ずっと一緒にいてくれた君に、ありがとう
前回、ミカはツクヨに殺され、再びループした。
二度、三度と死を繰り返し、
何をしても彼女には読まれてしまう。
そして今——彼は再び、同じ場所に目を覚ます。
だが今回は、彼の中で何かが変わっていた。
ミカはまだ石柱にもたれかかったまま、息も整っていなかった。先ほどまで差し伸べられていたツクヨの手はもう引っ込められ、その姿は数歩離れたところに静かに立っていた——もう近づいてはこなかった。
「……ツクヨ。」ミカの声は掠れ、ほとんど聞こえなかった。「頼む……少しだけ、俺から離れていてくれ。」
ツクヨが答えるまでに、間があった。彼女は目を細め、ミカの青ざめた顔、まだ微かに震える体、視線を合わせようとしない目から、何かを読み取ろうとしていた。
「……わかった。」彼女はついに言った。その声はいつもより静かだった。「あっちにいるわ。」
彼女は後退し、広間の向こう側の柱の一つへと歩いていき、そこに座り込んだ——ミカに十分な空間を与えるほど遠く、しかし見守り続けるには十分近くに。彼女の視線は、その場でまだ震えているミカから決して離れなかった。その目に浮かぶものは、彼女自身にとっても馴染みのないものだった——もはや純粋な疑いではなく、もっと複雑で、定義しにくい何か。
なぜ、そんなに drastic に変わるの? 彼女は遠くから観察しながら思った。ただ怖がっているだけじゃない。まるで……これを何度も経験したことがあるみたい。
ミカ自身は、そんなに細かく見られていることに気づいていなかった。彼はただ石の床に崩れるように座り、膝を胸に抱え、自分の腕を掴んでいた——体が内側からバラバラに砕けてしまわないように、必死に押さえているかのように。
続ける。続けて、続けて。俺は挑戦し続けなきゃいけない。
でも、震えずに立てもしないのに、どうやって?
どれくらいそうしていたか分からない——数分かもしれないし、もっと長いかもしれない。しかしその静寂の中で、彼は感じた。小さな振動、ほとんど感知できないほどのかすかな揺れが、床から背骨へと伝わってくるのを。
広間の向こう側で、ツクヨが突然立ち上がった。
その目が見開かれ、いつもよりはるかに警戒した表情で天井を見上げている。
「これは……」彼女は呟いた。ミカに向けてではなく、自分自身に向けて。「速い。前よりずっと速い。」
それ以上の説明もなく、ミカに一瞥もくれず、彼女は振り返って走り出し、広間の脇にある暗い通路の一つへと消えていった——ミカを一人残して、まだ柱のそばで丸まり、その突然の退出に戸惑いながら。
「……ツクヨ?」
答えはなかった。
ミカは瞬きをした。戸惑いがゆっくりと冷たい気づきと混ざり合っていく。
彼女は行った。本当に行った。
これがチャンスだ。
苦労して、彼は体を起こそうとした。足はまだひどく震えていた——前の死のトラウマが、影のようにすべての筋肉にこびりついている。しかし彼は無理に立ち上がり、片手を柱の壁に預け、ついにまっすぐに立つことができた——完全に安定しているとは言えなかったが。
最初の一歩はよろめいた。二歩目は少しマシだった。彼は歩き始めた。ゆっくりと、広間を抜けて、以前のループではまだ探索したことのない通路の一つへ——ツクヨが消えていったのとは反対方向の通路へ。
しばらくして、彼の足元の地面が激しく揺れた。
ミカはその場で凍りついた。
また。こんなに早く?
彼は振り返り、その目に、もう何度も見てきた光景を捉えた——古い壁に走り始めた黒い亀裂、揺れ始める柱、もう頑丈には見えない天井から降り注ぐ塵。
慣れ親しんだ恐怖が胸を駆け巡ったが、今回は完全には凍りつかなかった。彼は無理に足を動かし、ますます暗く、狭くなる通路を歩き続けた。背後で崩壊の轟音が迫りながら。
ガラガラガラッ!
通路の天井から大きな石の塊が外れ、彼が完全に避ける前に、ちょうど彼の上に落ちてきた。
「アアッ——!」
激しい痛みが左足から炸裂した。彼は尻もちをつき、恐ろしさで下を見た——足が、一人では持ち上げられないほど重い瓦礫の下に挟まれている。骨と肉が、容赦ない圧力の下で粉々になっていた。
彼は足を引っ張ろうとした。動かない。もう一度、もっと強く、全身に広がる痛みの悲鳴を無視して試みた。それでも動かない。
周囲の振動がさらに激しくなる。時間がない。
震える手で、彼は剣を呼んだ——ミコウト、彼が必要とするときいつも彼の手の中に現れる、あの氷の刃。
ごめん、 彼は思った。自分の体の一部に謝るのは奇妙に感じられたが。でも、他に選択肢がないんだ。
一振り、無理やり作り出した決意を込めて、彼は挟まれている箇所のすぐ上で自分の足を切り落とした。
今回炸裂した痛みは、これまでに感じた何よりもはるかに大きかった——心臓を貫かれた痛みさえ超え、体が真っ二つに裂かれた痛みさえ超えていた。彼は叫んだ。声が壊れ、涙が止められずに溢れ出た。
それでも彼は止まらなかった。
まだ震える手で、彼は残った氷の刃を自分の傷口に向け、その部分をできるだけ早く凍らせた——数秒で彼を殺していたであろう出血を止めるために。
彼は成功した。どういうわけか、成功した。
荒い息をつき、汗と涙でびしょ濡れの体で、彼は這い始め、そして片足で立ち上がろうとした。周囲で激しく揺れ続ける通路の壁に寄りかかりながら。
続ける。動き続けなきゃ。
