神殿の少女
前回、キヨは倒れた。
ユキナとリョウジョはヨウスケに救われ、その場を離れた。
そして——ミカは目を覚ました。
見知らぬ神殿で、見知らぬ少女と出会う。
闇。
そして、ゆっくりと、意識が戻ってくる——いつものような痛みの爆発ではなく、指先から骨の髄まで広がる鈍い虚無感とともに。
ミカは目を開けた。
高い天井が彼を迎えた。暗い。果てしない。まるで触れようとする光をすべて飲み込むかのように。
……またどこだここは?
彼はしばらく横たわったまま、目を周囲の薄明かりに慣らした。古い埃の匂いが空気に満ちている——あまりに長く積もり続けた埃は、その匂い自体がこの建物の一部のように感じられた。また、ろうそくの香りもかすかにしたが、周囲に灯っているろうそくは一つも見当たらなかった。
確か、気を失う前に誰かがいたはずだ。女だ……敵か味方かもわからない。しっかり顔を見る間もなく、全てが暗くなった。
ゆっくりと、彼は起き上がろうとした。冷たい石の床に手をつき、鉛のように重い体を支える。すべての関節が鈍く痛む——もう存在しないはずの傷の残滓だ。しかしなぜか痛みはまだ残っている、まるで消えることを拒む影のように。
「……うっ……」
彼は顔を上げ、周囲を見渡した。
石柱が通路の両側に高くそびえ立っている。いくつかはひび割れ、いくつかは苔むしている——こんなに古くて静かな場所で、なぜ苔が生えているのか不思議なくらいだ。窓はない。彼の位置から見える扉もない。光は特定できない源から来ている——かすかで、暖かく、まるで水を透かした太陽の光のように。
神殿……
ミカは完全に立ち上がろうとしたが、足はわずかに震え、自分の体重を支えるのに苦労した。彼は最も近い柱に片手をかけ、手のひらに石のざらついた感触を感じた。
いったいここはどんな場所だ?
音はない。他の生命の気配もない。ただ、あまりに濃密な静けさ——重みを持っているかのような、肩にのしかかり、自分の呼吸さえも耳障りに感じさせる静けさだけがあった。
彼は歩き始めた。一歩、また一歩と、目の前に広がる通路を進む。彼の足音はかすかに響き、静かな証人として立つ柱の間を反響した。
出口を探さなければ。少なくとも……自分がどこにいるのか、それだけでも知らなければ。
通路は続き、時折曲がりくねり、やがてより広い広間へと開けた——天井は通路よりもはるかに高く、かつては何かの彫刻があったであろう名残がかすかに見えるが、時間の経過とともに風化し、もはやその形状を識別することはできなかった。
ミカは広間の入り口で立ち止まった。
そして、彼が意識を取り戻してから初めて、それを感じた——
彼は一人ではなかった。
鳥肌が立った。寒さのせいではない。しかし、何十回——いや、おそらく何百回もの死を経験して培われた本能が彼に教えていた。体が監視されていると感じるなら、それは実際に監視されているのだ。
彼はゆっくりと目を広間に走らせ、整然と並ぶ柱の影の中からその感覚の源を探ろうとした。動きはない。音もない。同じ静けさ、同じ闇だけがある。
しかし彼にはわかっていた。
「……誰かいるのか?」彼の声は思っていたよりも掠れており、石の壁にかすかに反響した。
答えはなかった。
ミカは慎重に広間へと足を踏み入れた。警戒しながら、彼の手は反射的に腰の辺りへと動いた——いつもそこにあるはずの剣の柄を探して。しかし何もなかった。アビスでの戦いの名残であるボロボロの布切れだけがあった。
くそ。武器もない。魔力も残っていない。これが本当に脅威なら、俺は——
「お前だ、あのポータルから落ちてきたやつ。」
その声はあまりに突然に聞こえた——正面からではなく、右側から、他の柱よりも大きな柱の陰から。
ミカは素早く振り返った。反射が思考よりも先に動いた。しかしその姿を目にした瞬間、彼の動きは凍りついた。
