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崩壊した世界で自分を探して 〜終わらない再構築のループと、夢の中で出会う謎の少女〜  作者: スズミヤ
第一章 全ての終わり

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戻った平和な朝

戦いの夜が明け、朝が訪れる。


ミカが目を覚ますと、そこは見慣れない天井だった。静かな部屋。誰も起こしに来ない朝。


これは、失われた日常が戻ってきた――最初の朝の物語。

朝、ミカは目を覚ました。


静かだった。


いつものように、ドアを叩く大きな音と「ミカ! 起きなさい!」という叫び声が静けさを破ることはない。今日は――何もない。夜明け前に残った星明かりだけが、窓の隙間から差し込み、部屋の床に静かに落ちいている。


彼はまばたきをした。見慣れない天井を見つめる。


ああ……ここは学園か。


ミカはソファから起き上がった。首が少し凝っている。変な姿勢で寝てしまい、背中も痛い。軽く伸びをしてから、彼は急いで浴室へ向かった。


冷たい水が顔を洗い流す。


素早く身を清め、着替えを済ませ、学園へ向かう準備をする。すべてが機械的な動きだった――いつものように。しかし、何かが違った。


浴室から出た後、ミカは寮の部屋のリビングの真ん中に立った。


静かだった。


いつものように、浴室から出た後、彼は食卓に座る。ミヤが朝食を用意してくれる。目玉焼き。温かいご飯。味噌汁。そしてミヤは向かい側に座り、微笑みながら言うのだ。「たくさん食べなさいよ」と。


しかし、今は――


何もない。


ただ、誰もいないリビングだけがある。静かで、寒々しい。


ミカは深く息を吐いた。冷蔵庫へ歩いていく。開ける。中を眺める――あるのは牛肉のソーセージだけだった。


……まあ、いいか。


彼は二本のソーセージを取り出し、冷蔵庫の前で立ったままそれを食べた。味はしなかった。ただ、胃を満たすだけだった。


ミヤがこれを知ったら、きっと怒るだろうな。


その考えが突然浮かんだ。しかし、彼はすぐに首を振った。


ミカは寮の部屋を出た。廊下はまだ静かだった。いくつかのドアは固く閉ざされている――他の住人たちはまだ眠っているのか、あるいは邪魔されたくないのかもしれない。彼の足音が木の床に静かに響く。


彼は学園へ向かって歩き出した。


男子寮と女子寮の通路の分岐点で――彼は立ち止まった。


誰かがそこに立っていた。


その少女は空を見上げ、両手で布に包まれた何かを抱えていた。彼女の髪は爽やかな朝の風に揺れている。その目はぼんやりとしていて、まるで彼女の意識は別の場所にあるかのようだった。