彼は片足で跳ねた。一歩ごとに新たな痛みの波が全身を駆け巡ったが、彼は止まらなかった——止まれなかった。周囲で瓦礫が降り続け、時間が刻々と減っていく中では。
ついに、通路の端で、彼はそれを見た——大きな扉。この神殿で見たどんなものよりも荘厳で、複雑な彫刻が施され、その素材からは、この瀕死の状態でも、その向こうに何か大きなものがあると感じられた。
彼は見とれなかった。その時間はなかった。
残り少ない力で、彼はその扉を押した——一度、失敗。二度、扉がわずかに動いた。彼は残されたすべてを振り絞り、痛みと決意の叫びを上げ、もはや制御できないほどになった全身の重みで押した。
扉はついに開いた。
ミカはその向こうの部屋に倒れ込んだ。体が床に崩れ落ち、失った足の痛み、まだ癒えていない傷の痛み、すべてが、彼を支えていたアドレナリンが薄れ始めた今、一斉に炸裂した。
「ぐっ——」
彼は無理に顔を上げ、再び溢れそうになる涙をこらえ、その目はついに部屋の中央にあるものを捉えた。
剣。
その刃は濃い紫色で、心臓の鼓動のようにゆっくりと脈打つ淡い光を放ち、この神殿で見たどんなものよりも複雑な古代の彫刻に囲まれた石の祭壇の中央に突き立てられていた。
あれは……
間違いない、ツクヨが言っていたものだ。
その確信は、なぜか理由もなく湧いてきた——しかしそれを疑う時間はなかった。残りほとんどない力で、彼は這い始めた。片手ずつ、片足を失った体を引きずりながら、その祭壇へと向かって。
背後で、部屋の壁が割れ始めた。同じ歪み、同じ崩壊が、ますます近づき、ますます激しくなる。
彼は気にしなかった。
あと少し。あと少しだけ。
しかし彼の手がその剣の柄に触れる前に、背後から足音が響いた。
ミカは振り返り、息を呑んだ。
ツクヨがそこに立っていた。彼を見つめている——崩れゆく体、失われた足、通路に残した血の跡を——読み取れない表情で。
「……哀れね。」
その二言だけを口にすると、彼女は動いた。速く、容赦なく、その手は一瞬ですべてを破壊する力でミカの頭を打った。
闇が彼を飲み込んだ。何度目かも分からない。
ミカは再び目を開けた。
石の柱。心配そうに彼を見つめるツクヨ。すべてはいつも通り。
しかし今回は、彼の中で何かが違っていた——以前のような麻痺させる恐怖ではなく、もっと鋭く、もっと集中した何か。
剣の場所はもう知っている。あとはもっと早くたどり着く方法を見つけるだけだ。
奇妙な小さな炎が胸に灯った——愚かな希望ではなく、何度も負けすぎて負けることを恐れなくなった者の、冷たい決意。
「ツクヨ、少しの間、俺から離れていてくれ。」
同じ頼み。同じ答え。
二度目のループ、彼は最初からもっと速く動こうとした。最初の振動が完全に収まるのを待たずに通路を走った。しかしその焦りが彼の判断を誤らせた——早すぎるタイミングで間違った方向に跳び、予想外の側から落ちてきた瓦礫が通路の途中で彼の体を圧迫し、半分も進まないうちにすべてを終わらせた。
三度目のループ、彼はもっと慎重にやろうとした。壁の小さな亀裂の一つ一つを、次の瓦礫の兆候として注意深く観察した。今回は通路を無事に通過できたが、大きな扉の前に着いたときには、もう力を使い果たしていて、時間内に押し開けることができなかった——歪みがそこで彼を追い越し、彼の指がまだ動かない扉の取っ手を掴んでいるまさにその時に、背中を打った。
また二回失敗した。でも少なくとも、それぞれから何かを学んだ。
そして次のループが始まった。
四度目のループはいつも通りに始まった。ミカは石の床に座り、最初の振動が来るのを待った。体はまだ砕けたように感じられた——技術的には完全に回復しているのに、痛みの記憶そのものが傷よりも長く残っていた。
「ツクヨ。」
「何?」
「……なぜ、俺が離れてくれって言うたびに、いつも素直に従うんだ?」
その質問は、計画もなく口から出た。ツクヨは長く彼を見つめ、その質問に正直に答える価値があるかどうか、考量しているようだった。
「なぜなら、」彼女はついに言った。「理由は分からないけど、今のあなたにはその空間が必要だと感じるから。この感覚は好きじゃない。でも無視する方法も分からない。」
ミカはそれ以上応じる間もなかった——最初の振動が来て、ツクヨはいつものように、説明もなく別の通路へと走り去った。
今回は、振動を感じるとすぐにもっと速く走った。最初のループで覚えた瓦礫の地点を避けようとした。両足を無事に保ったまま通路を通過し、前よりずっと効率的な力で大きな扉を押し開けた。
もう少しだ。
彼の指が紫色の剣の柄まであと数センチというところで、歪みが部屋を全力で襲った——天井が祭壇の真上で崩落し、剣ごと彼を一瞬で埋めた。触れる時間さえ与えずに。
速すぎる。もっと速く。
五度目のループ、彼は慎重さを犠牲にしてスピードを上げようとした——暗い通路を無謀に走り、でこぼこした地形を考慮せずに。
突き出た石につまずき、体が激しく転倒し、足首が嫌な音を立てて捻挫した。彼は起き上がろうとし、足の痛みを無視して無理に歩こうとしたが、通路の半分にも達しないうちに時間切れ——瓦礫が彼を生き埋めにし、闇が埃に詰まった叫びの途中で視界を閉ざした。
六度目のループ、なぜかツクヨはいつもより早く戻ってきた——おそらく彼女自身の守護者の本能が、何か違うものを感じ取ったのだろう。彼女はミカが通路に入って数歩のところで見つけ、彼の目的地が明らかに神殿からの出口ではないことを、細めた目で疑いながら見た。
「どこへ行くの?」