そこに立っていたのは、一人の少女だった。
彼女の髪は暗紅——乾いた血の色、あるいは長く燃え続ける夕焼けを思わせる色。長く、わずかに波打ち、肩を越えて背中まで届いている。その瞳はミカを、ある種の読めない表情で見つめていた——敵意ではないが、友好的とも程遠い。その中間の何か。冷たく、警戒に満ち、そして同時に疲れ切った何か。
彼女は古びた衣服をまとっていた——普通の布ならとっくに持たないはずの寿命をはるかに超えて耐え抜いたかのようなローブだ。彼女が人間以外の何かである兆候はなかった——奇妙な光も、肌の印も、何もない。ただ……彼女の立ち方、沈黙の仕方に、彼女が普通の人間ではないとミカに確信させる何かがあった。
ミカは唾を飲み込んだ。「……お前は誰だ?」
少女はすぐには答えなかった。彼女は首をわずかに傾げ、その質問に答える価値があるかどうか、あるいはミカ自身がその答えを信頼するに値するかどうか、秤にかけるかのようだった。
「お前は割れ目から落ちてきた。」彼女はようやく口を開いた。ミカの質問に答えるのではなく、自身の観察を繰り返すように。「私は見ていた。お前は入り口の前で倒れ、長い間動かなかった。」
「……どれくらいの間だ?」
「十分に長い。」彼女は詳細を省いて答えた。まるで時間など、もはや彼女が気にするものではないかのように。「数えてはいない。」
ミカはまだ警戒して立っていた。しかし弱った体では警戒態勢を長く保つのは難しかった。彼は少女をより深く見つめ、何かを読み取ろうとした——意図、脅威、自分がどう振る舞うべきかの手がかりとなるもの。
しかしその顔は変わらず静かだった。変わらず平坦だった。まるで、もう長い間波立たない湖のように。
「お前は……」ミカは一瞬躊躇し、慎重に言葉を選んだ。「この神殿に住んでいるのか?」
「住む。」少女はその言葉を、長い間味わっていなかった味を試すかのように繰り返した。「それを表現するには面白い言葉だな。」
「どういう意味だ?」
「私はここに『住んでいる』わけではない。」彼女は少し近づいたが、十分な距離は保った——話すには十分近く、警戒を続けるには十分に遠く。「私はここに閉じ込められているのだ。」
その言葉は彼らの間に重く落ち、冷たく濃密な空気の中に漂った。
ミカは沈黙した。彼女の口調には何かがあった——悲痛な嘆きでもなく、爆発するような怒りでもない。ただ、ずっと前に受け入れられた現実を、叫びよりも重い静けさで語るものだった。
「閉じ込められている……どうやって?」ミカは尋ねた。自分が答えを聞く準備ができているかどうか、確信は持てなかったが。
少女は答える前に長く彼を見つめた。その質問に正直に答える価値があるのか、それともいつものように避けるべきなのか、評価するかのように。
「私はこの廃墟の一部だ。」彼女はついに口を開いた。「神殿の境界よりも先には進めない。何度も試した。何度も。ついに挑戦するのをやめた。」
ミカは胸の奥に冷たい何かが広がるのを感じた——恐怖ではなく、求められていない共感に近い何か。彼は閉じ込められる感覚を知っていた。同じことを何度も繰り返し、結局何の成果も得られず、希望そのものが絶望よりも重く感じられるようになる感覚を知っていた。
「なぜ挑戦するのをやめたんだ?」彼は静かに尋ねた。
初めて、少女の顔に何かが動いた——微笑みでもなく、明らかな悲しみでもない。もっと微妙な何か。あまりに長く沈殿し続けた疲労が、もはや感情としてではなく、彼女自身の一部として、彼女が吸う息ごとに溶け込んでいるかのような何か。
「なぜなら、何度も打ち砕かれる希望は、やがて希望のように感じられなくなるからだ。」彼女はドラマチックな口調ではなく、ただの世界の事実であるかのように答えた。「それは習慣になるだけだ。そして、苦しい習慣は続けるよりもやめる方がましだ。」
