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第2話 ここは、どこ?

植物王国。

ウッドブルグの街。

人間と植物の精霊ドリアード族が共存する街。

ここでは、男は、20歳になると結婚しなくてはいけない。


昼食を用意する。植物の精霊は、水と果物しか食べない。

水とリンゴ。

ダイニングテーブルに、二人分の食事を置く。

「いただきます」

「…」

食事をはじめる。知らない男の子と。

ローズは、うつむいている。

おじさんとおばさんがいない。帰りたい。

しかし、お腹が空いているため、リンゴに手を伸ばす。

カジッ…。

小さな口で食べる。

「可愛い…」

ミントは、感動する。この女の娘と結婚する。

一輪のバラの精霊の女の娘。

「キミみたいに可愛い女の娘と結婚できるなんて、僕は幸せです」

「私は」

リンゴを見つめる。美味しい。

「私は、何」

考える。男の子は、興味深く、ローズを見ている。

知らない男の子。何に興味を持っているのか。

「私は、ローズ」

「僕は、ミントです。これから、ずっと一緒ですよ」

ミントはローズの手にふれようとする。

その手を、ローズは振りはらう。

「?」

どうしたのだろう。ミントは不思議そうに見てくる。

ローズは、震えている。

この男の子は、良い人なのだろうか。知らない人。

おじさんとおばさんの元に帰りたい。

「ここは、どこ。私は、ローズ。おじさんとおばさんは、どこ。ここは、どこ。私は、何。あの黒い男の人は、誰」

まくしたてるように声が大きくなるローズ。

我慢していた言葉を出す。

「私は、おじさんとおばさんと…」


第2話 ここは、どこ?


ローズは、不機嫌そうにうつむいている。

「すみません。ローズ。話を聞きますよ」

「私は、ローズ…」

ローズは港町リーズンで育った。

一家庭に、一輪の植物精霊。

ローズは、一輪のバラの女の娘。

ジェフおじさんとジェーンおばさんと暮らしていた。

ある日、おじさんが、高利貸しワールの持つ懐中時計に水をかけて壊してしまった。

弁償金を五十万ゴールド請求された。

払えないと言ったら、ローズが肩代わりにされた。

商人オークション会場で売られた。

「私は、売られた」

落ち込む。ここは、どこなのか。わからない。

知らない人。ミントの住む家。

「商人オークションは、合法のものしか取り扱わないので、違法ではないんでしょうね」

ミントは、首をかしげる。どうなんだろうか。

正規の商人オークションで買ったのだから、合法の植物精霊保護権を持っている。

「僕は、ローズを気に入りました。結婚したいので、一緒に暮らしてください」

この娘の様子では、ミントを拒絶している。

でも、お金は払った。権利はミントのものだ。

「私は、一輪のバラ精霊。帰りたい」

もう、20年以上生きている。

「僕も、20歳です。だから結婚しないといけないんですよ。帰しません」

「ここは、どこ…」

わからない。おじさんとおばさんの元に帰りたい。

「ここは、ウッドブルグの街です」

植物王国環境大臣の治める街だ。

街の中央には、大きなグリーンの大樹がある。

ここでは、植物の精霊ドリアード族と人間が共存している。

男は、20歳になると結婚しなくてはいけない。

相手は、植物精霊でなくてはいけない。

精霊との親交のためである。


ミントは、“よく当たる占い師”を信じている。。

ウッドスポット新聞。

占星術士クレアのよく当たる恋占い。

植物王国の全てを見通す“千里眼”を持つ。

ミントは、占星術士クレアの、全てのことを信じる。

新聞に載っていたのだ。


『一輪のバラの精霊と結婚したら幸せになれる』


「結婚します…。クレアさま」

ミントは、導かれるままにつぶやく。

「と、いうことで。僕は、キミと結婚します。結婚したいです。よろしくお願いします」

「…」

「…あ!幸運の魔法薬の調合忘れてました!」

ミントは、あわてて席を立つ。

変わった変な人。ローズと結婚したい男の子。

結婚したいから、ローズを返す気はないらしい。

「この人、何」

ローズは、リンゴを食べる。

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