ミカは答えられなかった。その手はすでに動いていた。速く、容赦なく、彼の胸を貫いた——何度目かも分からないその動きは、もう隅々まで覚えているのに、その痛みだけは決して慣れることがなかった。
「また何か隠してるわね。」それが、闇の前に彼が聞いた最後の言葉だった。
七度目のループ、彼はまったく別のルートを試した——まだ探索したことのない反対側の通路。望みは薄かったが、主要ルートで覚えたすべての罠を避けられる近道があるかどうか、知る必要があった。
その通路は行き止まりだった。扉もなく、隙間もない、ただの平らな石の壁。
くそ。行き止まりか。
彼が引き返そうとしたその時、歪みがそこで彼を追い越した。出口のない狭い空間に閉じ込められ、両側からの瓦礫が同時に彼を押しつぶした。
八度目のループ、彼は無事に大きな扉にたどり着いた——しかし今回は、なぜか扉がまったく開かなかった。彼は全力で押した。何度も。肩は繰り返す衝撃で痣になったが、扉は内側から施錠されているかのように、その場に留まった。
なぜ? 昨日は開いたのに。
彼は答えを考える間もなかった。瓦礫が、開くことを拒む扉の直前で彼を襲い、彼の体は未回答の問いとともに崩れ落ちた。
九度目のループ、彼はいつも足を落としていた同じ地点の石の塊を避けることに成功した——ちょうどいいタイミングで跳び、一瞬の安堵を感じたのもつかの間、まったく別の方向から来た別の石の塊が、警告もなく彼の背中を打った。
背骨が嫌な音を立てて折れた。腰から下の感覚が完全に失われ、彼はただ、上で崩れ始めた天井を見つめながら、すでに予想できる終わりを待つことしかできなかった。
一つの危険を避けるたびに、別の危険がそれを置き換える。
この神殿は、本当に俺を殺すためにそんなに広いのか?
十度目のループ、彼はついに初めて両足を無事に保ったまま剣の部屋にたどり着いた。心臓が高鳴った——恐怖からではなく、久しく感じていなかった希望に似た何かから。
彼は手を伸ばし、指をその剣の柄に絡めた——
そして紫色のエネルギーの爆発が刃から放たれ、彼を部屋の壁まで吹き飛ばし、手のひらを黒くなるまで焼いた。彼は叫んだ。焼けた肉の匂いが自分の鼻を満たし、その後に続いた瓦礫が、彼に残されたものを終わらせた。
つまり、剣そのものにも守護者がいるのか。
この神殿だけじゃない。ツクヨだけじゃない。剣そのものさえ、俺を拒んでいる。
次のループで再び目を覚ましたとき、初めて、彼はすぐにツクヨに離れるよう頼まなかった。彼はただしばらく静かに座り、自分の手を見つめた——今は無傷の手。しかし、焼かれた記憶はまだ鮮明に残っていた。
「ミカ?」ツクヨが彼を見つめ、眉をひそめた。「黙ってるけど、大丈夫?」
「……あの剣は、俺を拒んだ。」ミカは呟いた。ツクヨに向けてというより、自分自身に向けて。
ツクヨは一瞬凍りついた。「剣?」
ミカは自分の失言に気づき、急いで首を振った。「何でもない。ただ……また変な夢を見ただけだ。」
しかし彼は見た——一瞬、ほんの一瞬——ツクヨの目に何かがよぎるのを。いつもの疑いではなく、もっと純粋な好奇心に近い何か。
「ツクヨ、少しの間、俺から離れていてくれ。」彼はついに言い、その瞬間がさらに発展する前に断ち切った。
ツクヨは静かにうなずき、いつものように離れていった——しかし今回は、完全に去る前に一度振り返り、自分でも定義できない表情でミカの背中を見つめた。
十一度目のループ、彼は違うことを試した——できるだけ速く走るのではなく、まず通路の入り口から観察し、振動のリズムを数えてから動き出した。そのアプローチで貴重な数秒を失い、完全に動き出す前に最初の瓦礫が肩を打った——片腕を麻痺させるには十分で、つまずいて半分も行かないうちに埋もれるには十分だった。
十二度目のループ、彼は一切の休止もなく全力で走ろうとした。最初の一歩からすでに息が上がっていた胸の痛みを無視して。十一度目で死んだ地点は無事に通過したが、過剰な速度で鋭い曲がり角でバランスを崩し、頭蓋骨を砕くのに十分な力で石壁に激突した。
十三度目のループ、彼は無事に大きな扉にたどり着き、押し開け、初めて祭壇の部屋をより近い距離から見た——紫色のエネルギーが剣自体から放たれ、見えない矢のように彼の胸を貫いた。彼が部屋に片足を踏み入れたまさにその時だった。
つまり、遠距離からも攻撃できるのか。あの部屋にはもっと慎重に入らなきゃ。
十四度目のループ、その新しい教訓を活かし、彼は身をかがめて入り、祭壇への直接の視線を避けようとした。その戦略は遠距離攻撃を避けるのに成功した——しかしあまりに多くの時間を失い、祭壇への中間地点に達したちょうどその時、歪みが彼を襲い、四方八方から崩れ落ちる瓦礫の中に埋めた。
十五度目のループ、彼は剣を少しだけ抜くことさえできた——その刃が彼の手のひらの下で震えるのを感じた。まるで、ほんの一瞬、彼を考量しているかのように。しかしその緊張の一瞬の後、紫色のエネルギーが激しく爆発し、彼を後方に吹き飛ばし、体の半分を覆う火傷を負わせた。そして彼がまだ燃えながら、部屋の床に無力に横たわっているまさにその時、ツクヨの足音が入り口から響いた。
「ここまで来たのね。」彼女は呟いた。読み取れない表情で見下ろしながら。「でも、それでも行かせない。」
その手が動き、それ以上の言葉もなくすべてを終わらせた。