ミカは何と答えるべきかわからなかった。その言葉はあまりに正直で、あまりに裸で、空虚な決まり文句で応えることができなかった。
しばらくの沈黙。どこからともなく風が柱の間を吹き抜け、正体不明の光の下でかすかに輝く埃を運んだ——まるで浮遊する時間の欠片のように、落ちるには軽すぎ、消えるには重すぎる。
「名前は?」ミカはついに尋ねた。話題を変えるために——あるいは、あれほどの深い絶望にどう応えればいいのかわからなかったからかもしれない。あるいは、本当に知りたかったからかもしれない。
少女はしばらく彼を見つめた。あまりに長い間一人でいた後でも、そのような単純な質問に答える価値があるかどうか、考慮しているかのように。
「ツクヨ。」彼女はついに答えた。その声はほとんどささやきのように。「それは……私に残された名前だ。」
「ミカだ。」彼は応じた。まだ少し掠れた声で自己紹介した。「俺も……どうやってここに来たのか、正直よくわかっていない。」
ツクヨはすぐには反応しなかった。彼女はただもうしばらくミカを見つめ、他の人には見えない何かを彼の中に見極めようとしているかのようだった——おそらく同じ疲労、同じ重荷。あるいは、それよりもはるかに複雑な何か。
「お前は傷ついている。」彼女はついに言った。質問ではなく、観察だった。「見た目以上に。」
ミカは否定しようとしたが、まだ自分の体重を支えるのに震える体が、口に出る前にその否定を滑稽に思わせた。
「……ああ。」彼はついに認めた。「見た目以上に。」
ツクヨは静かにうなずいた。その答えは最初から予想していたかのように。彼女は背を向け、広間の隅にあるひび割れた柱の一つへと歩いていき、すでに彼女の自然な座り場所となっていた石の瓦礫に座った——おそらく、もう数えるのをやめた時間の間、そうしてきたのだろう。
「休め。」彼女は振り返らずに言った。「お前の体はまだ何もする準備ができていない。そしてここでは……少なくとも、しばらくは安全だ。」
ミカは一瞬躊躇した。広間の壮大さの中で、なぜかとても儚く見えるその背中を見つめた。
「待ってくれ。」彼はついに言い、数歩近づいた。「お前は……行ったりしないのか?」
ツクヨが答える前に間があった。短い。ほとんど自分自身への呟きのように、ミカに向けられた答えというよりは。
「どこへ行けというんだ?」
その言葉は空中に、古代の柱の間に漂った——この静寂がどれほどの間続いてきたかを目撃してきた柱たちは、ミカがここに落ちてくるずっと前から、そして彼が去った後もずっと、同じ場所に立ち続けるだろう。
ミカはゆっくりと石の床に座り込んだ。ツクヨに近い柱の一つに背を預けて。体の痛みはまだ脈打っていたが、アビスに落ちて以来初めて、何かが少し軽くなったような気がした。
完全に安全になったからではない。目の前の人物を完全に信頼したからでもない。
しかし、ほんの一瞬だけ、彼はこの濃密な静けさの中で、もう一人ぼっちではなかった。
そして、どういうわけか、それだけで十分だった。
神殿の外、はるか彼方の上空で、異質な星々は無関心に瞬き続けていた——座礁した二つの魂を見守りながら、そのうちの一方にとっては非常に長い間、初めて恐怖に完全に支配されない空間を共有していた。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
彼らの足元の地面が震えた——最初はかすかに、ほとんど気づかれないほどに、まるで巨大な鼓動が大地の奥深くで打っているかのように。塵が高い天井からゆっくりと落ち、間違った色の雪のように舞い降りた。
ミカは顔を上げた。「……何だ?」
