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貧乏脱却少年は異世界で影に隠れて活躍する  作者: 神永ちろる


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ミカエスの金稼ぎ

第6話 ミカエスの金稼ぎ



父親の炭鉱不当契約を解約するのに、村長に借金をしてしまった。

村長が何故俺達みたいな貧民の子供の願いを聞いてくれたのかは定かではない。 単に貧民のホームレス孤児達を増やしたくなかったのかもしれない。

この借金を返済するには、どうしたらよいのだろうか?

狩りをしてカシムさんに獲物を買い取ってもらうことしか、考えつかなかった。

しかし、魚や鳥やウサギくらいでは、大した稼ぎにはならない。


やっぱり大物を狙うしかないと思った。

でも能力を隠さないと、領主に目をつけられてしまう。


「うーん。どうしたらよいだろう?」


この村の商店では、子供からの獲物の買い取りを禁止している。

この獲物売買の方法はできない。


あとはカシムさんに頼むしか思い当たらなかった。

いっそのこと、オルフェスの街に行って直接露店で売るのはどうか? 街には飲み水が不足してるから、水も売れる。


そうか、荷車に収穫した野菜を載せて街に行き、ついでに狩りの獲物や水なんかを売ったらよいかもしれない。

市場なら、よく子供が店番していたしな。


街の通行税と場所代を支払わなければならないが、それ以上に売れるかもしれない。


早速家にあった空き樽をかき集めた。近隣の家に行き、空き樽を借りた。 それを荷車に載せて森に行き、綺麗な泉までやって来た。


ストレージ収納を利用して気がついたが、二つのアイテムを一マスに合わせてみたら、水の入った樽に変化した。


「あれ、これってゲームみたいな機能なんだな。」


目の前に表示された画面に、組み合わせたアイテムを分解したり、組み合わせたりすることができた。


つまり、水だけストレージにしまっておいて、後から空き樽と組み合わせれば、簡単に水樽になるわけだ。


じゃあ、いつも水筒代わりに使っている空き瓶にも応用ができるのではないだろうか?


ストレージに収納した空き瓶と水を組み合わせた。


「やった!水の入った瓶ができた。」


では魚や鳥やウサギも肉と皮に分けられるのか?

ミカエスはストレージに収納した獲物をそれぞれ試した。


「ウサギはウサギ肉とウサギの毛皮になった。」


「川魚は川魚の白身と鱗や皮、鳥は鳥肉と羽になってる!」


「これは凄い発見だ!解体スキルはいらないや。」


「しかも下処理したから付加価値ができて、より高値で売れる。」


こうしてミカエスは、街の市場に行って露店販売の準備をした。

そして、収穫した野菜、水樽、獲物なんかを荷車に載せて朝早くオルフェスの街へ行った。


村にいるときは荷車を引いたが、人がいないときには、荷車をストレージにしまった。


「ああ、そうか。水はやたら重いから街へ運び込むのは重労働だから高値なんだな。」


しかし、ストレージにしまえばいくらでもしまえる。

オルフェスの街の前に来たら、荷車を出して引き始めた。

街の衛兵に通行税を払おうとした。


「領地農民の収穫した野菜は通行税なしだ。」


「市場で売るなら場所代を市場の主に渡せ。」


「分かりました。」


ミカエスはそのまま街の門を通過した。

そして街の中にある市場へ行き、市場の片隅にゴザを敷いて野菜を並べた。

すると市場を管理している者達がやって来た。


「見かけない子供だな。親はどうした?」


「父親はちょっと用事でいなくて、俺が店番してる。」


ミカエスが首から下げた紐を引っ張り、身分証明の木札を見せた。


「なんだ、ヒミン村の子供か、場所代は銀貨1枚だ。」


ミカエスは銀貨1枚を払った。


「ほれ、販売許可札だ。首から下げて見えるようにしとけ。」


「はぁい。」


ミカエスは販売許可札を首から下げて、また販売準備をした。

野菜や魚や肉はよく売れた。相場よりちょっと安い価格にしてあったからだ。


それに魚や肉や野菜は昼食の材料になるから、奥さんやメイド達が買ってくれた。

また、下処理してある魚や肉は手間がかからないので重宝された。


水の瓶や水もよく売れた。中には樽ごと買っていく者もいた。

七輪で野菜や肉を焼いて昼飯にしていたら……。


「うまそうだな、その焼き肉と野菜をくれ。」


思いもよらず、俺の昼飯も売れた。

昼過ぎにはほぼ完売になったので、売上や荷物を荷車やストレージにしまった。


「おい、小僧。売上を渡しな!」


ミカエスは胸ぐらを掴まれたが、金は既にストレージにしまって無かった。


「嫌だ!」


「誰か助けてー!」


そう言ってジタバタしていたら、朝集金に来た男達がやって来た。


「何だ、お前は!小僧からカツアゲか!?」


そう言って捕まえようとしたが、ミカエスを離して逃げ去って行った。


「金を持ってると危ないから、暗くなる前に親とかえりな!」


と集金した男は親切に忠告してくれた。


「うん、わかった。」


ミカエスは販売許可札を返して、荷物を片付け、荷車を引いて市場を去った。

門を出ていくと、さっきから睨まれているような悪い視線を感じた。


道の脇にあった岩の影に隠れたときに、素早く荷車をストレージにしまい、両方の足を強化した。

そして全速力で家へ帰って行った。


今日だけで小銀貨12枚、大銅貨24枚、小銅貨84枚の稼ぎになった。

これを繰り返せば、借金返済はできそうだとミカエスは思った。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

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