それぞれの死が、それぞれの痕跡を残した。 火傷の痛みは記憶から決して完全には消えなかった——傷自体は次のループで完全に癒えても。折れた骨の感覚は、体が元に戻った後もその残響を感じさせた。まるで、すべての筋肉繊維にこびりついた影のように。窒息、刺傷、断裂——それらすべてが積み重なり、層をなし、彼の中にかつては脆かったものが硬い何かを形成していった。まるで、何年もの圧力で形成された岩のように、正確に数えることもできないほどのループの中で凝縮されていった。
痛みは決して減らなかった。 砕けた足は、毎回砕けた足のように感じられた。折れた骨は、毎回同じ苦痛の波を送り続けた。しかし、その残酷な繰り返しの中で、ミカの中の何かが変わり始めていた。
彼は毎回の死で泣くのをやめた。
最初の振動を聞くたびに恐怖で震えるのをやめた。
残ったのは、ただ冷たい集中だけ——前のループの誤りの素早い分析、小さな調整、次の試行。
広間の向こう側で、毎回のループの始まりに、ツクヨは遠くから観察していた。その表情は徐々に変わっていった。その目に宿る疑いは、別の何かと混ざり始めていた——驚き、あるいは、認めたくないほど近い、ある種の敬意。
この人は、 彼女は思った。恐怖からますます空虚になり、しかし別の何かで満たされていくミカが、何度目かも分からないほど再び立ち上がるのを見ながら。挑戦し続ける。何度失敗しても。
十六度目のループ、彼は紫色のエネルギーが彼の手の近づく速度に反応することを発見した——だから彼はゆっくりと近づこうとした。ほとんど這うように、一センチずつ。今回はエネルギーはまったく反応せず、一瞬の勝利を感じた。
しかし歪みは彼の予想より早く来て、彼の指が刃に触れる前に部屋を襲い、彼がまだパターンを学んでいなかった瓦礫の中に埋めた。
つまり、時間制限もある。遅すぎてもだめだ。
十七度目のループ、彼は速さと遅さのバランスを試した——中程度の速度で近づき、エネルギーの完全な反応を避けるのに十分で、時間に追いつくのに十分な速さで。もう少しで成功し、指はあと数センチで剣の柄というところまで来た——その時、予期せぬ手が背後から彼の首を掴んだ。
ツクヨ。今回はどういうわけか先に部屋で待っていた彼女が、音もなく、警告もなく、彼の指が紫色の刃に触れるまさにその時に掴んだ。
「行かせない。」それが、世界が再び暗くなる前に彼が聞いた唯一の言葉だった。
十八度目から二十二度目のループ、彼は歪みのパターンをより正確にマッピングし始めた——最初の振動が現れるのが何秒目か、瓦礫が特定の地点で落ち始めるのが何秒目か、どのルートがどの時間に最も安全か。毎回の死がデータになった。毎回の痛みが教訓になり、彼はそれをますます冷たく、ますます計算高くなっていく頭の隅にしっかりと保存した。
十八度目のループ、彼は遅すぎて死んだ——苦労して学んだパターンが警告もなく再び変わったかのように、予想もしなかった側から瓦礫が彼を襲い、通路の真ん中で捕まった。
十九度目のループ、彼は速すぎて判断を誤って死んだ——以前は避けていたのと同じ石につまずいた。前方の部屋のこと、紫色のエネルギーに対処する戦略のことに集中しすぎて、自分の足元に注意を払うのを忘れていた。その皮肉そのものが、砕けた足首から炸裂する痛みの中でさえ、苦く感じられた。
二十度目のループ、彼は代替ルートを試したが、それは彼の想像以上に危険だった——まだ探索していない通路の脇の狭い隙間。近道を期待して。その隙間は彼がちょうど真ん中にいる時に両側から崩れ、彼が叫ぶ間もなく暗闇の中で彼を押しつぶした。
二十一度目と二十二度目のループ、ツクヨはどういうわけか、彼が最も脆弱な瞬間にいつも彼を見つけることができた——まるで彼女の守護者の本能が、彼が試みるたびに鋭くなっているかのように。まるで彼女が、ミカがこの神殿のパターンを学ぶのと同じように、ミカのパターンを読み始めているかのように。二十一度目のループでは、彼の手がちょうど大きな扉に触れた時に彼女は彼を見つけ、扉が完全に開く前に彼を殺した。二十二度目のループでは、彼女はなんと祭壇の部屋の中ですでに待っていた。紫色の剣のすぐそばに立ち、ミカがどこへ向かうかを正確に知っているかのように。
「あなたが私に離れてくれと頼むたびに、私が疑わないと思ってた?」彼女は冷たく言った。ミカが入り口で立ち止まり、息を呑んで、彼女が先に待っているのを見た時。「この神殿でそんなに深く隠す価値のある場所は一つだけ。正しく推測すればいいだけよ。」
ミカは応じる間もなかった。二人の距離はあまりに近く、ツクヨの手は彼が防御を上げる前にすでに動いていた。
その試行の合間に、一つの瞬間が彼の記憶に引っかかった。二十一度目のループ、彼が何度目かの死へと走り出す前に、ツクヨが突然尋ねた——
「ミカ、なぜ私に離れてくれと頼み続けるの?」
ミカは一瞬沈黙し、目を逸らした。「……ただ、一人で考える時間が必要なんだ。」
「何のために?」
「考えるために。」
ツクヨは長く彼を見つめ、そして初めて、彼女はまったく疑わしそうに見えなかった——ただ心配そうに、純粋で単純に。
「もし助けが必要なら——」
「いい。」ミカは遮った。意図したより鋭く。「これは俺が一人でやらなきゃいけないことだ。」
ツクヨはそれ以上反論しなかった。彼女はただうなずいた。その目には、その答えに完全には満足していない何かが宿っていたが。