ミカはそれが誰なのか知っていた。


「ミヤ」


少女が振り向く。虚ろだったその顔が一瞬で変わった――小さな笑顔が彼女の唇に浮かぶ。


「ミカ! おはよう!」


ミカは近づいた。「ずっとここにいたのか?」


ミヤは首を振る。「今着いたところ。偶然だね」


「偶然?」ミカは微かに笑った。「僕を待ってたんだろ?」


ミヤは黙り込んだ。頬がほんのり赤くなる。彼女は答えなかった――しかし、否定もしなかった。


「ミカ……」ミヤは手を差し出した。その手には、水色の布で包まれた何かがあった。「これ、あげる」


「何これ?」


「お昼のお弁当」


ミカは黙り込んだ。彼の視線はその包みからミヤの顔へと移る。


「今は家が別々になっても……」ミヤはうつむき、声が次第に小さくなる。「……私はこれからも、あなたにお弁当を作るよ」


彼女はもう少しだけ手を前に差し出した。その顔は今、完全に真っ赤になっていた。


ミカは微笑んだ。彼はその包みを慎重に受け取った。


「ありがとう、ミヤ」


「お礼なんていいのに……」ミヤが呟いた。


「それから……」ミカは少し真剣な声を添えた。「いつも迷惑かけてごめんな」


ミヤはすぐに首を振った。「全然迷惑なんかじゃないよ! 私がやりたいからやってることだもん」


二人はしばらく黙って立っていた。朝の風が彼らの間を吹き抜け、草と湿った土の香りを運んでいく。


「じゃあ……」ミヤが静けさを破った。「行こう」


ミカはうなずいた。


二人は並んで学園へ向かって歩き出した。


学園に着くと、正面階段の前で別れた。ミヤの教室は二階。ミカの教室は一階。


「また後でね」ミヤは手を振りながら言った。


「また後で」


ミカは一階の廊下を歩き出した。何人かの生徒たちがもう集まり始めている――笑顔、笑い声、軽い会話。いつも通りの普通の朝の光景だった。


しかし、その時――


スッ。


突然、ミカの目が覆われた。


両手が――柔らかく、小さな手が――後ろから彼の目を塞いだ。


女の子だ。


それがミカの第一印象だった。その手は男の子のものにするには滑らかすぎる。暖かすぎる。


「ヒマリ?」ミカが当ててみた。


答えはない。


「ミカリ?」


それでも答えはない。


「二人じゃないなら……誰だ?」


その手がゆっくりと離れた。ミカが振り返る。


そこに立っていたのは――


「リョウジョ?!」


ミカは驚いた。目を見開く。


リョウジョがそこに立っていた。無表情だった。その顔は変わらない――しかし、口元には、笑顔と呼べるかどうかわからない、ほんの少しの弧が描かれていた。


「り、リョウジョ先輩?! どうして一年生の棟に?」


「お前に会いたかったからだ」リョウジョは簡潔に答えた。「それと、そんな堅苦しいのはやめろ。『先輩』なんて付けなくていい。リョウジョでいい」


ミカは首を振る。「で、でも、先輩。失礼だと思います――」


「リョウジョでいいと言っている」


「しかし――」


「リョウジョ」


ミカはため息をついた。「……わかった。リョウジョ」


リョウジョは満足そうにうなずいた。


「あ、そうだ……」ミカは突然思い出した。彼は少しうつむいた。「昨日は……助けてくれてありがとうございました」


リョウジョはしばし沈黙した。そして、首を振った。


「礼を言うな。俺は何も助けていない」


「え?」


「何も助けていない」リョウジョは繰り返した。その声は断言していた。「むしろ、お前が俺たちを助けたんだ。お前がいなければ、俺は昨日死んでいたかもしれない」


ミカは何と答えたらいいのかわからなかった。ただ黙っているしかなかった。


リョウジョは一歩近づいた。その目は真剣にミカを見つめている。


「だからこそ、聞きたい」


「何を?」


「昨日のことだ」リョウジョの声がさらに低くなる。ほとんど囁きに近い。「いったい、何が起きたんだ?」


ミカは息を呑んだ。


「俺から見れば……」リョウジョは続ける。「敵が突然、皆切り裂かれていた。敵の領域が突然崩壊した。そして気がついたら――周囲のすべてが凍りついていた。地面も。空気も。すべてだ」


彼はミカの目をまっすぐに見つめた。


「お前は何をしたんだ、ミカ?」


ミカは黙り込んだ。


彼の意識はあの夜へと飛んだ。アサシンがミヤの背後に立っているのを見た瞬間。剣が振り上げられた瞬間。彼が声の限り叫んだ瞬間――


そして、世界が突然止まった瞬間。


「俺は……」ミカは躊躇いながら話し始めた。「あまり覚えていないんだ」


「覚えている範囲でいい」


ミカはため息をついた。


「叫んだ後……突然、すべてが止まった」


「止まった?」


「つまり……時間が止まったんだ」


リョウジョは眉をひそめた。


「どう説明すればいいのかわからないけど」ミカは頭をかいた。「でもその時、世界は完全に止まった。何も動かなかった。風も止まった。埃も止まった。ミヤの真後ろに立っていたアサシンでさえ――その場で凍りついていた」


「それで?」


「それで……体が勝手に動いた」ミカの声はさらに小さくなる。「自分で動かしている感覚はなかった。でも手は剣を握っていた。そして足はそのアサシンに向かって歩き出した」


