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貧乏脱却少年は異世界で影に隠れて活躍する  作者: 神永ちろる


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狩りして能力の理解と使い方を知る

第3話 狩りして能力の理解と使い方を知る



俺、ミカエスの家は貧乏である。

父親がまず継続して働かない。日雇いの仕事も不器用だと言われて、長続きしなかった。


「今帰ったぞ。」


「あれ、父さん、出稼ぎに行ったんじゃなかったの?」


「あー、あれは駄目になったんだよ。」


「金払いが良さそうだと思ったら、危険な仕事で父さんには向かなかった。」


「そうなんだ、残念だったね。」


「うむ。」


「これ、食べ物を買ってきたから、食べてくれ。」


「ありがとう。」


紙袋の中にはチーズやパンが入っていた。


そして、落ち込むと酒を飲んで、憂さ晴らしをしている。

金がなくなると、家族のために何とかしようとして、博打に手を出してしまう。


牛などももっといたのだが、そのためにだんだんいなくなった。


今は牛が1頭もいない。


「母さん、今日は身体は大丈夫?」


「悪くもないけど、良くもないさ。悪いね、いつも寝たきりで……。」


「母さんが悪いんじゃなくて、病気のせいだから仕方ないよ。」


「ううっ、ごめんなさい……。」


「また狩りして、美味いものでも食べて、元気になってね。」


「…………。」


母は病気で寝たきりだから、姉の稼ぎが頼りの綱なのだが、村の宿屋の食堂の給仕の仕事なんて、大した給料がもらえるはずがない。


「こんな村であたしみたいな娘が働く場所なんて、宿屋しかないからね。」


「そうだね。貧しい村だからね。」


「もっと稼ぐには、街に行かないと働き場所はないかな。」


「うん。」


「でも街は姉ちゃんみたいなのが働くと、悪い奴らが寄ってきそうだよ。」


「まぁ、いずれの話だね。」


姉は姉なりに将来を考えているようだ。

でも、いずれ姉は嫁に行くだろう。


そんな感じだから、俺が頑張るしかないんだ。

家畜(鶏数羽)の世話をして、水くみ、薪割り、畑仕事をテキパキとこなした。


「ミカエスはよく働くな。」


「あはは、村長さん。貧乏暇なしだからね。」


そして森へ行き、木の実、食べられる草、狩りなどをして、夕方に帰宅する予定だった。


身体強化とストレージのスキルを手に入れたのもあるが、やはり能力の使い方や特性を知らなければならないと思った。


水くみと薪割りで、今日は能力を2回消費したから、あと3回、身体強化が使える。


何とか次の家賃を払うためにも、稼ぐためにもっと狩りをしなくてはならない。


身体強化で手を鉄のように硬くして、手刀で枝や木を叩いてみた。


「木が切れたぞ!」


「硬くした手が鉄の斧みたいだ。」


木を切るときにはよいな。大型の獣などにも一撃で倒せそうだ。


次の能力は、腕をしならせて振ったら、指弾きの衝撃波よりも大きな衝撃波を撃てる。


遠くに置いた岩にダメージがあった。

もっと思いっきりやったら、岩が真っ二つに割れた。


「うわぁ~、これは凄い遠距離攻撃だ。」


「ソニックブームという技名にしよう。」


最後に片足を強化したら、飛躍的なジャンプができた。


「凄いや、両足を強化したらもっと飛べそうだな。」


「それから、走りも速そうな気がする。今度やってみようかな。」


この日は身体強化を3回やったが、それぞれが使える身体強化だった。


あとはストレージの確認だったが、大岩を収納できるし、高い場所に出すこともできた。


「これだけでも、岩石落としでジャイアントボアを仕留められるかも?」


大岩や使えそうな木の枝などをストレージにしまった。

また、小石も拾ってストレージにしまう。


「腕力強化で石投げをすれば、狩りができるぞ。」


ストレージは自分の位置から10mくらいなら、確実に出し入れできた。

意識を集中したら、だんだん遠くの物も出し入れできるようになってきた。


「すげぇー、これ、30mも高い場所から岩を落とせる!」


凄い発見だった。なんだかストレージだけで、興奮してきた。

また、地面をストレージにしまったら、地面に丸い穴が空いた。


「これって、瞬間的に落とし穴ができた。」


この落とし穴も使えそうなストレージ技だ。


泉の水もストレージにしまえた。水で火を消したり、牽制にも使えそうだ。


または、水くみにも使える。


ストレージは使い方によっては武器になるし、生活道具や輸送などにも使えて便利なスキルだと思った。


そうやって一人でスキルの確認をしていたら、日が傾いてきたので、家に帰った。


「ミカエス、またたくさん食べ物を獲ってきたね。」


「ははは、俺、なんだか腹が減ってたからな。つい狩り過ぎちゃった。」


「木の実、川魚、ウサギ、山菜とか、カゴいっぱいあるね。」


「これで料理を作るから、母さんはたくさん食べて元気になってね。」


「くっ、苦労をかけるねぇ。」


母は涙ぐんだが、弟や妹は俺が作った料理をよく食べてくれた。


姉も母も喜んで食べてくれて、俺はただそれだけで幸せだった。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

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