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第7話 運命の女の娘

魔法の薬屋マクスウェル。

「遊び人のライムに、運命の女の娘ですか」

「遊び人じゃないよ。真面目商人だよ」

ライムも20歳の男。

ウッドブルグの街の法律で植物精霊の女性と結婚しなくてはいけない。

それにしても、ライムの相手は、誰なのか。

学院時代から、精霊女子と何人も交際していたような男子なのだ。

一人に決めるなんて、余程の美女精霊か。

「何か、偏見の目を感じるけど、紹介するよ」

ライムが「入っておいで」というと、背の低い精霊の女の娘が、ゆっくり入ってきた。


「お邪魔するよ」

グリーンのショート髪の女の娘。

それは、もめ事をしていた植物精霊のリーフだった。

「…」

もめてた女の娘。ローズもおぼえている。

ミントが、おどおどしていた相手だ。

「この娘は、リーフ。ついさっき、道端で出会って求婚されて、OKしたんだ」

結婚してよ。

そう言われて、OKしたらしい。

一目惚れなのか。恋は、突然舞い降りた様子。


第7話 運命の女の娘


「ついさっき、決めたんですか」

「そうだよ。今、路上ではじめて会って決めたよ」

「電撃結婚するんですか」

「するよ」

ライムは、笑顔だ。

「応援します」

「ありがとう。ミントくん」

二人は、ガシッと握手を交わす。

本来は、すぐ決めていいのかとか言うのかもしれない。

でも、ミントも、結婚相手をすぐ決めたのだ。

ローズに。

「僕も、可愛いローズをすぐに気に入りましたから」

「私、可愛い?」

「とても可愛いですよ」

「…」

褒めてもらった。ふわふわする。

ミントは、勝手に決める男の子だけど。

親友のライムの幸せを正直に祝福している。


「アタイ、隣街のレストランで働いてたんだけど、ミスして追い出されてさ」

「うんうん」

運命の出会いを果たした、商人ライムと植物精霊リーフは、見つめ合って話し込む。

「ウッドブルグの街だと、20歳の男とすぐ結婚できて暮らしに困らないと思って、相手を探してたのさ」

「そうなんだね」

「末永く、頼むよ。ライムさま」

「よろしくね。リーフちゃん」

だきっ。

ライムとリーフが抱きしめ合う。

今、出会ったばかり。だけど、運命の相手。

そんな感じでもいいはず。

ミントとローズも、出会ったばかり。

すぐ、結婚を決めたのだ。

ミントも、結婚相手に困っていた。

よく当たる占い師に頼った。新聞に載ってた。

“一輪のバラの精霊と結婚すると幸せになれる”

理由は、占星術士の助言。そんな感じでもいい。


「アタイは、ドリアード族だけど、あんたは何の植物精霊なんだい」

「私は、ローズ。一輪のバラの精霊」

答える。リーフは、勝ち気な感じがする女の娘。

でも、ローズより素直で、すぐ、ライムという相手と仲良くしてる。

ローズは、すぐ、ミントと仲良くできてなかった。

「ローズ。よろしく」

「よろしく」

「アタイは、リーフだよ」

「よろしく、リーフ」

言い直す。

リーフは、同じ植物精霊同士で友達になろうという。

友達。仲の良い友達。

ローズには、ジェフおじさんとジェーンおばさんがいた。

友達はいなかった。

「私、友達いないの」

「アタイも、友達って、いなかったかも」

「同じ」

「とにかく、仲良くしよう」

キュッ。

軽く握手する。何だか、楽しい。


「リーフに、家に住んでもらう準備を進めてるから、そろそろ帰るよ」

「そうですか」

「中央庭園の庭師が、植物栄養剤について聞きたいことがあるって言ってたよ」

「わかりました」

ライムは、帰る。リーフと一緒に。

「またね。ローズ」

「またね。リーフ」

手を振る。友達ができた。

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