二十三度目のループ、初めて、彼は紫色のエネルギーが完全に反応しないほどゆっくりと近づくことに成功した——ほんの小さな火花が手を刺すだけで、焼き尽くす爆発ではなかった。心臓が激しく高鳴り、長く埋葬していた希望が再び這い上がり始めた。
しかし歪みが、彼が剣を祭壇から引き抜く前に部屋自体を襲い、彼の指が柄に絡み始めたまさにその時、天井が崩れ落ちた。
あと少し。
もうすぐだって分かってる。
二十四度目から二十九度目のループ、彼はタイミングを洗練させ続けた。通路の走る速度を秒単位で調整し、特定の地点で特定の時間に落ちると知っている石の塊を避けた——彼はそれを心の中で数え始めていた。一、二、三、跳ぶ。彼は特定の裂け目が開く直前に跳ぶことを学んだ。いつ曲がるべきか、いつ減速すべきか、いつ息を止めて、落ちてくる埃で決定的な瞬間に咳き込まないようにすべきかを学んだ。
しかし彼が剣に近づくたびに、常に新しい何かが現れて彼を止めた——まるでこの神殿自体、あるいは剣自体、あるいは運命自体が、彼がそんなに簡単に成功することを拒んでいるかのように。
二十五度目のループ、彼はすでに祭壇の真ん前に立ち、手を上げて剣の柄を掴もうとした——その時、部屋の床自体が突然彼の足元で崩落した。上からの瓦礫ではなく、基礎そのものが降伏し、この神殿の下に存在するとは思ってもみなかった、さらに深い闇へと彼を飲み込んだ。
二十六度目のループ、彼は前回の失敗から学び、祭壇の周りをより慎重に歩いた——しかし紫色のエネルギー自体が戦術を変え、ガラスの破片のような鋭い破片を遠距離から放ち、彼が入り口から三歩も近づく前に胸を貫いた。
攻撃の仕方さえ変わる。本当に自分の意志を持っているのか?
二十七度目のループ、ツクヨが再び彼を見つけた。今回は通路の途中で。彼女の足音はいつもより遅く聞こえた——彼女自身もこのルーチンに疲れ始めているかのように。彼女はほとんど疲労に近い表情で彼を殺した。その手は、憎しみというよりルーチンのような動きで動いた。
「なぜ同じことを繰り返し試すの?」彼女は尋ねた。もう答えられないミカに向けてというより、自分自身に向けて。
二十八度目のループ、彼は前のループとは位置が変わった瓦礫につまずいた——以前は左側から落ちていた石の塊が、今は右側から崩れ落ちた。まるでこの神殿自体が、彼が覚えたパターンから学び、彼の戦略を打ち破るために意図的に調整しているかのように。
俺は一体何と戦っているんだ? ツクヨだけじゃない。剣だけじゃない。この場所全体が生きていて、俺を弄んでいるみたいだ。
二十九度目のループ、彼はいつもより長く伸びた通路の途中で息を使い果たした——彼自身の精神的疲労による錯覚か、それともこの神殿が彼が試みるたびに本当に形を変えているのか。彼の心臓自体が、瓦礫が彼に触れる前に鼓動を止め、彼の体は終わりのない通路の途中で崩れ落ちた。
もはや正確に印をつけることもできないある時点で——おそらく二十九度目のループあたり、あるいは三十度目、その数字自体がすでに意味を失い始めていた——ミカは自分自身についてあることに気づき、ほとんど苦笑いしそうになった。
彼は最初の振動を聞いても、もう震えなかった。
体が砕けても、もう泣かなかった。
痛みは少しも減らなかった——折れた骨は毎回折れた骨のように感じられ、火傷は毎回同じ恐ろしい強度で燃え続けた——しかし彼自身は、別の何かに変わっていた。その痛みをプロセスの一部として受け入れる何かに。もはやすべての終わりとしてではなく。
興味深いな、 彼はある時思った。次の振動を待ちながら、自分自身でも驚くほどの静けさで座りながら。これが、苦しみに慣れた人たちが感じるものなのか。彼らが感じるのをやめたからじゃない。彼らがそれを恐れるのをやめたからだ。
ツクヨは、毎回のループの始まりに遠くから彼を観察しながら、その変化にも気づき始めていた。
「ミカ。」彼女はあるループで言った。ミカが離れるよう頼む前に。「あなたの目……変わった。」
ミカは振り返り、少し驚いた。「どう変わった?」
「前はあなたの目は恐怖で満ちていた。」ツクヨは彼をじっと見つめ、その虹彩の奥の新しい何かを読もうとするかのように。「今は……どう説明すればいいか分からない。自分の死と和解したのに、それに屈することを拒んでいる人の目みたい。」
ミカはすぐには答えなかった。彼はただ微かに笑った——このすべてが始まって以来、彼が初めて見せた笑みだった。その笑み自体は疲れていて、重かったが。
「たぶん、君の言う通りだ。」彼はついに言った。「ツクヨ、少しの間、俺から離れていてくれ。」
ツクヨはいつもより長く彼を見つめてから、ついにうなずいて去った——しかし今回は、彼女の顔に、別れを惜しむような何かがあった。彼女自身、もう彼が離れるべき存在でありたくないと思い始めているかのように。
三十度目のループ、彼は初めて通路のすべての瓦礫を避け、両足を無事に保ったまま扉にたどり着き、前より速く扉を押し開けた——しかし中に入るとすぐに、剣からの紫色のエネルギーがこれまでのどの試行よりも激しく爆発した。まるで剣自体が彼を「認識」し始め、彼が集めたすべての失敗への報復として、その防御を強化しているかのように。
彼は部屋から吹き飛ばされ、爆発そのもので体が砕け、歪みが彼に触れる前に。闇が彼を飲み込む直前、彼はただこう思うことしかできなかった——
試みるたびに、彼女はますます強く拒む。これは諦めろということなのか? それとも、まだ十分に値しないということなのか?