ツクヨは彼が言い終える前にすでに立っていた。先ほどまで穏やかだった彼女の目は鋭く研ぎ澄まされ、広間の奥の闇——ミカがまだ探索していない方向——に向けられていた。
「静かに。」彼女はささやいた。ほとんど音もなく。「動くな。」
震えはさらに強くなった。今度は音も伴っていた——遠く、かすかだが、明らかに自然の音ではない。ある種の長い呻き声が、あるべきではない深淵から引きずり出され、ミカが通り抜けてきたばかりの通路に沿って響いていた。
ミカの背筋が再び凍りついた。今度は前よりもはるかに鋭く。「ツクヨ、何——」
「守護者だ。」彼女は素早く遮った。声はまだ低く、緊張している。「時々動くことがある。頻繁ではない。しかし彼らがここに新しい何かを感じ取れば……」
彼女は文を終えなかった。必要なかった。
ミカは立ち上がろうとした。体はあらゆる関節に鋭い痛みを伴って抗議したが、彼は無理に立ち上がり、最も近い柱に寄りかかった。「守護者? 何の守護者だ?」
「この神殿そのものより古いものだ。」ツクヨはゆっくりと後退し、その声が聞こえてきた暗い通路とミカの間に自らを置いた——ほとんど気づかれないほどの小さな動きだが、ミカの目はそれを逃さなかった。「彼らは境界を守っている。誰も外に出られないようにしている。そして通常は……彼らが守るべき者は誰もいない。なぜなら誰も来ないからだ。」
「俺がここに落ちるまでは。」ミカは彼女の言葉を引き継ぎ、胃のあたりが冷たくなった。
「お前がここに落ちるまでは。」ツクヨは繰り返した。その事実を和らげようとはしなかった。
呻き声が再び聞こえた。今度はさらに近くに。続いて足音——重く、遅く、しかし確かに、何か非常に大きなものが石の通路を引きずりながら進んでくる音。
ミカの心臓が高鳴った。彼の拳は握りしめられ、もはや利用できない力を求めた——魔力はまだ空っぽで、体はまだ弱く、手に剣がなければ、彼は守られるべき重荷でしかなかった。
くそ。これが本当に危険な何かなら、俺は何の役にも立たない。
「ツクヨ、」彼は言った。声は少し震えていたが、なんとか抑えようとした。「もしこれがここに来たら——戦えるのか?」
彼らが出会って以来初めて、彼はツクヨの顔に新しい何かを見た——もはや平坦な疲労ではなく、はるかに鋭い何か。集中。彼女が以前は何の力も示さなかったが、訓練された警戒心。
「神殿の外では彼らと戦えない。」彼女は静かに言った。その目は通路の闇から決して離れなかった。「しかしここ——この広間の中では、私の力はまだこの廃墟に縛られている。我々がこの境界から出なければ、可能性はある。」
足音はさらに近づいてきた。大きな影が通路の入り口に形成され始めた——普通の扉から入るには大きすぎ、その形状を明確に識別するには暗すぎる。ゆっくりと、重く、まるで歩くことを覚えた山のように動くシルエット。
ミカは息を止めた。
そして、広間の入り口のすぐ手前で、そのシルエットは止まった。
沈黙。
数秒が非常にゆっくりと、非常に重く流れ、ミカは自分の心臓の鼓動が耳の中で大きく鳴るのを聞くことができた。
そして——ゆっくりと、興味を失ったかのように、あるいはこの広間の中にある何かは今対処すべき脅威ではないと判断したかのように——そのシルエットは後退した。その重い足音は遠ざかり、それが来た闇の中へと戻っていき、やがて沈黙だけが残された。
ミカは床に崩れ落ち、ずっと止めていた息を吐き出した。「……今のは何だったんだ?」
ツクヨはさらにしばらく立ち続け、その沈黙が本当に沈黙であることを確認した——次の攻撃の前の間奏ではないことを。彼女が確信した時、ようやく彼女の肩がわずかに下がった——ほとんど気づかれないほどの安堵の兆し。