彼はうつむいた。


「そして……斬った」


静寂。


リョウジョはしばらく何も言わなかった。その目は細められている――疑っているからではない。理解しようとしているのだ。


「つまり、お前は……」リョウジョがゆっくりと話し始めた。「時間を止めたっていうのか?」


ミカは肩をすくめた。「本当に時間が止まったのかどうかはわからない。ただの自分の感覚かもしれない。でも、それが昨日起きたことだ」


リョウジョは今回、さらに長く沈黙した。


そして、彼は言った。「お前は本当に……」


「変?」


「規格外だ」


ミカはまばたきした。リョウジョからそんな言葉を聞くとは思っていなかった。


リョウジョは背を向けた。「よし。聞きたいことは聞けた」


「誰にも言わないでくれますか?」


リョウジョは半分だけ振り返った。その口元に、かすかな笑みが浮かんでいた――ミカがあの冷たい顔で初めて見る笑顔だった。


「それは秘密だ」


そして彼は歩き去っていった。廊下に立ち尽くすミカを、無数の疑問とともに残して。


ミカは深く息を吐いた。


彼は手にした弁当の包みを見た。水色の布は温かかった――ミヤの手の温もりのせいかもしれないし、中身がまだ温かいせいかもしれない。


今は家が別々になっても……私はこれからも、あなたにお弁当を作るよ。


ミカは微かに笑った。


彼は教室へ向かって歩き出した。


授業開始のベルが鳴った。


生徒たちは皆、それぞれの席へと急いだ。足音と椅子を引く音が教室に満ちる。ミカはいつもの場所――窓際の席に座った。


教師が足早に入ってくる。


「今日は少し変更がある」彼は本を机に置きながら言った。「授業を始める前に、転校生を紹介したい」


生徒たちは顔を見合わせた。転校生? 学期の途中で?


「入ってきなさい」


ドアが開く。長い銀髪の少女が優雅に入ってきた。その瞳は銀がかった青色。その唇には、大きな笑みが浮かんでいる。


「紹介します、私の名前はユキナ!」


声は明るかった。何人かの男子生徒がすぐに顔を赤らめた。


教師は微笑みながら付け加えた。「彼女はヨウスケ学園長の娘です」


教室中がすぐに騒然となった。


「学園長の?!」


「その娘さんが? このクラスに?!」


ユキナは小さく笑った。「あら、皆さん驚いてる? ごめんなさいね。私も急にここに置かれたから、よくわからなくて」


彼女は微笑みながら両肩をすくめた。


「でもまあ、いいや。仲良くしてね!」


教師は黒板をそっとノックした。「では、ユキナ。前の方の空いてる席に座りなさい」


「はい、先生!」


ユキナは軽やかな足取りで自分の席へと歩いていった。


しかし、ミカは――


ミカはそんな騒ぎには全く関心がなかった。


彼の視線は窓の外へと向かう。青く晴れた空。ゆっくりと動く白い雲。彼の意識は再びあの夜へと舞い戻っていた。進化。聖域。止まった時間。


これはいったい、何を意味するんだ?


「君がミカくん?」


明るい声が彼を引き戻した。


ミカが振り向く。


ユキナが彼の机の横に立っていた。彼女の席は前の方だったはずだ。なぜもうここにいるんだ?


「立たなくていいよ。こっちから来たんだから」彼女は微笑みながら言った。


彼女の瞳はまっすぐにミカを見つめていた――まっすぐに、躊躇なく。


「君の噂はたくさん聞いてるよ」


「僕の?」


「うん」ユキナは隣の机に少し寄りかかった。「昨日の大きな事件に巻き込まれた転校生くんでしょ?」


ミカは黙り込んだ。


「でも、大丈夫」ユキナは両手を上げた。「いろいろ聞いたりしないから。それに、私たち、これから同じクラスだしね」


彼女は手を差し出した。


「友達になろう」


ミカはその手を見つめた。そして、明るく笑うユキナの顔を見つめた。


ゆっくりと、彼はその差し出された手を握り返した。


「僕はユキナ」


「俺はミカ」


「もう知ってるよ」ユキナは笑った。「でも、あらためて、よろしくね、ミカ」


彼女は手を離し、自分の席へと歩いていった。


教師が咳払いをした。「では、今日の授業を始めましょう」


ユキナはおとなしく座った。彼女が体を反らす直前、その目は何かを捉えていた。


ミカはもう窓の外を眺めていた。


しかし、その口元には――ほんの少しの笑みが浮かんでいた。

ここまで読んでくれて、ありがとう。

また次の話で会いましょうね。

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