三十一度目のループ、その問いがまだ頭にぶら下がったまま、彼はまったく異なるアプローチを試した。ゆっくり近づくのでも、速く近づくのでもなく、彼は部屋の入り口で立ち止まり、祭壇の中央でゆっくり脈打つ紫色の剣を見つめ、そして話しかけた——剣自体に、あるいは祭壇を守る何かに、あるいは単に自分自身に。
「お前が俺に何を求めているのか分からない。」彼の声は震えていた。恐怖よりも疲労から。「俺は盗人じゃない。力を得るためや何かのために、お前を奪いに来たんじゃない。俺はただ……ただ生き残りたいだけだ。この場所から出たいだけだ。それだけじゃ足りないのか?」
沈黙が圧し掛かる以外に、応答はなかった。
彼は一歩前に進んだ。先ほどの言葉が何かを変えたことを願って。
紫色のエネルギーはいつも通り爆発し、彼を一瞬で焼き尽くした。彼が先ほど口にした嘆願には、少しも頓着せずに。
つまり、言葉には頓着しないのか。
いいだろう。ならば、俺は自分のやり方で試し続けるだけだ。
三十二度目のループはいつも通りに始まった——見慣れすぎた痛みの残響とともに戻る意識、石の柱、心配そうに彼を見つめるツクヨ。しかし今回は、彼の中で何かが違っていた。もはや無理に作り出した決意ではなく、冷たい計算だけでもない。
ただ純粋な疲労だけがあった。それがなぜか、静けさのように感じられた。
「ツクヨ、少しの間、俺から離れていてくれ。」彼は言った。その声は平坦で、ほとんど感情がなかった。
ツクヨは今回、いつもより長く彼を見つめた——何か言いたそうだったが、結局はただうなずき、これまで通りに去っていった。
最初の振動が来た。ミカは立ち上がった。足は彼自身の意識のずっと下に染み込んだ精密さで動いた——一歩一歩、曲がり角一つ一つ、跳躍一つ一つが純粋な本能になり、三十一回の失敗から刻み込まれたものだった。
彼は通路を無傷で通過し、落ちてくるすべての石の塊を、まるで何千回も見てきたかのように避けた——実際、そうだった。彼は大きな扉を一つの滑らかな動きで押し開け、以前のように全力を振り絞る必要はなかった。彼は祭壇の部屋に、適切な速度で足を踏み入れた——完全な爆発を引き起こすには速すぎず、迫り来る歪みに時間切れになるには遅すぎず。
彼の指が伸び、目の前でゆっくり脈打つ紫色の剣の柄に近づく。
これだ。今度こそ——
彼の指が柄に触れた。
永遠にも感じられた一瞬、彼はこれまでのどの試行でも感じたことのないものを感じた——手のひらから広がる温かい共鳴を。まるで剣が、初めて、本当に彼の存在を考量しているかのように。認めているかのように。脅威としてではなく、別の何かとして。
長く埋葬していた希望が再び溢れ出した。あまりに突然に、その優しさがあまりに痛々しく。
成功した——
そして歪みが、これまでのどのループよりもはるかに強力な力で部屋を襲った。まるでこの神殿自体が、彼が成功にあまりに近づくのを見るのに耐えられなくなったかのように。すべてが一度に崩壊した——祭壇、天井、壁、すべてが一つの凄まじい衝撃で塵になり、彼に痛みを感じる時間さえ与えず、ましてや剣をその場所から引き抜くことなどできなかった。
彼の意識は、彼が感じたばかりの温かい共鳴の途中で消えた。彼が希望に最も近づいたまさにその時に奪われた。
三十二回。
あと何回試せばいい?
毎回近づくたびに、常にそれ以上の何かが現れてそれを奪うなら、試し続けることに意味はあるのか?
疲労が恐怖に取って代わって以来初めて、絶望に似た何かが再び彼の胸に忍び込んだ——以前のような爆発的な絶望ではなく、はるかに静かで、はるかに危険な何か。おそらく、ただおそらく、もう試す意味はないと静かに囁く種類の絶望。
彼はこれまでのすべてのループを思い返した——三十二回の死、三十二通りの体の壊れ方、焼かれ、刺され、裂かれ、埋められた。三十二回、彼は再び立ち上がり、次の試行は違うと信じるよう自分に強いた。
自分自身でなくなる前に、あとどれだけ犠牲にすればいい?
立ち上がり続けるこの人は、まだ本当に俺なのか? それとも、あまりに多くの死で空にされた抜け殻が、単なる習慣で動いているだけなのか?