「名前は知らない。」彼女はついに答えた。再び石の瓦礫の上に座り込んだ。「ただ存在していることだけは知っている。私が覚えている限り、ずっとそこにいる。時々動き、確認し、そして再び沈黙する。」
「なぜ去ったんだ?」
「お前がまだ神殿の境界から出ていないからかもしれない。」ツクヨは彼を見つめた。その表情はいつもの静けさに戻っていたが、今回は以前よりもわずかに脆く見えた。「あるいは、私がまだここにいるからかもしれない。彼らを縛る規則を正確に私は知らない。ただ……これまでのところ、彼らが私を実際に攻撃したことは一度もない。」
「一度も?」
「一度もない。」彼女は繰り返した。しかしその口調は、それが永遠に続くかどうかを彼女自身も完全には確信していないことを示唆していた。
ミカはそのシルエットが消えた暗い通路を見つめた。体はまだ疲れすぎてこれ以上反応できなかったが、彼の思考は速く回っていた。
つまり、この場所は本当に安全なわけではない。ただ……まだ危険ではない。今のところは。
「このことはもっと早く教えてくれるべきだった。」彼は言った。声にまだ残る震えを隠そうとしながら。
「教えようとしていたところだ。」ツクヨは平坦に答えた。しかしその背後には隠された謝罪のような何かが聞こえた。「こんなに早く来るとは思わなかった。普段は新しい何かを感知するまでにもっと時間がかかる。」
「つまり、俺がここにいることで……何かが早まっている。」
ツクヨは答えなかった。そしてその沈黙自体が十分に明確な答えだった。
ミカは再び座り込んだ。今度はツクヨが寄りかかっている柱の近くに——より近い距離が少しだけ安心感を与えてくれるかのように。しかし彼は知っていた、もしあの守護者が本当に攻撃しようとすれば、数メートルの距離など何の意味も持たないということを。
しかしミカの心の奥底では、一つの疑問がまだぶら下がっていた。答えられず、おそらく長い間答えられないであろう疑問が:
彼女を信じてもいいのか?
彼はツクヨの方を盗み見た。今や目を閉じて座っている彼女は、何もせずに待つことに慣れているかのようだった——待つことの意味さえ忘れてしまった何かを待ちながら。
ミカの頭の中にはあまりに多くの疑問が渦巻いていた。彼女は本当は誰なのか? どうして彼女はこの廃墟に閉じ込められたのか? その起源さえ理解していないこの場所に? そして最も気になるのは——ミカがここにいるのは単なる偶然なのか、それとも何かが彼を意図的にこの場所へと引き寄せたのか?
しかし彼の体は今それらすべてを考えるには疲れすぎていた。集中しようとするたびに、重い眠気が再び彼を引きずり下ろす——見えない手が彼を再び闇へと引きずり込むかのように。
後でいい、 彼は思った。まぶたが重くなり始めている。もっと後で聞こう。今は……少しだけ休むだけだ。
彼は冷たい石柱に頭を預け、その広間の静けさが、奇妙でありながらどこか心地よい毛布のように彼を包み込むのを許した。
彼の意識が完全に沈む前に、彼はかすかな声を聞いた——あまりにかすかで、それが本当に口に出されたのか、それとも彼自身の想像なのか確信が持てなかった。
「……誰かと話すのは、本当に久しぶりだ。」
その声はあまりに脆く、これまでツクヨが見せてきた静けさとはあまりにかけ離れていた。長く被り続けてきた仮面の裏側にある小さなひび割れのように。
ミカは目を開けようとした。もっと尋ねようとした。聞き間違いではなかったことを確かめようとした。
しかし闇はすでに彼を引き込んでいた——アビスに落ちて以来初めて、繰り返される死の影に満たされていない眠りへと。
ただ静けさだけがあった。そしてなぜか、その静けさは以前より少しだけ温かく感じられた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回もどうぞお楽しみに。




