「あ、あの!シロ様!」


 そんな俺に1人の女の子が駆け寄ってくる。


「どうしたの?」

「えーっと――こ、これ、受け取ってください!」


 俺は女の子から一枚の手紙を渡される。


「そ、それには私の気持ちを書いてます!そ、その――よ、読んで下しゃい!」


 女の子は噛みながら俺に要件を伝え、走り去る。


「な、なんだったんだ?」

「なんとなくわかるけど、まずは落ちてる物を拾った方がいい」

「お兄ちゃん、これは貰いすぎだよ」


 桜と穂乃果が手分けして手紙を拾う。


(悪口じゃなくて応援の手紙だといいなぁ)


 そんなことを思いながら、集めてくれた手紙を受け取り、バックに入れる。


 そして教室に着くと…


「おはよー!シロ様!」

「シロ様おはよー!」


 たくさんの人から挨拶された。


(まさか教室で挨拶をされる日が来るとは)


 以前の俺に挨拶をするクラスメイトはいなかったため、驚きつつも皆んなに挨拶をして、席に着く。


 そして下駄箱に入っていた手紙に目を通す。


(えーっと『放課後、お話したいことがあります。屋上にてお待ちしております』か。なんだろ?シロ様へのいちゃもん――ではないことを祈ろう)


 そんな感じで、俺は30枚近くの手紙を読み終える。


(待って、放課後に呼び出す内容多くね?しかも他の内容も『頭ナデナデしてほしい』とか『シロ様から名前を呼ばれたい』とか変なお願いだし)


 そう思うが、登校中に「できる限りお礼をしようと思う」と言ってしまったため、断ることはできない。

 俺は貰った手紙を眺めつつ、担任の先生が来るまで一人で悩み続けた。

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