それらの問いは答えもなく彼の頭を巡り、ますます冷たく、ますます見知らぬものになっていく空気の中にぶら下がった——まるで彼自身の魂さえ、このすべての後に自分に何が残っているのか疑い始めているかのように。
広間の向こう側、その絶望が彼を完全に支配する前に始まったばかりのループで、ツクヨは彼を観察していた。その表情は最初の出会いから大きく変わっていた。かつてあれほど鋭かった疑いは、今やより柔らかく、より人間的な何かへと薄れていた——同じ傷を負って何度も戻ってくる誰かへの、誠実な心配。その傷のどれ一つとして、彼女には決して見えないにもかかわらず。
どうしたの、ミカ? 彼女は思った。決して声には出さなかったが。『一人』を求めるたびに戻ってくるあなたの目は、ますます重くなっている。私には想像もできない重荷を背負っているみたい。
彼女は知らなかった。その重荷とは、文字通り彼女自身だった——ミカを何十回も殺した彼女のバージョン。彼の記憶の中にだけ存在する何十もの世界で。
ミカは三十三度目に目を開けた。
石の柱。暗い天井。いつも通り心配そうに彼を見つめるツクヨ。
しかし今回は、彼の中で何かがもう耐えられなかった。
彼の手は激しく震えていた——もはやトラウマによる震えではなく、あまりにも長く抑えてきた何かがついに制御不能に破裂した震え。涙が彼の目に溜まり、気づく前に溢れ、何度も汗と血で濡れてきた頬を伝い落ちた。
「ミカ?」ツクヨが近づき、心配そうに。「泣いて——」
「やめて。」
その声は静かに漏れ、ほとんど聞こえなかった。しかしあまりに重い荷を運び、ツクヨをその場で凍りつかせた。
「やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて。」ミカは繰り返した。その声は繰り返すごとに壊れていき、涙は今や激しく流れ、もう止めることはできなかった。「頼む、これ以上やめてくれ。もう耐えられない。お願いだ——」
彼は自分の頭を掴み、体は抑えきれない嗚咽に揺れた——三十二回の死から蓄積された、彼がずっと一人で背負い、一度も本当に自分を壊すことを許さなかったもの。
「もし俺の運命が死ぬことなら、」彼は続けた。その声は嗚咽の間に詰まりながら。「死なせてくれ。もう生き返らせないでくれ。お願いだ。」
ツクヨは立ち尽くし、何が起きているのか理解できなかった。つい「目を覚ました」ばかりの誰かが、なぜこんなに絶望的な言葉を口にできるのか。
「ミカ、何が——」
ミカはもう彼女を聞いていなかった。
彼の中で何かが、制御できる限界を超えていた。考える間もなく、純粋に逃げる、避ける、一度だけ来るものに立ち向かわないという原始的衝動に駆られて、彼は自分の体を押し出した——歩くのでも、走るのでもなく、這って。手で石の床を掻き、足で体を引きずり、ツクヨから遠ざかった。まったく調整の取れない動きで、純粋に絶望がすべてへの完全な拒絶に変わった衝動に駆られて。
「ミカ、待って——」
「近づくな!」彼は叫んだ。まだ這いながら、涙と鼻水が顔の埃と混ざり合って。「近づく……近づかないでくれ。お願いだ。頼む、今回だけは行かせてくれ。行かせて——」
彼は這い続け、広間から離れ、暗い通路を進んだ。体はもう脳の命令に従わなくなっていた。息をするたびに刃物のように感じられ、嗚咽のたびに胸が締め付けられたが、彼は動き続け、遠ざかり続けた——まるでその距離自体が、もう確実に起こると知っていることから彼を救えるかのように。
振動が周囲に現れ始めた。同じ歪み。同じ崩壊。
彼はもう気にしなかった。
「やめて……お願いだ、やめてくれ……」彼は小さく呟いた。涙はまだ激しく流れ、体はまだ這い続け、周囲で瓦礫が降り始めても。「俺はただ、これを終わらせたいだけだ。ただ休みたいだけだ。お願いだ……」
ツクヨの足音が背後から彼を追った——いつもの殺す速度ではなく、本物の困惑とともに。彼女自身、これほど完全に崩壊した誰かにどう反応すべきか分からないかのように。
「ミカ——」
大きな瓦礫が二人の間に落ち、道を分断した。埃と叫びが入り混じる混沌の中で、ツクヨの手——反射からか、あまりに長くどんな脅威も終わらせるようにプログラムされた守護者の本能からか——這い続けるミカの背中を貫いた。彼が自分でも何か分からないものに手を伸ばそうとしたまさにその時——おそらく、決して本当には手に入れられない自由に。
もはや叫び声はなかった。ただ最後の息が、まだ流れ続ける涙とともに漏れ出た——これが何度目の死の淵であっても。
やっと……
やっと、止まる……
彼の意識は消えた。いつもの絶望ではなく、惨めな安堵に似た何かとともに。
ミカは目を開けた。
しかし今回は、同じ神殿の広間にはいなかった。
高くそびえる石の柱はない。心配そうに彼を見つめ、何が悪いのか尋ねられるのを待つツクヨもいない。いつもの薄明かりも、隅々まで覚えた古い埃の匂いもない。
ただ柔らかな闇が包んでいた。死のたびに感じる冷たい虚無とは違い——この闇は温かく、ほとんど毛布のように、久しく感じていなかった抱擁のように。
彼はその中を漂っていた。体は初めて、いつ以来か分からないほど軽く、この間ずっと彼に付きまとっていた痛みの重荷から解放されていた。かつて砕けた足の鈍い痛みもない。かつて焼けた肌の残響もない。ただ、すべての緊張を一つずつ飲み込んでいく温かい水のような、安らかな虚無だけがあった。
深淵に落ちて以来、この終わりのない死の循環に囚われて以来、初めて、彼は本当に安全だと感じた。
そして遠く——遠く、しかしなぜか同時にとても近くに感じられる。まるでこの場所の距離がもはや現実世界と同じルールに従っていないかのように——淡い緑色の光に似た何かが、ゆっくりと脈打ち始めた。柔らかく、真夜中の果てしない闇の中で一人踊る蛍のように。
その光は一度瞬いた。二度。
まるで彼を呼んでいるかのように。
その瞬きにはどこか見覚えがあった——彼の胸をなぜか温かくする何か。まるでこの光を以前にも見たことがあるかのように。どこかで、いつか、もう思い出すにはあまりにも長い時間の彼方で。
また夢か? いつも眠ると現れるあの夢か?
ミカは、動こうと本当に決めたわけでもないのに、ゆっくりとその光へと漂い始めていた——自分でも名前を知らない場所へ、もっと深く。夢のようでいて、あまりに現実的で、本来は別の場所にいるはずだということを忘れかけそうな場所——別の何かと戦い、別の何かを追い、つい今しがた彼の魂を圧し潰した三十二回の死の重荷を背負っていることを。
ここでは、ほんの一瞬、そのすべてが遠く感じられた。他人のもののように。自分のものではないように。
ほんの一瞬、ただ一瞬だけ、彼はその見知らぬ温かさに身を任せた——あまりに疲れ、あまりに好奇心が強く、そしてなぜか、自分でも知らない何かへの郷愁にあまりに満ちて。
緑の光はますます近づき、ますます明るくなり、ついに彼の視界すべてを飲み込んだ。
光が和らぐと、ミカは柔らかな草の上に横たわっている自分に気づいた。小さな花々が周りでそっと揺れている。夕焼けが頭上に広がり、オレンジと金色に輝き、温かいそよ風が、ずっと恋しかった誰かの手のように彼の顔を撫でた。
埃の匂いもない。血の匂いもない。ただ草と太陽の香りだけ。
胸が膨らみ、息が震える長い一息として漏れ出し、それを抑える前に、涙がこめかみを伝っていた。彼は声もなく泣いた。痛みからではなく、こんなにシンプルな場所がまだ存在していたこと、そして平和がこんな風に感じられたことをほとんど忘れていたことへの涙だった。
しばらくして、彼はゆっくりと起き上がり、座り、周囲を見回した。奇妙な安堵とともに。
すべてが見覚えがあった。丘の傾斜、あの夕暮れの光の色、草を揺らす風の方向さえ。しかし、その感覚がどこから来るのか思い出そうとするたびに、頭が脈打ち、記憶はただ空白を指し示すだけだった。郷愁は本物だった。その源はなかった。
遠くに、大きな木が丘の頂上に一本だけ立っていた。かつて夢で見たのとまったく同じように。一番低い枝にブランコが吊るされ、そこに薄緑色の髪の少女が座り、足をそっと揺らしていた。
ミカは立ち上がった。一歩一歩、草を踏む音を伴いながら近づき、数メートル手前で止まり、距離を保った。
「こんにちは?」彼はためらいがちに呼びかけた。
少女が振り返った。「ああ、ミカ、だよね? 違う、つまり——」
彼女の言葉は途中で途切れた。同時に、鋭い痛みがミカの頭を刺した——まるで彼の中の何かが、口にされなかったその言葉を聞いて動いたかのように。彼は顔をしかめ、こめかみを押さえた。
「ああ、ごめんなさい。」少女はしばらく口を閉じた。「まだあなたをそう呼んじゃいけなかったわ。」
痛みはゆっくりと引いていった。ミカは眉をひそめて彼女を見つめた。「俺の名前は……ミカ。」
少女はブランコから降り、そっと横に歩き、止まって、微かに微笑みながら彼を見つめた。「ええ。今のところは、それがあなたの名前。」
「今のところ?」
「今は考えなくていいの。」彼女は赤くなり始めた空に目を移した。「それよりも、まず心を強くして。あなたがたくさんの苦しみを抱えているのは分かってる。」
ミカは黙った。もっと聞きたかったが、喉が詰まっていた。
「だから、これからは、戦って。」少女は近づき、草の上を軽やかに歩いた。「自分のために。大切な人たちのために。愛する人のために。このすべてが重いのは分かってる。でも覚えていて、あなたは一人じゃない。」
彼女はミカのすぐ前に立ち、抱きしめた。
温かい。たった今三十三回死んだばかりの誰かには、あまりに温かすぎた。
「みんながあなたと一緒にいる。友達も。一番近い人たちも。」彼女の声は静かで、彼の耳のすぐそばで。「そして、たとえあなたが彼らと離れても、少なくとも私はいつもここであなたと一緒にいる、ミカ。」
ミカの中の最後の砦が崩れた。彼はその抱擁を返し、彼女の肩に顔を埋め、かつてないほど激しく泣いた——あまりに長く抑えていた後に、ようやく泣くことを許された子供のように。理解してくれる誰かがいた。何も説明する必要のない誰かが。
「分かった。」彼の声は嗚咽の間に震えた。「もう一人で戦わない。覚えておく。ありがとう。」
少女は答えなかった。彼女はただ、抱擁を一瞬だけ強くした。
そして周囲の世界が割れ始めた。
草原、花々、大きな木、平和な夕焼け——すべてが、重い荷に打ち付けられた鏡のように砕けた。温かさはゆっくりと遠ざかり、代わりに、あまりによく知っている冷たい感覚が訪れた。
硬い石が彼の体の下に。何千年も積もった古い埃の匂い。
ミカは目を開けた。
そびえ立つ石の柱。巨人の口のような暗い天井。そして広間の向こう側、もう隅々まで覚えてしまった心配そうな表情で彼を見つめるツクヨ。
三十四度目のループ。
彼はまだ完全には大丈夫ではなかった。指の先はまだ微かに震え、胸を貫いた手の記憶はまだすべての神経に鮮明だった。しかし呼吸は整い、あのループが始まって以来初めて、恐怖はもう彼の首を掴んでいなかった。それはただ、彼の隣を歩いているだけだった。
ツクヨが近づき、眉をひそめた。「ミカ? どうしたの? あなた——」彼女は止まり、目を少し細め、その顔の奥の何かが変わったのを感じ取ったかのように。「……心が静かね。さっきとは違う。」
「ツクヨ。」ミカの声はもう涙で掠れていなかった。平坦で、静かで、確かだった。「今回は、離れなくていい。」
彼は立ち上がった。足は一瞬よろめき、そして石の床にしっかりと踏み出した。
怖い、 彼は正直に思った。紫色の剣が待つ暗い通路を見つめながら。でも、もう逃げない。
これを終わらせよう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回もどうぞお楽しみに。




